3連休の最終日ですが、このブログのまとめ本（2年半分）の作業でこれから死ぬ予定です。なにせ物凄いページ数に相当に加筆しています。各章には挿絵入り。イラストは公募で若林あんじゅさんに決定しました。上西議員みたいな唇が気になりすぎです。参考タッチ
さて、TPPが大筋合意してから、テレビの報道を見てましたけど、あまりに担当ディレクターというかプロデューサーが「馬鹿じゃん??」と思うものが多く、これはひとつ注意してあげないといけないと決意し、このエントリーを書くものであります。
まずどのテレビ局だか忘れたが、どの時間帯のニュースにも「蜂蜜の関税が0になったら日本の農家はどうなる」と千葉の養蜂業の方を取材した映像が何度も流されました。農家のお兄さんは「国産というブランドですから」と笑ってましたけど・・
今回のTPPではオーストラリアとニュージーランドの蜂蜜が関税0になります。オーストラリアのゴールドコーストにサーフィンに行ったとき、「ハニーワールド」という蜂蜜専門店が郊外にあり、お土産を買ってきました。
建物は大きいけど客は我々だけ。www
左の防護服着たおっさんがココの人。蜂蜜絞りショーとかもやります。
いろんな種類のがあるんですが、もっとも高価なのがニュージーランド産のマヌカハニー。薬用にもなるっていうマヌカの花の蜂蜜。現地価格はいまサイトを見ましたら
250gで46.8ドル、AUドルなので4100円くらいです。Amazonで見ると
マヌカヘルス マヌカハニー MGO400+ 250g 4800円
全然現地と変わらない!!
ちなみにゴールドコーストのお土産屋だともっとずっと高いです。www
まあ、マヌカの花自体、オーストラリアとニュージーランドにしかなく、さらに食べると独特の薬っぽい感じでそんなに美味しいというのではなく、ピロリ菌の駆除や美容にもいいという感じだが、普通のオーガニックの蜂蜜だと、この500gのけっこう大きな瓶で
500gで10.45AUドル 919円
日本だとこの価格帯で同じ容量だと
みたいな中国産蜂蜜がメイン・・・
房総半島には養蜂農家も多く、道の駅には国産の蜂蜜が売られてますけど、300gで1500円、500gだと2800円とかします。この高い蜂蜜を買ってる人たちが、オーストラリアやニュージーランドの蜂蜜の関税25%が撤廃されて500gで700円とかになったら買うのかというと・・
買うわけない・・・
国産の霜降り肉しか食べない人が、ニュージーランドの牛肉の関税が撤廃されたからって、筋だけで脂のないニュージーランド牛肉（牧草しか食べてなくて法律で穀物を与えて無理に太らせることを禁止しているマジでオーガニック）を好んで食べるのかというと、そんなことはないで終わります。
逆に、オーストラリアとニュージーランドの蜂蜜の関税が撤廃されると一番影響を受けるのが「価格でぶつかる中国産蜂蜜」で、加糖して出荷するのが普通という噂の中国の養蜂農家はぶっ倒れますが、逆に
食の安全は高まる!!!
といわけであります。インドネシアだって中国からの食品は危険だからと全面輸入禁止なんだぜ。要するに今回のTPPで農産物で一番被害がでかいのは中国の農家じゃない?
葡萄の関税率0になったって、日本の種なしピオーネとか巨峰とかマジで美味しい。オフシーズンにはチリの種なし葡萄も食べますが、いまのシーズンは種なしピオーネ最高でしょ。日本の葡萄は世界一。絶対に輸入物には負けない。レベルが違いすぎる。
お米も千葉の農産物直配所にはいまのシーズン「新米」が並ぶんですが、無農薬最高品質一等米で精米したてだと2キロで1500〜2000円とかでスーパーの米の2倍以上するんだけど、速攻で売り切れる。味が全く違うんだもん。
カリフォルニア米がはいって苦戦するのは外食で使ってるような安いお米でしょ。カリフォルニア米は炊きたてだと美味しいけど陸稲なので冷えると臭いが出るってハワイの和食屋さんが言ってたよ。
しかし、TPPで日本にもっともメリットがあるのは「サービス・投資」分野。わたしの友人で経産省のキャリアからリクルートに転職、のち起業した後々さんが硬く解説しております・・こちら
テレビ局の方も、圧倒的な競争力のある蜂蜜農家とか葡萄農家を取材する暇があったら、そっちの分野を取材されたほうが良いと思います。その前にちょっと勉強してよ、マジで。
↑の解説でわかりにくい方は池上さんに頼ろう。マジで分かりやすいよ
