ストアからのメール配信のお話

2010年11月15日

皆様、お元気ですか。決算で死んでる私です。

本日は、いま開発中のネットストアの構築サービスのメルマガ配信のお話。

ネットストアにとって、メルマガは必須と言ってもいい要素です。ただ、楽天のようにしつこく送られてくると止めてしまいます。出店してはじめてわかるのですが、楽天の利用店舗はメルマガ登録者のデータをダウンロードできません。楽天にとって買い物客はデパートと同じで「楽天の客」であって、各店舗の客ではないからです。なので楽天の1店舗で買い物すると、楽天トラベルや楽天の他のサービスのメルマガもガシガシ送られてきます。うるさいといってメルマガを停止するような客はそもそも良い客じゃないから別にいいや、ということで放っておくと死ぬほどきます。

そんなわけで、毎年数千の店舗が入れ替わっているようなのですが、止めるときはいままでせっせと集めたメールマガジンの購読者はおいていくことになります。メールマガジンの登録者を獲得するためにといって散々広告とかやらせているのだから、これってどうかなとも思うんですけどね。楽天の客と言うことならメールマガジンの購読者の獲得費用を請求するのはちょっとおかしいと思うのですが、まあそれは他人のビジネスなので放っておきます。

で、自分のサーバでストアを構築する場合(レンタルサーバでのASPも含めて)、メール配信をどうするかというのがけっこうキモになってきます。実は我々がベースに使っているWordPressの無料のストアのプラグインにはメール配信の仕組みが付いていません。考えてみたらブログにメール配信って必要ないじゃん的なこともありますが、現実的な問題を挙げると、メールってSMTPサーバは1秒に3本打てるというのが基準になってます。乗り合いのレンタルサーバの場合、ひとりで3000人にメール配信するとすると、3000/3=1000秒=17分も送信サーバを専有することになるわけです。当然、同じメールサーバを使っている他人は遅延が発生します。楽天なみに配信したりすると、他の乗り合いのお客さんは大迷惑。なので一般的なレンタルサーバの場合、メール配信システムがオマケについていても、上限が300人とかに設定されてるわけです。これじゃショップ運営には使えません。

通常のストアのASPサービスなどは、送信サーバを複数備えており、メールサーバはストアサーバと別構成にしているようなケースが多いと思います。これだと多少メールをたくさん配信してもサーバが遅くなったりはしません。月費用で5000〜8000円かかるのはこういう費用も含まれているわけですよ。

でだ。我々の場合、とにかく月費用は取らない。ということなので以下の3点から選んでもらう設定にしました。

1 まぐまぐなどの無料の配信サービスを利用

簡単に設定できて配信も簡単。しかしまぐまぐ!にも欠点がいくつかあります。最初の欠点は必ず広告が入るため、管理画面から買い物客のうちメルマガを購読希望の人のアドレスを足そうとすると、月間5250円も取られること。つまり客が自分で登録してくれないとダメで、よくあるカートの最終画面で「メルマガ配信希望」というのをチェックしてもらい、それからメルマガに追加するためにはお金を取られると言うことです。そして最大の欠点は、楽天と同じく配信先のアドレスをもらえないこと。つまりあとで自分のシステムに移行しようとしてもできないわけです。収集したメルアドを転売しないようにとかいうことになってますが、そもそもの発端はサイバーエージェントとライブドアの前身のオン・ザ・エッヂがMelmaという競合サービスをはじめたときに、システム移行されないようにロックしたのがはじまりです。なのでまぐまぐ!でやるということは、最初のとっかかりは無料で楽ですが、本格的にやっていくためには毎月5250円かかるということです。

2 有料の配信サービスを使用

実は毎回同じ送信サーバでメルマガを配信し、未着によるリターンメールが多いのに無視して配信し続けると「スパムサーバ」ということになり、各プロバイダからメールの受信拒否をされたり、スパムフィルタではじかれたりするようになります。いわゆるメール配信サービスはこうしたことがないように、もの凄い数の送信用のIPアドレスを持っていて、毎回変えながら配信します。無料のまぐまぐ!も同様のはず。

しかし有料の配信サービスの場合、まぐまぐ!とは違って顧客のメルアドはあとでダウンロードできますし、いろいろな機能も着いてます。特に解析用の機能は使えるはず。設定さえすればどの記事を一番見ていたかということも分かります(だいたいは上から順ですが・・)。価格的には安いところでは月2000円くらいなので、おすすめはこれということにしておきます。

3 自分のサーバに配信システムを入れる

実はこれをオプションでも用意することにしました。かなり高機能のオープンソースのを発見したので、手を入れて改良して日本語化して搭載することができました。有料の配信サービスと同じことができますが、むちゃくちゃ大量に配信するとプロバイダから「止めてください」って言われそうなので、そうしたら有料配信に移行すればいいのです。たぶん1000人以下だとなにも言われないでしょう。

肝心なのはリターンメールの処理です。週1回くらいの配信だと、1000人に送ると0.5〜1%はリターンで戻って来ます。相手のサーバが調子悪かったりのケースもありますが、大半はプロバイダを変更してアドレスを変えたのが原因です。会社のアドレスで登録していて退職したので、という場合もあります。こういうときはきちんと止める処理をしないと、前期のようにスパム扱いされてしまい、最悪サーバ会社から強制退去、データ消去の処置もあり得ますので、きちなと対応してください。

オマケ ◆絶対やってはいけない「許諾の無いメール配信」つまり、スパム

ストアをやっていると、たまに「メルアド買いませんか」的な営業メールが来たりします。ネットで検索しても売ってる業者は死ぬほどあります。こういうアドレスはロボットが掲示板で拾ってきたり、懸賞サイトの悪徳系から買ったりしたものです。こんなのに手を出して配信したら、一発でプロバイダにクレーム殺到。サーバからデータ消去されておしまいです。出会い系やバイアグラの悪徳業者は中国などのBotと呼ばれる大量の乗っ取られたPCマシンを踏み台にしてメール配信するため特定されにくいのですが、自分のサーバから配信したら一発で終わりです。たまに何も知らずにやる人もいるようですが、ネット上で悪徳業者のリストに一発で掲載されるだけなので馬鹿馬鹿しいから止めましょうね。第一、効果も全然ありません。それどころか「死ね」「殺す」みたいな返信が山ほど来て、あなたのモラルが地に落ちるでしょう。

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