著作権侵害を犯罪と思わないみなさんが震え上がるビジネスモデルのご提案

2016年11月30日

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4日間で決着がつきました、DeNAのウェルク(Welq)問題。昨日の21時をもってWelqは停止しました。決め手となったのはこれだと思います。

医学デマサイト「WELQ(ウェルク)」が全面非公開へ!人々の命を守る都の「健康安全部」も大活躍

東京都、WELQ問題でDeNAを“呼び出し” 「同様な他サイトへの対応も検討」

同課の河野安昭担当課長は、「医学的根拠がない情報が流れているかもしれないと、音喜多議員から報告を受けた。WELQは医薬品販売サイトではないため、従来は監視対象ではなかったが、情報サイトであっても、『特定の商品がこういう病気に効く』と記載すると法的には医薬品に当たる。WELQの記事は薬機法の観点からも問題があると判断した」と話す。医療に関する不正確な情報や、薬機法違反とみられる情報を掲載しているサイトがWELQ以外にも多数あることは「承知している」(河野担当課長)という。「WELQだけではなく、そういったサイトにどう対応するかも含めて協議いしていく。広がりがあるということなら、都だけでなく国との協議も必要かと考えている」。

音喜多君が連絡して即日(28日)にはDeNAに東京都の健康安全部から電話が入り、来庁して説明せよになったわけですから、現場はどんだけ驚いたかと思います(他人事)。東京都では多数の薬機法違反があった(ある)事実を把握しており、DeNA側もウェルク以外のサイトで大量削除をしているようです。ちなみに閉鎖前のウェルクでは80%にあたる記事が自主削除されており、ほとんどの記事に問題があったというのが明確です。これはどうしようもないということで29日に閉鎖になったようですね。

東京に所在地がある企業や個人のサービスで、健康被害を与えそうなものは東京都の健康安全部に連絡するのがいいように思います。前にも書いたのですが、東京都の健康管理のセクションは非常に行動が早く使命感に燃えているので、適切な対応をしてくれるでしょう。都民の健康を守るために頑張ってください。地方の場合はその県の同様なセクションに苦情を申し立てるのか良いでしょう。放置は絶対いかん。

さて、DeNAのリリースを見ますと、医療関係者のチェックを受けて再スタートするという意欲が満々ではないかと思いますが、パクリについての言及は一切無し。パクられてると通報すると削除するから自覚はしてるくせにね。これでは自分は再開は非常に難しいのではないかと思います。以下が理由です。東京都を始め、厚生労働省とかも監視しているわけですし、適当に再開はできないでしょう。

1 内部スタッフがいない

弁護士ドットコムがなぜ成功したのかというと、運営者が弁護士さんたちで、原稿書いているのが弁護士さんたちですよね。DeNAにはSEOの専門家はいても、医療の専門家はいないはず。医学誌の編集経験者をこれから採用するのかもしれませんが、そんなにたくさん転職希望者がいるか謎。いままでのスタッフが編集するのであれば同じ事になります。誤字脱字も多数あるところを見ると、校正の能力もない人たちがやっていると見受けられる。

2 誰が監修するのか

一般に医者が監修の場合、単に「名前貸しの傀儡」と、「本気で監修」の二通りがあるわけですが、今回の問題を誰もが知ってる今、受ける医者がいるのかなぁと。とりあえず前者ではいままでと同じなので必然的に後者になるわけですが、そうなると原稿を書くのは医者や薬剤師など、資格者が中心になるでしょう。商業サイトに書いてくれる医者とか絶対多くないと思う。

3 儲からない

いままで1文字0.5円でなんでも良いから膨らませろみたいになっていたのが、医者に5000文字も仕事で書かせたら金額はかなり高いです。傀儡系の医者に監修費を払うだけで素通りの場合でも1記事10万円くらいらしいので、書いてもらうとしたらかなりの金額です。さらに

◎このキーワードで書け とか無理筋
◎アフィリエイトのステマやれとか無理筋
◎アフィの広告入れたら激怒

なのは確実ですので、アフィリエイト広告モデルでやっていくのは非常に難しい。つまり初期コストが莫大にかかる割に全然儲からないものになります。弁護士ドットコムの売り上げは四半期で7.5億。通期で30億くらいで、それほど儲かるビジネスじゃありません。弁護士ドットコムの場合は弁護士さんたちは自分の客が増えるわけだから、たいしたギャラを払わなくても書いてくれると思いますが、医者はそうはいかない。

また、記事の中身には医者は責任を負うわけで、運営側からの記事の修正などにも応じるわけはなく、医学誌とか雑誌「健康」みたいに硬くなっちゃうでしょう。welqがこのまま存在するなら対抗してまともな医療サイト立ち上げたろかとちょっと考えたくらいだが、そういうときに協力してくれる医者はけっこういても、利潤追求のサービスに協力する医者は、よほど金に困ってる系しかいないように思う。

つまり医療情報サイトは、DeNAのような企業ではなく新聞社のようなレガシー企業が社会的な意義を感じてやるべきビジネス。記事は医療担当の記者がたくさんいるし、医者との付き合いも多い。いまの新聞って主要読者が高齢者だから、そもそも医療記事ばっかりになってるしね。これだけ健康や医療の検索ボリュームが多いことが証明されたわけで、手を挙げるなら今ですよ。

そもそもパクってきたつぎはぎ記事を大量に投入という方法が古い

DeNAパレットの最大の問題はGoogleを騙すという「古いSEOの手口」が多用されていた事だと思う。ネットで盗んできた記事をつぎはぎしてGoogleの目を誤魔化すというのは、古くはバックリンクを買うみたいなとの同じ系統の手口でWebスパムです。今回はこの手口でGoogleは騙せたが、内容が支離滅裂になってしまった。

アフィリエイト広告というのが悪いわけではない。自分もそれを提言するために、仲間5人で先日「一般社団法人 役立つコンテンツ制作委員会」という法人を立ち上げました。そもそもの始まりが遊びでやったカニ.coです。

アフィリエイト広告でやっていくためには、役立つサイトでないといけないという提案のために立ち上げたのだが、昨年12月にスタートしてぶっちゃけ、カニの試食で何十万円も使った(買ったけど中身がひどいのは落とした)のでほとんど儲からなかった。しかし蟹シーズンの終わる2月には「カニ」「蟹」「かに」などのビッグキーワードで軒並み検索上位にはいって広告関係者やアフィリエーターさんたちには驚かれた。今シーズンは今月あたりから成果も出始めている。

さっき公開した記事。めちゃ手間かかってるでしょ。こんくらいの創ればページ数なんてたいしていらない。オモコロとかみんな凄く手がかかってるじゃん。
【カニレシピ】1,3キロ5,800円のカニで海鮮丼作ったよ

このカニ.coのインデックス数は、せいぜい100ページ程度です。いままでのアフィリエイトというと、大量に安く発注した内容の薄い記事(バクリも多いよね)を500ページも1000ページもぶっ込んでというやり方だったのが、たとえ100ページでも役立つ記事ならGoogleは上に上げてくれる(それも超高速で)という証明になったわけです。ほとんどすべてのページが「炬燵記事」ではなくて、実食や実例の内容になっている。お金もかかってるし、スタッフ6人のうち自分をふくめて3人が編集、ライティングで飯を食った経験があり、ひとりがSEOの専門家です。

要するに、パクってきた薄い内容の記事を大量にぶっ込むやり方はもう古いのです。いまはイケていてもすぐにだめになると思う。この手法の確立で、わたしのコンサル先もかなり成果が上がるようになってきています。求むクライアント。w

ページ数は多くなくても真に役立つ記事を揃えたら、十分に検索流入で戦える

ということを証明できました。ついでにソーシャルでバズらせるといいんだけどね。カニ.coでカニ買ってくれた人たちは「面白かった。お礼にそちらのアフィ踏んでカニ買いました」ってtweetしてくれる。これが正しいアフィリエイト広告のあり方じゃないんですかね? みなさんも正月のおせちとかカニはぜひこちらでチェックしてから・・・www

著作権侵害を無くすためのビジネスモデル

小保方さん以降、日本の大学では「パクリ」を判定するソフトの導入を行っているところが多い。東大だとithenticateというシステムを導入し、教員にIDを配布している。これで論文をチェックしてパクリがないかを判別している。

ライターがパクってきて接続詞や語尾を変えてつぎはぎするくらいなら、ほとんど拾ってしまうという。まあDeNAはパクリ方のマニュアルまで作ってライターに渡していたのだが、本気でパクリを検査しようと思ったら容易にできるんですよ。五十嵐先生も手動でやってくれました。Googleもだんだんやってくると思うよ。

ithenticateは個人向けではなく、さらに論文1本あたりで課金していくみたいなのだが、以外にも使えるソフトはほかにもあり、実はそれを購入してもらってウェルクのパクリ度を専門家に可視化してもらう予定だったのだが、閉鎖してしまったのでほかのDeNAパレットのサービスで算出してやろうかと・・・www

で、そんなことしているうちに、すごいビジネスモデルを発案しました。ビジネス化してやろうかと考えています。うちがやりたいって手を挙げてもらってもいいよ。要するに過払い金請求のようなビジネスです。狙うのは、引用のふりをした転載です。原稿盗んで多少書き換えたとしても、それは立派な転載です。「引用タグ」を使わずにサイトに掲載すれば、オリジナル側には検索からの流入に実損が発生しています。写真のパクリも同様です。

1 ITに詳しい弁護士、司法書士のチームを作る

法科大学院出ても就職できない弁護士さんたち、たくさんいるので集まってください。ただしパソコン使えない、ネット分からないという人はダメ
仮称「著作権侵害を許さない会」ww 社団法人でいいや。

2 クライアントを募る

レガシーメディアを中心に、パクられて頭にくる企業さんや個人から受託されます。アフィリエイトのASPもメディアの審査をするのに依頼があるかも。月会費でもいいと思います。でもって、狙いを付けたサイトやサービスを巡回。パクリ発見ソフトをぶん回して、発見に努めます。作業するのは弁護士さんたち。

クライアントのサイトには「著作権侵害を許さない会 巡回中」の掲示する。それだけでパクられないし、DeNAみたいなところは「あそこからはパクるな」というリストになるでしょう。

3 パクリを発見したら

有無を言わさず、損害額を算出。弁護士が内容証明で請求書を発行します。払わない場合、少額の裁判ですが、裁判費用かけるくらいなら数万とか数十万なら払う方が多いでしょう。「削除したからいいでしょう」というのは通用しません。削除するまでの期間中の損害を請求します。

実は現実の出版社では写真の無断使用についてこの方法を採っているところがあり、1枚20万くらいの請求をだすのですが、ほとんど支払われるようです。ここで得た使用料から弁護士にはマージンが支払われる仕組みです。優秀な人なら個別に顧問契約してもらってもいいしね。

アメブロなどの無料ブログなどで相手が特定できない場合、運営会社に請求を行います。無料ブログはサービス元が広告などで利益を得ている訳なので、請求する根拠はあります。まとめサイトも同じです。この請求については支払わない相手は逐次公開します。相手が上場企業ならすぐ払って削除なりするでしょうし、社内でパクリ発見ソフト導入して監視もするようになるでしょう。それが大変なら無料ブログ開設するのに身元確認もするようになるのでwebスパムが減ります。

いかがでしょう。やりたいっていうところは手を挙げていただければコンサルします。ww
ただシステム的にそこそこの投資が必要ですし、スタッフもいりますので、個人では難しく、やる気のある企業が向いています。これでパクリをすればすぐに請求書が来るという流れができれば、日本のネットの世界は明るいし、著作権の認知も上がる。来たれ、我と思わぬ経営者、です。

永江さん、1円もならないのに頑張ってくれてありがとう。お礼にAmazonのアフィ踏んで買い物しましたってtweetいたただきました。www
「永江さん、教祖になって宗教始めれば良いのに」というのはいままで10回くらい言われましたけど、昨日読んだこれはなかなか面白かったのでお薦めです。
ネタバレですみませんが、宗教を最初からビジネスとして立ち上げたらという視点の小説で、めちゃくちゃマーケティング感があって面白いのよ。著者は元広告会社でコピーライターやってたわけで、なるほどねと思いました。

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