Googleの検索エンジンが、近く過去最大の改変を行うらしい。
発端のニュースはコレ。ウォールストリートジャーナルの記事。
グーグル、検索システムを改良へ 市場シェアの維持目指し過去最大の変更か
そのあともいろいろでてきてます。これとかはブラック系SEO屋さんは真っ青
Google、“過剰SEO”サイト対策のアルゴリズム変更を予告
昨年末にも大きな変更があり(というより年間何百も改良しているらしいが)、不正なことをしていたサイトには警告のメールがGoogleからばんばん送られてきている。ドス黒いことやっていたおかげで検索にでなくなってしまったサイトも多いようだ。今度の改変ではさらに、「小ずるいことして検索順位をあげようとしていたサイト」の順位を大きく下げて、「本当に価値のあるサイト」の順位を上げるというGoogleの基本方針が強く打ち出されるはずだ。
サイトやってると、毎日のように営業電話で「SEO対策やらせてください」というのが来る。が、そもそも営業電話しないと顧客が獲得できないという段階で、その会社は自社のSEO対策ができてないわけだし。
ちょっと古いがこのエントリーは必読ですよ
SEO屋をブラックからホワイトまで7分類してみた
何度断って来ても電話がかかってくる某上場企業系なんかは詐欺的ブラックSEOの典型だと思う。実際クライアントの1人が昔何十万円か払って依頼したらしいが、全く効果無くて散々だったそうな。うちにもちょくちょくかかってくるので暇なときは相手するのだが、知識のでたらめさにはかなり呆れる。どんな社内教育しているのか謎。だいたいGoogleの改変予定が発表されて中身も分からないのに昨日もかかってきた。アホか。
可哀想なのはクライアントだ。Googleから警告が来たら、お金を出して買った何千ものバックリンクに「外してくれ」と依頼して回らないといけないし、だいたいどこにリンクが貼られているかもわからなくなっている。田舎コンサルに騙されて「相互リンクお願いします」ってメールを何百も出しまくり、壮大な相互リンクを作ってしまった場合も同様だ。過剰な相互リンクはブラックとみなされるわけで、自分から頼んでおいて勝手にこちらからリンク外したらスーパー感じ悪いですよ。
改めて書くと、Googleの考える「いいサイト」は、
1 きちんと更新されていて、
2 ページが増えていて、しかも内容がオリジナルで、
3 アクセスも増えていて、
4 みんなが凄いといって紹介してくれていて
5 小ずるいことしていない
というのが基本。しごくまっとうだ。しかし、この中の最重要部分であるのは「2のページが増えていって、しかも内容がオリジナルで」であるわけだが、SEO屋さんとか、単なるWEBデザイナーとか、単なるプログラマーの人にはどうしていいか、全くわからない。経験がないのだから当たり前だ。たとえ素人でも元々センスがあって、自分のサイトのコンテンツで苦労してアクセスを稼いだことがあれば経験則からなんとなくわかる。が、受託でサイトのデザインを作った程度では厳しい。
アクセスがない → SEO頑張るか、素人に毛が生えた程度だと、「じゃあソーシャルでクチコミを広めて」とか思うのだが、そもそも内容がないとクチコミなんて広がるわけがない。ショップサイトでいくらSEO頑張って検索上位に来ても、商品自体がどーでもいいようなものなら絶対に売れない、それと同じなのだがそれがどうも理解されない。
内容がない → 検索上位にもってくるしかない
※アフリエイト用のサイトがこれの典型
ではなくて
内容がある → 当然、検索上位に来る
というGoogleの考える真っ当なスタンスにいまこそ戻るべきなのです。簡単です。
では、集客できる優秀なコンテンツとはなにか。
実のところ、答えはとっても簡単。いいコンテンツは
①ここにしかないという唯一独占性があり
②他と比べて明らかに優位性がある
これだけに尽きる。ショップサイトならこうした商品を開発して掲載していけば、それ自体が卓越したコンテンツになる。企業サイトでも実は同じで、こうしたコンテンツを拡充することは日本の年金制度を建て直すのに比べればめちゃくちゃ簡単だ。
本題とはずれるが、実はこうした優秀なコンテンツを絞り出す訓練で、自分に一番役立っているのが「雑誌の編集」の経験である。まだもネットの時代になる前は、かなりの雑誌の編集とか校正とかライター をやっていて、それがけっこう効いている。企画の10本出しとか、そして採用された記事がどれくらい読者の手応えがあったかみたいなことから、言葉にはできないけど得た経験値が相当に蓄積された。リクルート系の雑誌にはじまり、ポパイやブルータス、ビッグコミックスピリッツ、SPA!、SAPIOなど、とっても鍛えていただきました。日産の広報誌でも苦労しました。そんな経験がかなり活きてます。自分はさておいて、印刷媒体が瀕死の今、優秀なエディターさんたちがサイトコンテンツのディレクターに転職して成功している例も多いと思います(自分の周囲だけ??)。
雑誌の編集者に一番大事なのは、引き出しの多さ、ネタの豊富さである。優秀な編集者は「なんでこんなことまで知ってるの」くらい雑学に詳しい。読者より詳しくなくて 記事が作れるわけもないから当たり前なのだ。
ということで、SEO対策が小手先でどんどん通用しなくなる今、せっせことSEO対策やる時間とコストをかけるなら、きちんと本道に戻り、商品開発をするとか、マーチャンダイジングをするとか、プロのディレクターを探してコンテンツの見直しをするとか、真っ当な仕事に戻るべき、といいたい今朝でありました。