テレビの影響力は絶対に弱まらない。情報弱者とキャズムがある限り

2015年10月22日

久々に、なにやこれというのを見ました。

いよいよテレビ放送というビジネスモデルも限界かもしれない

民放のドラマの視聴率が数十年前と比べて見る陰も無く、さらにはNetflixなどの来襲でテレビには先がないということなんだが、ホント、自分の視点でしか世間を見てない典型です。

まず、テレビのドラマの視聴率が下がった、下がったといっても、いつの時代と比較してるんだという話です。
たとえば紅白歌合戦の視聴率は昭和37年(1962)には80.4%もあった。昭和35年(1960)くらいまでは70%台をだいたいキープしていたが、37年(1962)から急にその後は50%台におち、昭和51年(1976)から50%台を切り始めた。途中わずかに40%台を切ったことはあるが、現在でも40%台で安定している。

で、民放4大ネットワークのキー局化はいつ頃かというと1960年代を過ぎてからである。紅白の視聴率が70%を超えていたのは

NHKしか映らなかった

からなんですよ!

自分の子供の頃は新潟では民放はTBS系の新潟放送だけであった。都会に住んでいるとわからないのだが、現在でも地域によっては民放の視聴可能なチャンネル数はこんなに差がある。以下総務省のデータ
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地上波がNHKのほか1局しか映らない県が2県、2局が3県、3チャンネル以下が合計で14県もあるのだ。東京と同じで6局映るのは全国で6県しかない。が、そこは人口集中地帯。しか〜しです。これも総務省のデータですが

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日本のケーブルTV加入世帯数2918万!!

世帯普及率では52.2%もあるんです。

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上のチャンネル数の分布を比較すると面白いことに、東北がケーブルTVの加入率が非常に低い事が分かります。鹿児島と福島が全国で突出して低い。ここらは地上局ばかり見ているわけね。

動画版も作ってみました。

で、ここからが本題です。ケーブルTVの世帯普及率が過半数超えている時代に、民放のドラマの視聴率云々で「テレビ離れ」を語って意味あるのかって話ですよ。
昔はNHKと民放数局しか見られなかった。しかしいまはテレビ1台で数十チャンネル見られるんですよ。しかも首都圏などの人口密集地では地上局のチャンネル数も多いのに、ケーブルテレビの加入率も80%超えてめちゃ高い。どんだけチャンネルがあるんだよ。うちもJCOMはいってる。

テレビの視聴者は

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このように50代、60代以上が突出してますが、70代以上はもっと見てるでしょう。うちのオヤジは将棋チャンネルと釣りチャンネルばかり見ているし、演歌チャンネルや時代劇チャンネル、通販チャンネル漬けのお婆さんも大勢いる。つまり

テレビ1局当たりの視聴者数が薄くなっている

だけじゃないですか。ラーメン屋が一軒だけなら繁盛するが、回りに数十店できたらどうなんの。あとHDレコーダーの普及で見たいのだけ予約してあとで見るというのが高齢者にも普及してきてはいるね。さらにメインの視聴者である高齢者がトレンディドラマ大好きな訳ないっしょ、テレビ局もアホすぎる。昔トレンディドラマ見ていた層はもう高齢者なんだよ。

で、いまは高齢者がテレビの視聴者だが、いずれ20年もして高齢者が減ってきたらいまの若者はネット依存だから・・っていってる方、このグラフで10〜30代のPC利用率見てくださいよ。

いまの10〜30代のPC利用率は50代より少ない!!

10〜20代はスマホ使用率が高いわけですが、これ20年後、30年後もそうなのか誰が断言できる?
いまは学生仲間やグループでLINEばかりしてるから、ネット使用率は高いけど彼らが50代になってもLINEでみんなとやってんのかね。未来は誰も想像つかないけど、自分は若いだけでリテラシー低い人たちは、いずれテレビに回帰すると思いますよ。さらに昔と違って家や職場には新聞もなくなっているから、むしろ昔より知的レベルは後退していると思うんですよ。

Gunosyにみる、テレビ広告しか到達できないターゲットについて

ここで詳しく解説したけど、ネットだけでは30〜40代の情報収集に興味がある男性にしかリーチできないんです。その数せいぜい200万人で日本の人口の5%ですから!!(幼児と寝たきりの人とか除いた感じ)。若い女性とか主婦、ヤンキーなど、情報を集めることに興味がない人にリーチするにはテレビが絶対的に有利であり、なくなることはない。なぜならという理由を書きます

テレビが新聞や本と根本的に違う点は

ネットや本、新聞、雑誌とテレビとの一番の違いは、ネットや本は自分の意思でいろいろなことを調べたり探したりするものだが、

テレビは完全に受け身でいられるメディア

ということが決定的に違うのです。電源入れてチャンネル回すとあとは勝手に情報やどうでもいいことを流し込んでくる。だから楽なんです。
情報弱者ってなんで情報弱者かというと「自分で情報を探せない(探す気がない)」からじゃないですか。残念ながら日本の大多数はレイトマジョリティで情報弱者だと思います。だからテレビは絶対死なない。この人たちが大多数を占めている間は間違いなく!!

テレビやマスコミが偏向報道してるってほとんどの人は知らないし、総務省の調査では新聞の信頼度が一番高く71.3%であり、テレビが65.7%と続く。ネットの信用度なんて全体でも3割。ネット非利用者ではなんと6.6%しかないのだ。テレビがステマやりまくりとかテレビで報道するわけないのでみんな丸呑みのまま。

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そんなわけで、日本人の大多数を占めるレイトマジョリティの間に深いキャズムが存在している以上、テレビは不滅なのです。そしてNetflixなんてせいぜいアーリーマジョリティまでしか認知されないでしょう。こういうマーケットを語るときは、そのターゲット層の顧客視点持たないと意味ないのよ。

スポーツニュースも相当偏向されている。自分もいつも思ってました。女子選手はみんな「ちゃん付け」・・・www

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