本日は、やや真面目。というか古めかしい内容のエントリーでありますが、温故知新です。いずれは書こうと思ってました。
ネットの黎明期には「懸賞サイト」っていうのがめちゃくちゃ流行ったわけです。それまではハガキに書いて応募していたのが、ネットだと簡単に応募できる。懸賞マニアにとってはハガキ代が浮くし、懸賞サイトには懸賞の情報がどっさり載ってるから、応募も楽ちん。特に大企業で「分かってない」ところでは、大規模懸賞で応募者を大量に集めるというのを普通にやっていた。何万人集めた、という数でしか評価されないようなオールドスクールのところですね。
思い出したけど、なすびなんて、懸賞生活してたくらいだ。
広告モデルの懸賞サイトから、必ず掲載するのにお金を取るものまで一杯あったのだが、一昨年の「Yahoo!懸賞」の終了にもあるように、一気にしぼんできた気がする。
「そういえば最近は見ないな・・・」と思う人もいるだろうが、どうして懸賞サイトがいままでのような勢いがなくなったのか、勝手ながらまとめてみたいと思う。ネットでの集客を見直すのにいい例になる鴨。
実は初期にはわたしも、いろいろ試して痛い目を見ました・・・
◆プレゼント提供側の立場で考える
○いいものを出すとアクセスはたくさん来る・・一瞬嬉しい
○メールマガジン必須にしてもそこそこ集まるので、「数だけを評価する」企業では実績として担当者の面目が立つ。・・・ネタの乏しい広告代理店が薦めやすい
○バックリンクが懸賞サイトから貼られるので多少はSEO的に効果あるかも・・
×懸賞マニアが大半で、アクセスはあっても販売に貢献したりは全く無い
×応募代行サービスを使用している人が多く、そもそも応募したことさえ記憶にない
※応募条件にメルマガのオプトインをとっていても、メルマガ出すと「スパムだ」とクレームが来る
×そもそも懸賞用に普段使わないフリーアドレスを使う人が大半。
新しいサイトをオープンして、そのときにプレゼント懸賞やるのはありふれた手法でした。しかし実際にやってみると、とにかく応募者の質が悪い。一人で何百も応募しまくるセミプロか、アルバイト替わりに毎日何時間もやり続けるお金に不自由な人多数。ネットショップでオープン懸賞やると、賞品によっては1日数千人のアクセスも軽くとれたが、1個も売れない。「お金を払って買う人」と「お金を払いたくなくてタダで貰いたい人」は全く別のグループだということがしみじみ分かった。もっとも逆に今は、景気の低迷でそこそこいい人に変わってるかもしれない・・笑
一度、 応募条件に「サイトについての感想」を必須にしたところ、精神的に参る回答が山積みで心が折れます。
「個人情報を売ったりはないでしょうね」
※信用できないなら応募するな!!
「なんで住所まで聞くのか。おかしい」
※聞かなきゃ当選しても賞品が送れないじゃん!!
「おたくの賞品は素晴らしい。当たらなくても買いたい 以下褒め殺し」
※コピペでいろいろなサイトに死ぬほど出してる
とまあ、金がカラムとこんなにまで人間は汚くなれるのか、みたいなのもけっこうあり、相当疲れますから・・・。
◆逆に、応募する側にもいろいろなデメリットがあります。
1 一括登録を利用するとアドレスが第三者に売られることがあったらしい
※いまは知りませんが・・・
2 実際にプレゼント発送をやっていなくてもわからない
信じられないかもしれませんが、雑誌社でも、読者プレゼントの賞品を勝手に編集がネコババしたりしていたケースを昔、何度も見ました。 プレゼントサイトを見ても、毎週のように同じ豪華賞品を出しているショップとかがけっこうあります。そんなに余裕ないでしょ、実際。上記のように本当は効果がないのに、アクセスの多いサイトは評価が上がるというSEO的な見地だけで偽プレゼントをやってるとこも多いんじゃないでしょうか。
誰もマスコミは報じませんが、「東北震災チャリティ」みたいなのも、実際には寄付しないでネコババしているところも結構あったのではないかと睨んでます。 ましてやネットのプレゼント発表なんて、架空の名前を書いておけば誰も真偽の確認のしようがない。ステマをやってるような企業や店舗が懸賞プレゼントしていても、信じる方がおかしいです。
とまあ、ネットでは廃れた感がある「オープン懸賞」だが、実はいまの時代に盛んに行われているのがFacebookである。
自分なんて半年でビールが3回も当たりました。当たったからといって別にその会社のビールを愛飲するようにはなってないし、タダはいいなと思って飲んでるくらいだから、どんな効果があるかも全く不明。なんか効果あるんだろうか。
Facebookページに「いいね」を押してファンにならないと応募ができないようにするには、Facebookの規則では間にプログラムが必要なので、モニプラみたいなサービスがあるわけですが、これに参画するにはウン十万もかかる。
そして当選したあとは、メーカーから自分のウォールに投稿があっても、そもそもプレゼントが欲しくて応募のためにファンになっただけなので、すぐさま「すべて非表示にする」にしてしまう自分がいました。
あっ・・・自分もろくな客じゃなかったです。
懸賞少なくなりましたね。
懸賞は新規顧客を集める手段ですが、
合わせて囲い込みの手段に使うように進めています。
ポイントは必ず取り扱い商品を懸賞品にすること。
応募を自社ネットショップ内の懸賞システムを使うこと。
懸賞応募ページは懸賞品に合わせたSEOに毎回書き換える。
応募完了ページに人気商品ページへのリンクを張る。
任意でメルマガ登録。
次の懸賞でも取り扱い商品を入れて、メルマガで懸賞の告知を入れる。
取り扱い商品しか出さない、自サイトの懸賞システムに登録させることで、
ある程度商品の興味がある人に絞られる。
よく、懸賞で得たリストに懸賞を書けるのは無駄という人がいますが、
だからこそ同じカテゴリの懸賞を続けることで、ストアを印象付ける。
もちろん、特定電子メール法準拠でかつ、短いメルマガ。
これを2~3ヶ月に1回行うことで、ストアでの購入者も含め
ストアのことを忘れそうになる人を思い出してもらえるきっかけに
できる人が何%か出てくる。
これを繰り返すと、アクセス解析で懸賞のページからの実売の
コンバージョンが出るようになりました。
そのメルマガにセールの案内を載せると、
2~3日売り上げが数倍になるという流れを作ることができました。
いま効率のいい絶対の販促策など、なかなかないので、
人の流れをうまく作ることで、少しずつリストを増やしつつ
密度を上げていくことが出れば面白いなと思っています。
ここまでできるなら効果も出るんですね。感心!