鳥越さん淫行報道の週刊文春のタイトルが巧すぎ。ここから学ぼう

2016年7月21日

本日でた週刊文春。みなさんは読みましたか。わたしもKindleで買いました。ww

本文が読めないサイズまで縮小しましたので、著作権侵害にはならないとは思いますが(写真は除く)、もし問題がありましたらお知らせ下されば削除します。 > 文春様

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で、鳥越さんはこの件について

鳥越俊太郎氏に「女子大生淫行」疑惑報道 報道陣の問いかけには無言

む・・・無言??
このときこそ「老人に対する差別だ。老人だってナンパする権利はある」くらいいったら高齢者の支持は上がったかも(ただし男性のみ)なのに残念だ。

週刊文春の内容についてはまとめサイトじゃないので詳細は週刊文春を買って読んでいただきたいのだが、要はマスコミ志望の女子大生を別荘に連れ込んでしつこく口説いて大学を出入禁止になったというもの。かなり裏取りされていて週刊新潮とバトった話まで出てくる。

実は鳥越さんの女癖については援護するはずの週刊朝日(朝日新聞社なのに!!)も報じていて

後出しジャンケンの鳥越俊太郎「女性スキャンダル?」「政策なし?」

「鳥越氏はハンサムなだけに過去の女性関係について色々と噂があり、週刊誌が血眼になってスキャンダルを探している。これが炸裂すれば、情勢が一気に不利になりかねない」
鳥越氏の女性問題を知る立場にある関係者を直撃すると、こう話した。「相手女性が公表を望んでいないのでお話はできない」

って書いてます。身から出た鯖(一応、ギャグなんで)

週刊文春のタイトルの付け方が異常に巧い

で、今回注目したいのは、週刊文春がなぜ売れてるかってことです。以前にも書きましたが

ブログの出来は89%くらいタイトルで決まる。念頭に入れておく3つのポイント

タイトルって本当に重要で、アクセスのないブログはタイトルが面白くないことが多い。いや、タイトルだけじゃなくて中身もですけどね。

で、文春のタイトル

女子大生淫行疑惑

には相当たくさんの人が引っかかりました。ホリエモンでさえ


思わず「20歳は淫行じゃないっしょ」とやられてしまいました。
ここが週刊文春の凄いトコロです。

淫行ってなに?

多くの人は「淫行」と聞くと反射的に「淫行条例」を想像します。で、「淫行は18歳未満とのことを指す」と思ってしまうのですが・・・・

そもそも淫行条例というのは通称であって、そんな名前の法律などはございません。

淫行 = 淫らな行為 ということですが、淫行条例における「淫行の見解」というものを最高裁は出していて、Wikipediaに出てました。

本条例(福岡県青少年保護育成条例)一〇条一項(当時)の規定にいう『「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為』をいうものと解するのが相当である。
けだし、右の「淫行」を広く青少年に対する性行為一般を指すものと解するときは、「淫らな」性行為を指す「淫行」の用語自体の意義に添わないばかりでなく、例えば婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等、社会通念上およそ処罰の対象として考え難いものを含むこととなつて、その解釈は広きに失することが明らかであり、また、前記「淫行」を目にして単に反倫理的あるいは不純な性行為と解するのでは、犯罪の構成要件として不明確であるとの批判を免れないのであつて、前記の規定の文理から合理的に導き出され得る解釈の範囲内で、前叙のように限定して解するのを相当とする。…
— 1985年(昭和60年)10月23日、最高裁大法廷

これは「淫行条例」に関する淫行の考え方で、中には一般論として「淫らな」性行為を指す「淫行」の用語という表記もあり、「淫行」という言葉自体は「18歳未満を対象にした言葉」ではないわけです。大辞林には
いんこう【淫行】
みだらな行為。

とだけ書かれてますよ。だから70歳のおばあちゃんに無理矢理チューしても淫行ですな。

ですが、一般人の頭の中は「淫行」 → 「淫行条例」と結びついてしまうので、犯罪を示唆しているように受け取られてしまう。いや、週刊文春の内容が真実で無理矢理キスしたなら、強制わいせつという犯罪なわけですが、あえてタイトルに

キスの経験もない20歳の大学生

と明記することにより、「鳥越さんは淫行条例には違反してませんよ。違反してるって早とちりするのは勝手ですが」という週刊文春の編集長の天才的なタイトル付けの手腕が見えるわけですね。

文春のタイトル付けに見るテクニックをまとめる

この週刊文春のタイトルを「釣りじゃん」という方は、釣りの意味が分かっていません。

釣りというのはチョウチンアンコウとか、ルアーフィッシングみたいなもので、「中身に書いてないようなことをタイトルにぶら下げる」ということだと思われるので、この場合は正しくないです。今回の文春のタイトルで巧いところは繰り返しになりますが・・・

1 「淫行」と書いて「淫行条例」を想像させている
2 ただし20歳と明記しているので「淫行条例関係ないよ」と表示
3 あくまで「疑惑」であって確定はしていない

という3点セットです。この3点が揃っているからこそ文春なのです。

文春に対してはすぐに
鳥越氏陣営、週刊文春に抗議文 女性疑惑「事実無根」

と、陣営は全否定しております。「東京地検に刑事告訴すべく準備を進めている」という恫喝さえしていますが、「報道の自由」を叫び続けて来た鳥越さんらしくない。「報道の自由は尊重しますが」くらいの前置きはけつた方が良かったのでは?

【詳報】岸井氏、鳥越氏らが「日本のメディアの苦境」を海外メディアに訴え〜田原氏からは異論も

私の立場としては絶対容認することはできない。ジャーナリズム、メディアの歴史からして、こういうことはありえない。

自分が報道されたときは「刑事告訴する」というのではシャレになりませんがな・・・

ホリエモンなんか、あることないことさんざん書かれたけど訴訟なんてしてないしな

ホリエモン、週刊文春の56億円“宇宙詐欺”報道による事実誤認について再度説明

これも週刊文春だけど。www

まあ、これで鳥越さんが落選したら、野党は「汚い手で落選したが本来は勝っていた。腹立たしい限りだ」と勝利宣言するのに100万ジンバブエドル賭けてもよいですが、担ぎ出す前に身辺調査はしたほうがよかったように思います。文春だけじゃなくて週刊朝日も別件を書いてるわけですからね。

今回のことで思うのは、ハンサムで地位があれば自然とモテるから「俺になびかない女はいない」になって当たり前で、だんだん感覚がズレてくるのかなぁと。自分は残念ながらそんなことなくてよかったなあと(涙)。キューバのカストロも若いときはハンサムで愛人いっぱいいたらしいしなぁ

週刊文春 7月28日号[雑誌]

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