こんにちは。豊洲よりオリンピックより、東京が禁煙都市になるかが気になって仕方ない永江です。東京が禁煙になったらいままで行かなかった飲み会にも参加するかもしれない。盛り場の居酒屋とか絶対に行けなかった。こういう人、いまはたくさんいるよ。ただしザル法になっては意味がないので違反を厳しく取り締まって欲しい。淫行条例くらい厳しくしてくれないと意味ないです。
さて、こういう話をすると必ずニヒルぶって「世知辛い世の中だ」とか「寛容性がない」と、意味分からない事を言う人がいる。特にオヤジ率の高いNewsPicksにたくさん生息している。本日はこれをいかに的外れなことを言ってるか、証明したいと思います。
日本の治安って悪化しているの?
テレビやマスコミで凶悪犯罪が多数報じられています。みなさんの中には「日本はヤバス。このまま行ったらアメリカみたいな犯罪社会になるんじゃないか」と思ってる人も多いと思います。では実際にはどうなんでしょうか。
法務省のデータを見てみます。
殺人事件の「認知件数」はこのように1950年代と比較して非常に減っています。約1/3です。殺人事件の被害者数では1/5だそうです。大量殺人が減ったわけですね。戦後の殺伐とした時代は「食うために強盗殺人」がめちゃ多かったのですが、最近は近親者による事件が大半です。昔は面識のない人に殺されるケースがもっとも多かったが、現在では親族に殺されるのです。
じゃ、なんでこんなに殺伐とした感じがあるんでしょう。これはですね・・・
可視化されたのです!!
先日も書いたのですが・・・
馬鹿が増えたんではなくて、馬鹿が可視化される時代になったのです。これはつまり「インターネットの力」っていう奴ですね。インターネットの中でも特に「ソーシャルメディアの力」です。どう考えても治安は良くなっている。警視庁の発表では
凶悪犯罪は戦後から激減しています。交通事故も激減しています。安心で平和な社会になっているのです。若者も大人しくて草食になりました。恋愛さえ興味ないのが大増殖しています。暴走族なんて薬にしたくてもなかなか見つけられない珍獣です。しかしながら
「こんな事件が起きた」「ひどい!!」
「また高齢者の交通事故だ」「大変だ、なんとかしないと」
「小僧がまたアホなことしてる」「またか」
みたいなのがソーシャルでシェアされたりツイートされてきますので、「また、おきたのか」という印象が強いわけですね。テレビのADさんもネタはネットで探しますので、ネットのネタがテレビにも溢れます。よって「日本の治安はどんどん悪くなっているガー」という印象を持つわけです。
炎上大好きな人たちは確かに増えたが・・・
バレーボールの顧問が練習中にボールを手でぶつけているシーンを第三者が撮って動画に掲載して炎上していますが、そもそもDVとかセクハラとか、体罰というのは受けた本人がどう思うかです。第三者がどうのではないんです。
悪いケースでは、いくらやってる方が親身でやったとしても
やってる方=特訓、やられてる方=シゴキ
やってる方=激励 やられてるほう=パワハラ
やってる方=愛情表現、やられてる方=セクハラ
になりますが、いいケースでは
やってる方=特訓、やられてる方=監督も必死にやってくれてる
やってる方=激励 やられてるほう=オレを育ててくれてる
やってる方=愛情表現、やられてる方=ラブラブ(相思相愛なのであった)
になるわけですよね。動画だけでは全くわからない。問題は本人がどう思ってるか。
バレーボールの部活経験者が「手で投げたボールなんてスパイクに比べたら痛くも何ともない。自分もああいう特訓受けて練習はキツかったがめちゃ成長したといっておる。だいたい相撲の稽古なんてアレがダメならもう完全ダメでしょ。
先日の消防団が食事時間がないのでうどん屋に消防車で乗り付けてクレームとか、たしかに世知辛いと言うより、ウザい世の中ではあるが、これも「動画を投稿した奴」「消防団けしからんとクレームした奴」が可視化されるようになっただけである。たぶん投稿してから総反撃食らってるような気がする。
喫煙に厳しくなったいまは世知辛いのか
喫煙にたいして風当たりが強くなってのと、このチクリや炎上好きな皆さんのそれとは根本的に異なる。
全面喫煙を主張する我々は、別に遊びや娯楽で喫煙をdisりたいわけではない。心底、タバコが嫌いだし怖いのである。叩きたいから叩いているわけではない。本当に目の前から無くなって欲しいだけである。別に目の前で吸われなければどうでもよいからご勝手にである。炎上大好きな人たちとは全く異なる。
そして肝心なのは、喫煙が周囲に与える害が大きいと、すでに様々なエビデンスで証明されている。厚生労働省が発表している受動喫煙で年間15000人が殺されているというデータを「意味がない」といってる方。じゃあ何人死んでるのですか? 15000人が嘘で500人なのか。それとも一人も死んでないのですか?まさかゼロとかは言わないだろう。
Pokémonは死者3人で規制された。飲酒運転は700件くらいの死亡事故数で強烈に規制された。ドローンは1人も死んでないのに都内では多摩川でも飛ばせません。仮に15000人が500人だって強烈に規制されて当たり前でしょう。
で、ここで喫煙率をまた取り出します。
喫煙率は殺人事件の発生件数のように下がってます。しかも1965年には男性の85%が吸っていたが、現在では3割。女性に至ってはいまや10%切っている。とくに20代の女性喫煙率は、2005年の20.9%から2014年の10.0%。10年足らずでほぼ半減してしまった。昔は多数派だったから誰も文句を言うわけがない。しかしいまは少数派なのだ。1950年代には立ちションなんて普通だったろうが、いまはほとんど誰もしていない。その中で住宅街や道路で立ちションすれば警察に通報されるのと同じ。
「立ちションで通報するなんて寛容性がない。世知辛い世の中だ」という人がいたら頭おかしい。用を足すなと言ってるわけではない。他人の迷惑にならないようにトイレでしてくれと言ってるだけなのだ。
さらに、タバコの害について可視化されたのもごく最近のこと。
ヘビースモーカーだった頃カラオケ店の狭い部屋でパカパカ吸って、幼かった娘が目が痛いって泣いてても無視してました。禁煙して12年経ちますが、あの頃の自分の傲慢さと娘の泣き顔を思いだすたび胸が苦しくなります。 https://t.co/b1KipVYPPs
— 隠れ油という大問題 – 林裕之 (@ag_tora) 2017年5月16日
昔は知らなかったのです。受動喫煙でどんどん人が死んでしまうこと。肺がんより心筋梗塞や脳卒中が主なこと。子供に受動喫煙させると切れやすくなり、肥満になり、知能が下がること。赤ちゃんは突然死してしまうこと。喘息の人やアレルギーの人は非常に苦しいこと。これらが可視化されて
自分の前での喫煙止めてくれ
になったわけですね。受動喫煙について世間が厳しくなったことを「世知辛い」という人は、「最近は立ちションするだけでガーガーいわれて寛容性がない」「最近は殺人事件も減ったしちょっと殺すだけで世間が騒ぐ、世知辛い」といってるのと同じ事だと知った方が良い。全く無知で他人の迷惑を考えない傲慢な発言なんですよ、それ。
建物の中「原則として禁煙」が多数 NHK世論調査
世論調査の中ではもっとも公正で左右にぶれず、調査人数も多いNHK調査でも禁煙派が圧倒してます。
喫煙者は知らないで喫煙でたくさんの人や家族を傷つけたり殺していたんです。お母さんが心筋梗塞で倒れ、医者からヘビースモーカーのご主人が「あなたが原因の可能性がある」と言われてその場で禁煙したお父さんの話を誰か投稿していたけど、それからじゃ遅いんです。以上。
三国志。なんどもチャレンジしたけど最後までたどり着けない。ついに漫画が日替わりセールなので手を出しました。