ブログのエントリーにも、瞬発型とロングテール型がある。ずっと前に書いたのだが、いまだに毎日600人に読まれ続けている、「店舗や会社のブログをアメブロやFC2でやってはいけない3つの理由」というエントリーが後者の典型だ。さぞかしアメブロもFC2も苦々しいだろうが、本当のこと言ってるだけだし知り合いもいないからノープロブレム。
で、このエントリーの中で、仕事で使うならこういう無料ブログで書かないで、自分で格安サーバ借りて自分のドメインで書く方がずっとメリットがあるよと、わたくし言っております。しかし実際にサーバを借りて移転して、アメブロには「移転しました」っていう告知を書いてという手順を取ると・・・
アクセスがめちゃくちゃ落ちた・・・
という声がけっこう上がります。はっきり言います。落ちたんじゃありません。もともとアクセス無かったのです。アメブロのアクセス解析はジャブジャブに水増しされていたのです。
この話は業界ではたいていの人が知ってるわけですが、どうやってしているのか、なんでこんなことをしているのか、本日はさくっと推測してみたいと思います。まず、実際のアクセスとアメブロのアクセス解析の差分を知りたければ、アメブロにGoogleのアナリティクスのタグを忍ばせます。こちらの解説までしているといくら書いてもスペースがないので自分で調べてやってください。きちんとセットして翌日、目の玉が飛び出るほど実際のアクセス数との違いに驚かれるはずです。
では、実際、どのくらい水増しされているのか。分かりやすく説明するために、以前わたしがセットして1年半前に休止している、あるアメブロのブログを使って説明します。このブログは読者数が約100あり、停止前は1日500〜900人とアメブロのアクセス解析では出ていました。ではまず、1年半全く更新していないブログにどれくらいアクセスがあるのか見てみます。
おや、1年半も全く更新していないのにもかかわらず、1日250〜350人くらいもアクセスがあるのか・・・?
では、忍ばせてあるGoogleアナリティクスで、3/15のアクセス数を見てみます。アメブロの解析では256人が来ていたはずです。
んが??!! (○_○)
きゅ、きゅうにーん??
そのうち一人は「まだブログあるかな」と思って確認した自分です・・
28倍に水増し?? 濃度で言ったら3.5%。ほろ酔い気分のチューハイくらいに薄まってます。
ではどうやってこんなに薄まっているのか・・・
アメブロの解析によると
75%のOSが不明・・・??。完全にロボット(プログラムのことです)が巡回してます。検索エンジンのと、たぶんアメブロの工作員ロボット・・人間のふりしているロボットだから、サイロンとでも名付けますか?
ブラウザで見ますと、IEでは実際には7人しか見てないのに、こちらでは41人。Chromeでは2人のところ10人くらいと、ちょうど5倍くらいに増やされてます。アクセス集計の計測している時間帯が異なるので、正確に何倍というのは不明です。
では、みんなどのページを見てるのでしょう・・・
おおお!!! 256人のうち、なんと225人がお気に入りからだ??!!
1年半も更新してないブログをめちゃくちゃ気に入ってくれて、毎日見に来てくれる人がこんなにいるのか・・・・って訳ないワ・・・
しかもサーチエンジンから来ている人数も、Googleアナリティクスと比較してきっちり2倍ずつにされている!! 律儀すぎ!!
ページごとのアクセスを見ますと、少しからくりが分かりました。
見られているとされているページはほとんどRSS ・・「店舗や会社のブログをアメブロやFC2でやってはいけない3つの理由」のエントリーからリンク貼ってあるブログにも書いてありますが、RSSというのはブログの更新情報で、サーバにそのデータを取りに行きます。よってこのブログのRSSをチェックしようとしている人の設定が1時間に一回データを取りに行くようになっているなら、アクセス数は1日で24倍されます。Googleアナリティクスとかは当然こんな馬鹿なカウントしないはず。
1 ロボットを巡回させてアクセス数を水増しさせている+定量倍の水増し
2 読者登録している人がログインすると、登録しているブログのRSSを勝手に見に行くようになっていて、それがアクセス数にカウントされる。
というのではないかと無責任に推測します。もっと詳しいエンジニアの人で「違うよ、こうだよ」という方がいたら教えてください。
アメブロは素人アフリエーターの温床ですので、せっせと無意味に読者登録返しを狙って無作為にいろんなブログの読者登録をしまくる人が大量にいます。「読者登録しましたのでそちらもお願いします」みたいな意味不明の依頼が一杯来ますので、自分も登録返ししていると、同類から一杯読者登録されます。そうすると必然的にアクセス数が跳ね上がります。順位も上がります。
実際アメブロのヘルプには「アクセスを増やす手法」として読者登録が上げられています。
「やったー。たくさん読者登録して、登録返しされて、努力が実ってアクセス増えたー」と喜んでいても、実際には人間が見に来ているわけではなくて、来ているのはサイロンです。悲しいね。人類は滅ぼされちゃうんだよ。
ではなんで、アメブロはこんなジャブジャブの水増しをしているのか・・・
ここの理由を勝手に推測してみました。まずは検索エンジンのロボットのアクセスを除外する技術力がないという可能性は置いといて・・
1 ユーザーを喜ばせてやる気を出させる
ブログ書いても誰も見に来ないとやる気をなくします。よって嘘でもいいのでヨイショでモチベーションを高める。続けることに意味がある。そのうち本当の読者も来るかもしれない
・・・・
そしてアメーバピグなどの、課金できるコンテンツに誘導する
2 広告スポンサーに対しての公称アクセス数を増やす
いまだにネット広告をページビューでしか判断できないオールドな企業も多いわけですが、こういうところには「何億ページビューです」とかいうセールストークが使えます。ですのでジャブジャブに薄めて何倍、何十倍にもして広告単価を決めるとたくさんお金が稼げます。でもこれって上場企業がやることとは思えないのですが、まさかやってないですよね・・??? 絶対やってないです。やるわけない。・・・・・よね?
まあ雑誌メディアとかも「公称部数」と「実売部数」がかけ離れているのは当たり前で、日本ABC協会にはいってない媒体はほんど実際とはかけ離れた数字を媒体パンフレットに掲載しています。実売5000部なのに実際には10万部とか平気で言ってる雑誌も一杯あります。これって詐欺ではないかと個人的にはずっと思ってきましたが、出版業界が死に体なのも、こういうのが原因の一つではないでしょうか。
そんなわけで本日の教訓。
「きみはロボットと遊ぶためにブログを書いているのか。人間に読んで欲しくはないのか」