秋葉原発の新興家電ブランドUPQ発足:4Kモニタや充電スーツケース、SIMフリースマホなど24製品
ってニュースを見まして、どれどれと拝見してみました。
カシオ計算機で携帯電話・スマートフォンの商品企画に従事。退社後は秋葉原でカフェを開業していましたが、「やっぱりものづくりに戻りたい」と、2014年にEngadget主催のハッカソンイベントに参加し IoT弁当箱「XBen(エックス・ベン)」を企画・開発。2014年12月に経済産業省フロンティアメイカーズ育成事業に採択され、2015年7月、カフェでのオーナー業のかたわら、UPQの代表取締役社長に就任しました。
ということで、女子が代表というだけでかなりお得(悪口じゃなくて)。これがムサイおっさんだったらこれほど取り上げられる事はなかった的な・・・。経営者の顔が見えるっていうのはスタートアップ企業では非常に重要なのでこれは◎。
Engadgetが取り上げるのは当たり前として・・
ギズモード
LTE対応SIMロックフリースマホが1万4500円…UPQ、安すぎやしませんか【追記アリ】
ガジェット通信
新ブランド「UPQ」、Android 5.1を搭載したLTEスマートフォン「UPQ Phone A0」を発表
週刊アスキーが一番詳しく好意的
カシオ出身の女性起業家、激安オシャレ家電を2ヵ月で17種類作る UPQモノづくり革命
販売は「DMM.make STORE」のみで行うということなので、中間マージンがかからず、価格を安く設定しているんだと思う。会社の名前はアップ・キューと読むんだそうだ。普通読めない。Up-Qにしてくれないと
会社のサイトを見に行って驚いたのであるが・・・
資本金わずか100万円???
在庫分とかどのようにして資金処理してるんだろうと思ったら週刊アスキーに理由が書かれていた。Cerevoに業務委託で開発を依頼しているらしい。Cerevoってかなりマニアックな製品を開発・販売してるところだよね。つまりUPQとは真逆の感じ。
つまるところ、UPQの本業はブランドづくりだ。作・サポートなど作り手としての業務はCerevoに委託するため、UPQの従業員は中澤代表たった1人。間接費を削減しつつ、Cerevoのノウハウで製品を安く作る。具体的には中国工場との価格交渉のように、かなり泥くさいノウハウだ。Cerevoのノウハウによって、超短期開発という強みができた。旬のトレンドを家電に取り込むこともできるようになった。
要するに在庫と販売はCerevoが引き受けて、UPQは中澤さんひとりで「こういう商品を作りたい」という要望を上げるかたちなのかな。ストアにいきますと・・・ほとんど予約中であり、納品予定日もなし。ガラスのキーボードは取り寄せになっていた。発表された商品はこんな感じのみなさん
UPQの商品は売れるのかな? Xiaomiみたいになれるのかな
自分が一番引っかかったのは、この商品群をたった2ヶ月で開発から販売にこぎ着けたという点・・・
この速度では実際には「ハードの開発」というのは難しいので、ありものに色を付けた感じなのかなと一消費者としては感じますので、このアピールはうまくないです。おそらくこの
3軸電動スタビライザー+延長バー(3万7500円)とかは、どう考えても2ヶ月で図面引いて製造までもっていける気はしないから、もともとCerevoで開発していたもののカラーをあわせてUPQの商品にしたんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
この製品は一定のニーズは絶対あるからそこそこは売れると思うが、Cerevoの製品だったほうがもっと売れたんじゃないかなと思います。スマホにブルーカラーは可愛いかもしれないが、3万7500円だしてこれ買う層はカワイイとか求めてないと思うんですよ。Cerevoの商品は渋い黒で統一されていて、そっちのほうが・・・ボソボソッ
主力商品は青い色の格安SIMフリースマホと考えているんだと思いますが、こうした商品は実はめちゃ売るのが難しい。正直色もべたっとしてあまり「オシャレ家電」には見えない。iPhoneのほうがオシャレの点では卓越してるでしょ。日本で可愛いカラーのスマホが欲しいって買う人はiPhone買うと思うんだよね。だってiPhoneはめちゃくちゃたくさんケースとかカバー売ってるじゃない。格安スマホにオシャレ要素を求める人はあまりいないと思う。そういう市場ニーズはあるんだろうか。でもってサポートとかどうすんの? オシャレで買う人はめちゃサポートのコストがかかりますよ。
あとSIMフリーといってもバンド1、バンド3、バンド19、バンド28ということは、例えばアメリカだと全滅なんじゃないかという声も出ました・・・
次に販売を「DMM.make STORE」の通販だけにしてしまった点(松栄さん、すんません)。いくら格安でも見ないでスマホを買う層はかなりマニアックだと思うんですよ。あと、新規でいま個人情報とかカード情報登録してもらうの、ものすごく難しい。通販ならまだAmazonとかのほうが売りやすいです。通販のみならいっそDMMモバイルで販売してもらったほうが良かったんでは?
でもやっぱり、カラーだけとかではなくて根本的なデザインとか、性能で差別化しないと厳しいよね。だったら高年齢者用に字のでかい「らくらくスマホの格安版」みたいなほうが、ニーズあると思うんですよね。おばあちゃんとか、おかあさんへのプレゼントに格安SIMのセットで、これで孫とLINEできるよみたいな。
商品全部見渡すと・・・「3軸電動スタビライザー+延長バー」以外に絶対欲しいって感じのがないの。スマホバッテリー内蔵のトランクだって・・・空港のラウンジにコンセントあるよ・・そのためにこのトランクに買い換えるってあまりピンと来ないんだよね。投げられたり平気なのかなと思った。トランク買うなら丈夫さ1点で選びます、私。
防水のウェラブルカメラにしてもAmazonみたら一杯出てるけど、GoProのパチモンが1万円以下で買えるんです。普通にそこそこ使える。これとバトルして勝てる気がしませんの・・・
スタートアップのメーカーに欲しい条件
どこの誰も出してない、やっぱオリジナリティの高い商品でないと、話題にならないから結局たいして売れないと思うんです。ということで、いやらしく繰り返すけど、商品の中で本当に商品力があるのは3軸電動スタビライザー+延長バー(3万7500円)だけなのかなと思いました。
そんなわけでわたしが絶対欲しいこれ↓作ってください。少なくとも1個は売れるしめちゃくちゃ押しますよ。TwitterやFacebookでも「こういうのあったら欲しい」の声がけっこう上がりました。ご検討よろしく。
ウェラブルカメラの市場をGoPro4 Session使って考えてみた
話は変わるけど、この1週間で安保法案反対と賛成の本をあわせて5冊くらい読みました。集団的自衛権って100%軍事的な話なのに、軍事に疎い政治家とか官僚とか学者や評論家やマスコミが論じてもどんどん論点がずれる。賛成派も反対派も各所で誤認識多数でずれまくってる。軍事専門家の小川和久氏の本がもっともわかりやすかった。マスコミの報道がいかに素人で誤報道が多いかもわかりました。反対のための反対、賛成のための賛成とか、もうけっこういい加減にしてくれと。土日にぜひご一読ください。法案反対の人も軍事の観点からどうなのは知った方が良いです。