最近メルマガの質問とかで就職、転職相談が多いです。特に近々に迫った日本暗黒時代の入り口についてちょくちょく書いているので、不安になる人も多いらしく・・・
で、ひと言余計なことをいいますと、「成人式は晴着を着る物と決まっている」「晴着を着せられないと周囲に肩身が狭い」的な考え方をしている人は田舎に多いと思います。
成人式を結婚式に書き換えても同じですが、少なくともIT系ではいくらお金があっても「都内の豪華ホテルでたくさんの人呼んで結婚式挙げた」、というのは通常「ダッサー」という目で見られることはあっても、素晴らしいとはあまり言われない時代になってます。政治家とか歌舞伎役者とか、将来のために顔を売りたい場合は別ですけどね。先日Twitterで東京だけど周囲はみんな湾岸のホテルで盛大に結婚式挙げてるという人がいて、マジで驚いた。まだそんな人たち、いるんだ・・・・金持ち子女系女子大の出身とか。ww
それはさておき、こういうクラスタ、つまり世間体を気にしたり、安定を求める親を持った場合、就職や転職の相談するには今の時代、めちゃくちゃ不適任だというのが今日のお話。
企業の価値判断は一昔前の感覚では無理
今の話ではなくてうちのオヤジの話である。一生のうちで最大の後悔っていうのがあり、何度もそれを聞かされた。予科練の特攻隊から戻り、大阪大学機械工学部を出て就職活動をしたわけです。ところが片親で、当時はそれで差別され、それでも頑張って本田と某大手の鉄鋼会社に内定を貰った。
うちのオヤジとしては本田にとても行きたかったのだが、祖母が「そんなわけのわからない会社(原チャリ作ってた)いくより、名の通ったきちんとした堅い会社に行って」と泣いて頼むので、しかたなく鉄鋼会社を選択したわけです。ところがその後、本田はあれよあれよとF1を制覇する世界的企業になった。かたや鉄鋼はどんどんと斜陽産業に・・・悔いても悔やみきれない、本田に入社していればどんなに楽しかっただろうといつも言ってました。
それが幸いして自分の就職の時はオヤジは「好きなとこにいけばいいさ」ということで大学で建築やったのにリクルートに入ったわけですな。しかし担当の教授に「リクルートにはいります」って報告に言ったら
なにそれ、運送屋?(陸ルート・・・・ww)
といわれ、今年は景気が良くてスーパーゼネコン(竹中、大林、大成、鹿島)だって同級生はみんないってるのに、親の心子知らずだなとまで仰いました。w 当時はリクルートなんて社員数500人くらいで知名度がめちゃ低かったわけですよ。しかし入社してから数年で破竹の勢いで成長し、いまや知らない人はおらん。当時、同期ではいった大卒は50人くらいのはずだが、けっこうできる人間も多かったです。どこにでもいけるのにわざわざリクルートに入ってくる奴らですからね。
さて、いまの大学生の就職人気ランキングを見ますと・・・
文系
理系
と、上位にいるのは
B to Cで誰もが名前を知ってるでかい会社
ということになります。おそらくこうした会社に入れば、50代くらいの親とか70代くらいの爺さん、婆さんは成人式の晴着と同じく誇らしさで一杯になるだろう・・・・
アホか・・・・・
子供の将来をなんだと思ってるのだ。自分が爺さん、婆さん仲間に自慢したいからだろ。
ちなみに1976年、いまから40年前の人気ランキングはというと
文系
1 伊藤忠商事
2 朝日新聞社
3 三井物産
4 日本放送協会
5 日本航空
6 丸紅
7 東京海上火災
8 三菱商事
9 住友商事
10 松下電器産業
理系
1 日立製作所
2 日本IBM
3 ソニー
4 東京芝浦電気
5 日本航空
6 富士通
7 松下電器産業
8 三菱重工業
9 日本電気
10 鹿島建設
いまと同じ会社がランクインしてる事に驚くが、もう合併を繰り返してなんだか分からなくなったり、日本航空みたいにその後倒産したり、理科系の人気の企業なんてもうヤバいところが目白押しです。入る時はイケイケでも定年退職のときには斜陽産業まっただ中になってるわけです。
親に就職のアドバイスをされると、親は子供が冒険するより安定した生活を望むケースが多いが、それは自分が年を食って冒険心をなくして枯れているからです。
自分が知っていて大きくて倒産の心配がないとこで
になってしまう。この前提で就職先を選ぶと「なにがしたい」より「そこの会社に入ればなんでもいい」になる。また、すでにでかい会社に入るとよほど肉食系で世渡りにも優れていないと経営者までいける可能性は低く、せいぜい課長や物凄くいけて部長くらい。生涯賃金もたいしたことない割には上下の軋轢に苦しむ中間管理職です。しかも潰しが効かないから起業とか非常に厳しい。
中高年の転職に見る「サラリーマンは自己表現ができない」の悲劇
はいってよかった、成功したと思える会社
うちのオヤジの例を挙げると、間違いなく本田に入った方がよかった。当時の企業規模はまだ小さく、社員数も少なかったから片親で就職が不利なオヤジに「キミにうちの商品(当時はカブ)を開発して貰いたい」とか言ってくれたわけです。
自分の場合のリクルートも同期から役員がたしか3〜4人は出た。確率考えたら凄いでしょ。
では具体的に「これからぐんぐん伸びる会社」というのはどういうものか、非常に簡単なので解説してみよう。
1 世の中の時代にジャストフィット
まずはこれ、本田が成功したのはこれからは安くて壊れないバイクが来る!! と、スーパーカブを開発して日本はおろか世界を制覇。マン島レースも反対を押し切って出場して世界に名を売った。自分がリクルートがいけてると思ったのは、就職や住宅などの情報を扱うということが斬新だと思ったからね。これからは情報の時代でしょと感じた。
同様にメルカリは、いま消費財が売れないのは家がそれで一杯だからで、若年層が中心の人口構成ならみんなものが少ないからどんどん買うが、高齢化した社会では衣服や家具は家に満ちており、それを片付けないと次が買えない。よってメルカリは高齢化社会には非常にフィットしたビジネスなの。だから急成長した。
同様に、いまよりも10年後にドカンとくる内容の企業がいいわけよ。メルカリだって3年前に入社するのは今よりずっと簡単だと思うけど、株式上場したらストックオプションで大金持ちになれる。仮想通貨よりよほど確定している。リクルートも上場で社内に億万長者がたくさん出たはずです。
2 優れたメンツ
次はこれで、いくら世の中的にいけそうでも、社内の人たちがバカばっかだと所詮は壁にぶち当たる。特に大事なのは経営者で、本田宗一郎伝説も江副浩正伝説も信者には聖書だ。メルカリの社長は面識ないけど
これを見るとただ者ではない!!
これからの企業が優秀な人材を確保するには何が必要かを知っている。そしてアメリカへの本社移転など、20年後には小泉文明伝説ができてそうな勢いだ。一昔前のIT系の社長は女優と結婚したが ww 、今、本当にいけてる若手のIT社長は育休取るんですよ!!
だいたいこの2つの要素を見て、自分の人生にベットする。ベッドじゃなくてBetだよ。チップ張るんだよ、ルーレットに。
そんなわけで、これから就活する人も転職する人も、この2点は心に留めて置いた方がいいですよ。