「仕事はお金をもらうためだけのためにしています層」の終焉

2017年6月5日

自民党ヤニ議員の大反対でついに厚生労働省が今国会での飲食店での受動喫煙禁止法案を諦めたという報で3日ほど沈んでおりました。


図らずも自民党重鎮の中で受動喫煙に反対するのが塩崎厚生労働大臣1人ということを露呈してしまった発言。「自分の言うことだけ通るなら政治はいらない」そうでありますが、いままで非喫煙者はずっと大嫌いなタバコの煙を無理矢理吸わされてきた。喫煙率が20%を切り、その猛烈な毒性が認知された今になってもこの発言は、全く国民の健康なんて関係ないというヤニオヤジ感が満載。

かくなるうえは、都議会選で厳しい禁煙政策を打ち出す都民ファーストをボロ勝ちさせて喫煙は政治的な課題になる」という認知を作らないとなるまい。しかし都民ファーストの素案が「職場は全従業員の同意があれば喫煙可」とか意味の分からない抜け道があるようで、ヘビスモーカーの社長に逆らえる社員があるわけない。誰がこんな但し書きをつけ加えたんだ。これだと全力支持までいかないではないか。

誰でもできる労働は近い将来にどんどんなくなっていく

Yahoo!ニュースにこんなのが流れておりました。

「数年以内に、レジ打ちという仕事がなくなる」赤羽雄二氏に聞く

まず、比較的賃金の高い肉体労働が「機械」に置き換わっていく。

宅配便、タクシー、長距離トラックなど、過酷な仕事、人件費が高い仕事から置き換えられていく、と考えておくのが妥当だと思います。倉庫作業は、今アマゾンなどを中心に全力投球でロボット化が進められています。もともと巨大倉庫の中でのピッキングなどは、一日の歩行距離も長く過酷な仕事です。あと何年かのうちに倉庫作業がほぼ全自動になるのは、時代の趨勢です。スーパーのレジ打ちの仕事は、もっと早くなくなるでしょう。現在でも一つひとつの品物にIDをつけるのは、技術的には十分可能です。また、画像処理によっても、それは可能です。

将来なくなる職種としては、単純肉体労働は「コンピュータ制御の機械に置き換わる」わけだし、頭脳労働の一部は「AIに置き換わる」わけで、すでにどんどん置き換わっている。この間「将来、AIに置き換わらないために」という情報商材のスパムが来たが、出してるお前が一番失職するわ。機械やAIは情報商材買わないからな。

安倍首相殿。日本再生のためにいますぐ政府にAIを導入してください

ゴールドマンサックスのトレーダーはすでにAIにほとんど置き換わった。いまデイトレーダーで食ってる人たちも近い将来デイトレードも人間のちょろい知識では歯が立たなくなる時代が来るかも。一番置き換わって欲しいのが政治家で「禁煙化の経済コストと経済に対する影響」を計算したら即刻いまからタバコは禁止薬物になるはずだ。

頭脳労働者でも超高級だった金融や投資のプロからAIに置き換わっているのは、給料が高い分、AIに投資してもすぐに回収できるからだ。頭脳労働で生き残れるのは、人との交渉に才能を発揮する営業を筆頭に、独創性のあるエンジニアなどと思うのだが、「人に言われたことしかできない、またはしたくない」人はマジでヤバい。人に言われなくても自分で考えて動ける人しか残らない。

そこそこ勉強ができる子たちはAIと置き換わるといってもAIのコストのほうが高いからまだよい。では、勉強嫌いで頭脳労働ができない子供たちはどうすればいいんだろう。コンビニはすでに支払いの全自動化の検討が進んでおり、もうすぐパイロット店ができるはず。まあでかい自販機と思えばいいわけだしね。

「学歴は遺伝する」という通例通り、父親が高学歴の場合、子供も高学歴化する傾向が明確であるが、その逆もある。今まであれば「父ちゃんは肉体労働者だが、お前を立派に育てた。お前も勉強なんてしなくてても食っていける」みたいなのは普通にあったと思うのだが、これからはそうはいかないのである。ただしこういう家庭ではこうして認知はめちゃくちゃに低いと思うのではあります。

もちろん、農業、漁業などの第一次産業は、機械化を進めてきたが結局はそれだけでは回らない部分が多いので、多くの労働者を必要とする。しかしいまの日本の若い子らはこれかを嫌う。中国やアジアからの研修生名目でのタコ部屋労働力に支えられている部分もかなりある。

学校の勉強嫌いで大学に行きたくない子供はなにになればいいんでしょう。といっても親はこのブログの読者にはあまりいそうにないので勝手に書きます。
答えは簡単で・・・わたしのオススメは

職人!!

わたしが好きなテレビに「Youはなにしにニッポンへ」というのがあるんですが、先日、盆栽の巨匠木村正彦氏に飛び入りで弟子入り志願にきたメキシコの男性をやってました。これが凄い。盆栽の展示会なんて客はいまや外人だらけ。さいたまスーパーアリーナに何万人も集まるんですよ。

世界中から集まる盆栽アートのファンは若い人たちも多く、木村正彦氏は彼らの憧れの的なのだ。

これがもうバイブルらしい。彼らにとって木村氏は神様のようなもの。スーパースター。メキシコ人の24歳の男の子はいままでの思いを書いた手紙を氏にやっと渡した後、感動で泣いてしまう。それくらいの人なのだ。マジで凄い。盆栽職人はアーチストなのである。誰かに命令されて仕事をするのとは訳が違う。

同様に、寿司や天ぷら、和食の名人もアーチストである。誰かに命令されて仕事をするのでははなく、自分のセンスで研鑽を重ね、達人の域に進んでいく。学校の勉強が嫌いでも、こうした職人ならけっしてAIや機械に置き換わることはできない。機械は創造できないからだ。

しかし、こうした職人は「金のために仕事をしている」わけではない。もちろん他に代わる人がいないわけだから金は儲かる。しかし「金を稼ぐ」ためだけにやっていれば経営者にはなれるが、アーチストのスーパー職人にはなれない。また、達人の域に達するためにはつらい修行期間もあるわけで、「金をもらうために働く」という思考では絶対に名人にはなれませんよ。楽しいからやってるというのが根本に絶対ある。

最近の子供のなりたい職業の上位は昔のサッカー選手ではなく公務員とYouTuberだそうだが、公務員もいずれ機械化されるでしょ。少子化から人口が減ってくれば税収が減る。自治体はいままでと同じ定数を雇うわけにはいかないから、当然窓口は機械化する。清掃や公営バスも自動化される。定数が減るところにコネはも効かない時代だから、コネで押し込む職種自体がなくなってしまう。

機械やAIに置き換わられる人たちはどうなるの

ベーシックインカム制度を取り入れて国民に一定のお金を出せばいいじゃんみたいな意見もあるが、自分は懐疑的だ。ベーシックインカムで固定的にお金がはいれば上乗せしたい人は働くのをやめないというのはあくまで「働く先がある」という前提だから。

なんの能力も才能も努力するマインドもない場合は、そもそも働きたくても職場がなくなってしまうわけだから、ベーシックインカムは単に生活保護制度みたいになってしまう。しかし職がない人たちが爆増したら、いまの生活保護のように生活していけるだけの金額をもらえるわけはないので、金額は大きく切り下げられ、下手したらミールクーポンをもらうみたいな生活になってしまう。当然ながら購買能力もドカンと下がる。

そうなると、企業が人件費削減のために機械化、自動化を進めると、確かに直後は人件費が減って経営は好転するが、そのあとで無職の購買能力のない人間がどっと増えて実際にはものすごい不況になる気がするんですが、これはどうなんでしょう。上のYahoo!ニュースでも

普段、あまり考えずに仕事をしていると、その仕事が実はまもなく機械に置き換えられてなくなるのか、当分大丈夫なのかがよくわからなくなる。過去数十年はそれでも何とかなったが、これからは、本気で注意していないと大きく足をすくわれる。いったん転ぶと、立ち上がることがほとんどできなくなる。

で締めているんですが、これ考える人ってそもそも「何も考えずに仕事しているわけではない」ので、めちゃくちゃ恐ろしい時代がすぐに到来するという予感はわたしのいらない心配なのでありましょうか。

金のためだけに仕事をしているわけではない。楽しいから努力したりいろいろ自分で考えて自分で動いているという人しか生き残れない時代が目の前にまで来ました。

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