本日は4月の1日。毎年面白くもない嘘投稿をするのがいるので今年は事前に牽制球を投げておいた。
企業のサイトでもお祭りみたいに4月1日にトップページを変えたりしているが、マジ馬鹿だと思う。正直10年くらい前は面白いと思ったがいまや3周半くらい遅れているし、4/1に公開するためには年度末のクッソ忙しい時に社員がその作業をしないといけないわけで、どんだけブラックなのよ。そんな悪ふざけに時間費やすなら早く帰してやれよと思う。または社長自ら作業しろと。ほとんどの訪問者は「暇な会社だな」くらいにしか思ってないよ。
で、先日もFacebookに
「もし自分が癌になったら抗がん剤を使うかと271人の医師に聞いたら270人が使わないと答えた」とかいうのかシェアされてきて何千人もシェアしていてウンザリした。その調査がどうやって行われたかも書いてないものをよくもまあ「ほらみろ」とか「医者はこれで儲けてる」とかコメント付けられるものだと感心する。自分が抗がん剤をはじめとする確立された標準治療を選択せず、ガンになったらすぐ死ぬのは勝手です。が、他者を巻き込むのは絶対やめるべき。そのためにもソースをちゃんと確認する習慣をつけることが大事。
で、
健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 (BuzzFeed Japan Book)
というのをとりあえず読むことをお薦めします。実は上のFacebookで撒かれていたデマも検証されていてトンデモ商売医師の本の前書きにさらっと調査内容もなにも書かずに掲載されていたものを一般のライターが引用元も明記せずに引用(というかパクリ?)したもので、「いつ、誰がどのようにして聞いたか」がまったく明らかではありません。指摘を受けたメディアはみんな削除していたのが間違ってライブドアニュースに流れた。削除されたのにそれをまたFacebookで放射脳さんたちが拡散したのです。
Googleは画期的な対策をしたがSNSはしようがない
この本の著者の朽木さんとはTwitterや直メでなんどかやりとりしているし、たまにネタも提供しています。
もう国は待てない……進まぬ受動喫煙対策、自治体などで独自の動き
Welq事件の時は朽木さんや辻さんが声を上げ、わたしも遅ればせながら拡散に協力しました。
Welqはそれ以前から「ヤバい」「ヤバい」と界隈では言われていたのですが、相手はDeNA。一気に行かないと逆襲される可能性もある。実際、Welq亡きあとも別のヒッドイ医療情報サイトが出てきて、それも糾弾したのですがあちらの弁護士から「ページ削除しないと訴えるよ」という通告が来ました。
それでは裁判の準備しましょうか。ネタになるし・・・とこちらの弁護士と相談していたら、そのあとでこの本にもありますがGoogleが信頼できない医療情報サイトを圏外にぶっ飛ばしてくれ「信頼できないとGoogleが認定 w」みたいな形になったので話はどこかに流れていったようです。事業が存続できるかどうかの瀬戸際にそんなことしてる場合じゃないよねぇ・・www
さて、こんな風にGoogleさんはきっちりと片を付けてくれた。医療に限らず健康食品や化粧品の効能などについても、人の健康を損ねる可能性のある信頼できないアフィリエイトサイトはだいたい圏外にぶっ飛ばされ、厚労省やメーカーのサイトが上位に来ています。メーカーのサイトは効果効能を謳うと東京都の薬事課や厚労省、消費者庁から一気に立ち入りと処分を喰らううえ、アフィカスと違って住所も連絡先も出ている。やりっぱなしというのはできないわけです。実際、アフィリエーターのトンデモ広告に依存していたメーカーの売上は激減しているそうな。
Googleさんはきちんと仕事をしてくれた。次は我々がSNSの使い方をしっかりと見極めることだと思うんです。
SNSは自分だけではなく他人を巻き込んで害を与えるという認識が必要
ちょうど、一昨日も書きました。
SNSが一気に広まってまだ10年ちょいです。mixiが一気に来たのが2005年くらいで、Facebookが日本で展開をはじめたのは2010年だからまだ8年しか経ってないんですよ。それから一気に拡大した。
サービス初期はアーリーアダプターだが、そのあと一気にユーザーが増えてレイトマジョリティにまで拡大した。永江理論では日本にはアーリーアダプターはせいぜい200万人しかいない。だからいまのSNSにはリテラシーが低い人たちも大勢います。Facebookの日本のユーザーは2000万人超えているから、9割はレイトマジョリティなわけです。
でね。このレイトマジョリティの人たちは、ソーシャルの危険性をいまいち理解してないと思うんですよ。上の鑑定アプリみたいなのがそうです。3.11のときはこのエントリーにも書いたけど
この画像をシェアして、「日本はこんなにも放射能を拡散してしまった。政府は隠している云々」みたいなのを意気揚々とシェアしているひとがたくさんいました。2013年くらいまでいましたよ。いまではこれやると「それガセだから」ってみんなが指摘しますが、これのガセを証明したのが
このエントリーです。エヘン。
ニュージーランドの田舎町で浮き輪売ってるような自称調査会社が、海水面に放射能が浮くならこうなるという、三次元ではなくてあり得ない二次元・・・。ww しかも海流も考えてないはっきりいってフォトショで作っただろう、みたいなものなわけです。
なんでこんなアホ情報をシェアしてしまうのかというと、答えは簡単で
無責任だから
だと思います。こういう人たちは、「自分には悪意はない。回ってきたものを「そういうこともあるかもしれないと思って注意喚起のためにシェアしただけ」と言い訳をします。でもそれって昔の不幸の手紙、いまのチェーンメールと同じでデマの拡散に協力しているわけです。
仮に冒頭の「自分が癌になったら抗がん剤を使うかと271人の医師に聞いたら270人が使わないと答えた」というのが回ってきて、自分はがんじゃないけど「へー、そうなんだ」と思ってシェアした。たまたま読んだ知人が実はがん宣告されたばかりであなたの投稿を真に受けて標準治療を拒否し、トンデモ免疫療法とかトンデモ食事療法に頼って亡くなったらどう責任を取るんですか??
ガンになって不安で精神状態が安定していない人に「自分はシェアしたけど信じたのはあなたの自己責任だから自分は関係ない」っていうんですか。
そこまで自分は考えていなかったという人。次回からは絶対以下のことを守ってください。
1 不確かなことを丸呑みしない
2 出典はどこかを確かめる
3 検索してそれが信用できるかを確認する
4 ガセだと判明したらそれを撒いてきた人に注意する。
※それを聞かないようなら友達切る
の4つだけで済むんです。厚生労働省のサイトにはたとえばがんのナンチャッテ免疫療法を危惧していて調査を行っている報告書もでてます。検索能力に自信のない人は、それこれソーシャルでその道の専門家に確認すれば良い。というか自分は信頼できる人をフォローしてます。
津川友介先生
全ての医療事象をエビデンスを元に語ってくれます
勝俣範之先生
がんの専門医でトンデモ医療に対しては手厳しい。
はオススメ。こうした人にソーシャルで質問するならはじめてソーシャルの価値が生まれる。同じ質問ばっかりは失礼だからとりあえずフォローしたらこれまでのツイートは拝見してからにしようね。
そんなわけでもう一度書くけど、自分や家族の身を守るためにも朽木さんのこの本は絶対のオススメです。