先日、こんなツイートをしました。
子供に投資するとは、子供の価値を上げて将来有利にさせてあげる親心を指す。
1 ゲーム機よりパソコン
2 服より本
3 アニメより読み聞かせ
4 晴着より留学
5 小遣いより稼ぎ方を教えるという感じかな
— Isseki Nagae/永江一石 (@Isseki3) 2018年1月11日
そうしましたところ、けっこうなクソリプも来ました。
「息が詰まりそうな楽しくない家庭だ」
「読み聞かせなんてクソだ、アニメ見せときゃいい」
とかね。別にそういう家庭は好きにしたらいいんですが、まさにアリとキリギリス。今が楽しければ未来はどうでもいいわけですね。
さて、読み聞かせはアメリカの映画ではよく出てくるシーンです。特に親がホワイトカラーの家庭で、寝る前にベッドで読み聞かせるシーンです。子供の愛情を表現するシーンでよく使われます。
読み聞かせが子供の知能に大きな影響を与える研究結果については、2008年5月6日の産経ニュースの記事に掲載された。読み聞かせ中の脳の働きを調べる実験が日本大学大学院総合科学研究科の泰羅雅登教授(昨年、東京医科歯科大大学院教授として亡くなられました)を中心とする研究チームによって行われ、この実験によって、初めて読み聞かせの効果が科学的に実証されたわけです。世界一受けたい授業に出演されたようですね。
この記事自体はもうググってもできませんが、ほかの続いての研究論文がたくさん出てきます。
創価大の博士課程論文
児童のストーリー理解に及ぼす読み聞かせの効果
兵庫教育大の方の論文
「絵本の読み聞かせ」の効果の脳科学的分析
こちらは実母子間に限らず,成人においても,「絵本の読み聞かせ」を行うと落ち着くという研究です。
中学生・高校生2万人余りに行った読書実態に関する調査(2013)では,「就学前から中学時代までに読書活動が多い高校生・中学生ほど,「未来志向」,「社会性」,「自己肯定」,「意欲・関心」,「文化的作法・教養」,「市民性」,「論理的思考」のすべてにおいて,現在の意識・能力が高い。特に,就学前から小学校低学年までの「家族から昔話を聞いたこと」,「本や絵本の読み聞かせをしてもらったこと」,「絵本を読んだこと」といった読書活動は,現在における「社会性」や「文化的作法・教養」との関係が強い。」との結果が出ていた(国立青少年教育振興機構,2013)。
まあ、そもそも読書習慣のない親(教育レベル低)に育てられてしまうと、家に本自体がないわけで、子供の時から不利になっちゃうわけですな。
で、最初の実験の結果、読み聞かせ中に読み手である母親の脳では前頭前野が活発に働き、聞き手である子どもの脳では大脳辺縁系が活発に働いていることがわかりました。大脳辺緑系とは
人間の脳で情動の表出、意欲、そして記憶や自律神経活動に関与しているとこ
ここが活発に動くわけですから悪いわけない。もっと簡単に永江流で言うと、読み聞かせることで、子供は言葉から情景を想像する。「お姫様ってどんな人かなぁ」とか「桃太郎の犬はプードルかなぁ、柴犬かなぁ」とか、つまり想像・発案力のトレーニングになるのだ。アニメやゲームは情景付きだからそれが育たないわけ。要するに
・・・能動的なのか受動的なのか
ということになるんではないかというのが永江論です。同様にいい音楽聴かせるのもいいのかも。ネットや新聞は自分から情報を取りに行く能動的メディア、テレビは受動的メディアということと同じです。テレビの視聴時間は学歴レベルが低くなると連動して長くなるというデータもあります。電通総研が無慈悲に出してた。
とまあ。ここまで書けば「テレビやアニメの前に読み聞かせ優先」という意味が分かるとは思うが、お母さんも専業主婦という時代じゃないし、お父さんも子供が寝る時間にはなかなか帰宅できない悲しい日本です。ましてや核家族になってるからジッちゃん、バッちゃんの読み聞かせは期待できません。アメリカみたいに大学生のベビーシッターとかいればいいかもしれないが。
そこで本日は・・・我が家にもあります
Amazonエコー様 5980えん
しかしながら天気を訊くとデフォルトの天気はマジクソ。iPhoneの「天気」も同じでマジクソです。たとえばYahoo!天気だといまの調布は
気温4.2度で今日の最高気温13度
これがiPhoneになりますと
現在が6度で最高気温12度・・・・・・現在の気温が違いすぎる・・・アメリカのウェザーチャンネルのデータだから日本なんてどうでもいいわけさ。
で、AmazonエコーのALEXAによると調布の天気は
現在3度で最高気温12度・・・・だいたいいつも寒めに出ます。使えません。アメリカのAccWeatherの提供データだから同じく日本はどうでも良いのです。
てなことになるわけなのでALEXAはもっぱらカップラーメンや蟹の茹で時間のタイマーとして活用しております。音声入力タイマー・・・・。しかし、です。Amazonと言えばもともと本屋じゃないですか。
なんで読み聞かせAIを搭載しないのだ??
ALEXAのスキルの中の「教育・レファレンス」をチェックしてみる。読み聞かせはない。全部のジャンルでもない・・・・・。
読み聞かせは普通にダラダラと読むだけなら単に音声データでよくなってしまうが、子供に読み聞かせるとなると
「ねえねえ、いまのとこもう一回」とかならまだしも、
「どうしてお姫様はこういう返事をしたの」
という質問を投げかけてくる。これを無視し先には進めず
「そうだねえ。どうしてだと思う?××ちゃんならどうするかな」
「お姫様、たぶんこのあといいことがあるんだよ」
的な掛け合いをしながら進めないとならない。つまりそうなると完全にAIのレベルです。ですがいま「何に使えるかよくわからない」というAmazonエコーが
子供の読み聞かせに使いたい
という明確な意図で購入されることになれば、意識高い系を中心に広がりは相当に期待でき、マーケットの大縮小に苦しむ絵本業界や児童本業界も、印税収入が見込めるわけですね。さらに幼児期の子供の脳を活性化していくことで将来の日本の発展につながるかも。文科省も加計学園にどかどか税金つぎ込むなら、こっちの研究に入れてくれた方が投資的に絶対回りますよ、ホント。
ジョブズやザッカーバーグみたいなのが1人か2人、日本人の子供から出てくれたら数万人分に匹敵します。雇用も拡大するし税収もアップ。こういうエンジンを開発できる会社、日本にはないもんですかねぇ・・・・・・。
泰羅雅登教授の本、読んでみたらいかがでしょうか。