Quoraという質問サイトがありまして、時々、暇なときに面白そうな質問に答えています。メルマガとnoteでも同様なことしてるのでそこで答えるべき質問には指名されても答えません。w
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で、先日回答したのが
日本は財政破綻するでしょうか?
と言う質問でして、こういうケースでは必ず「日本の借金(国債)は国内同士の貸し借りだから破綻はあり得ない」論者がたくさん出てくるのですが、これが進んでくると「破綻しないのだから国債を発行しまくって子孫に負担させて我々にばらまけ」というのまで出てくるわけで、とりあえず熱湯ぶっかけてみたわけです。わたしは経済学者ではないし、しかしながら学者の言うこと聞いて経済が回ったこともないし、経済は人間がコントロールできるようなモンじゃないし、で単に個人の意見です。
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私はこのままでは破綻すると思います。
破綻しないと方の多くは、国債を買っているのは国内の銀行や金融機関だから家族の中で貸し借りしているのと同じだからという理由ですが、みなさんは今の日本の状況のなかで一番重大なことが抜け落ちています。いままでは大丈夫だったからこれからも大丈夫という理屈は環境が変わらない前提でないと無意味です。
日本の人口は2008年にピークになり、それから減少しはじめました。このペースだと加速度的に減少率は高くなり年に100万人ずつ減り続け2060年、つまり40年後には8000万人まで減り、100年後には4000万人まで激減します。ちなみに2050年、つまりいまから30年後の予測では日本のGDPはインドネシアやメキシコよりも下です、
そして高齢者率がどんどん増して、人口の半分が高齢者になります。この波が一番最初に顕著に来るのは日本の一番分厚い人口層の「団塊の世代」が後期高齢者に突入する四年後くらいからで、一気に労働人口がへり、さらに病院は溢れてしまってお金がある人以外は家で看取らないといけなくなります。すでに政府は「これからは高齢者の最後は家で看取ってください」というアナウンスをしています。また今でさえ人口の三割をしめる高齢者が六割の医療費を使っているのです。高齢者が四割になれば医療費の七割以上が使われます。
そうなるとどうなるか。家で介護から臨終まで世話をするとその子供の世代は働けなくなります。家庭の収入も減りますがそもそも税収も人口減少と共に減るので、社会保険料収入も減っていき、年金は切り詰められます。生活保護ももっと厳しくなります。年収が1000万の時の借金2000万円と、年収が300万に減ったのに借金が2000万では同じでしょうか?
そして働いている世代の社会保険料はいまでさえ消費税どころではない30%(会社と折半)もはらっているのにさらにあげられ、手取りは益々減り、企業も社会保険利負担がきついのでパートに切り替えます。
今までは家族の貸し借りだった。しかしこれからはその家族が老いて働けなくなったり、死んだりして家族五人で働いていたのが一人が亡くなり二人が寝たきりになったりするのです。少子化対策がちゃんとおこなわれていないので、新しい家族は一人くらいしか増えません。
昔 働き手5人
将来 働き手2人 寝たきり2人
みたいな状態で、家族で貸し借りしてるから平気とか言えますか?昔はバリバリ稼いでいて「お金貸して」といったら「いいぞ!じゃあ五万貸すよ」といったおじいちゃんはもうなくなり、へそくりからお小遣いをくれたおばあちゃんは寝たきりの要介護で家族で面倒をみています。あと5年くらいは亡くならないでしょう。
これでも、この家族は破綻しませんか?
これを打開するには、高齢者の健康保険負担率を現役と同じ3割まで上げ、相応に負担してもらう。湿布をもらいに病院にいくのをやめてもらう。現役よりはるかに有利な、いわばもらいすぎの年金の支給額を下げる。すべての年齢層が等しく負担する消費税を他の先進国レベルの20%位にまで上げる代わりに現役の社会保険料を減らして手取りを厚くする。そして少子化対策に余力をすべて注ぎ込み、なんとか出生率を上げる。
消費税は逆進性があるという人がいますが、それでいいのです。なぜなら日本でいう貧困層の大部分は人口の三割の年金受給者で、この層はもっとも資産を持っている「見かけだけの貧困層」だからです。消費税率をあげることでこの層に課税できます。企業の法人税率や所得税率はいまや世界のトップレベルでこれ以上あげると大企業や富裕層は今以上に海外へ出てしまいます。残るのは中小零細企業と貧乏人だけになってしまいます。
しかし、こんな思い切った政策を取れるかというと、まず野党の支持層は明確に高齢者ですので猛反対します。自民党の支持層若者と高齢者に二分化されており、どちらも票田である高齢者に逆らうことはできません。そして、日本は滅びていくと思います。家族に借金しようにも貸してくれる働き手がいなくなるのです。
いろいろ来ました。反論というよりいちゃもん
要するに、日本は破綻しないという前提は、日本の人口が減らず、収入も減らない前提の空論である。しかしこれから日本の人口は激減していくし、しかも人口に占める働けない(納税しない)高齢者の割合が半分にまでなるのである。家にお金があるうちは家族同士で回したが、家族の半分が寝たきりになって医療費も莫大になり、貸そうにも貸せない時代になるのである。
こういう投稿をすると反論がたくさんきます。はじめから「お前呼ばわり」wwのバカまで湧いてきた。丁寧な言葉使いの人は概ねまともでこちらも丁寧に回答するが、こういうヤツに限って誰かの受け売り100%だからいまさらウンザリするような因縁を付けてくる。「いつ破綻するのか書いてないからお前の回答はなってない」とか。質問は「破綻しますか」でいつ破綻するかじゃないだろうよ。おまけにそんなことは予言者じゃないとできるわけないだろ。ww
こういうのはTwitterでもよくあり、「消費税をあげると景気が悪くなる」と断定的に疑いもなく言ってくる奴に「日本は先進国ではもっとも消費税率が低いのですが先進諸国はほぼ20%以上あり、消費税が原因で景気が悪くなった国は何処ですか」と聞くとみんな音信不通になる。自分の頭で考えないのである。
世界で一番幸福度が高い国ベストスリー2019年版の国と消費税率は以下の通り。
フィンランド 24%
デンマーク 25%
ノルウェー 25%
と、世界で最も消費税率が高い国が国民の幸福度が高いのです。消費税上げたら自殺者が増えるんじゃないの? 某党の支持者くんたち。ww
「消費税上げたら自殺率が上がった」「消費税上げたら失業率が上がった」というのはデマだと前に証明したが、
自殺率も失業率も消費税上げて翌年に上がったのは3回のうちの1回だけである。2回は下がってる。つまり完全にデマ。逆にこんなことに相関関係があると主張する厚顔無恥なら「消費税上げたら国民の幸福度が上がる」と主張されたら認めるんだろうかね? w
わたしが考える破綻のシナリオ
国家の経済破綻というと行政活動や公共政策などの経済活動が正常にできなくなる状態をいうわけだが、会社で言うなら「倒産」や「破綻」。しかし会社と違うのは、会社が倒産したら次の日から社員は路頭に迷う。しかし自治体の場合は破綻してもそうはならない。たとえば夕張の爺ちゃん、婆ちゃんは「自分たちは×月×日に破綻した」という意識を持ってるのだろうか。持ってないと思うんだよね。単に夕張市にお金が無くなった」くらいの感覚でしょ。他の国に行ったこともないしね。
2007年に夕張市が破綻したときはこうだった
夕張市破綻から10年「衝撃のその後」若者は去り、税金は上がり…
夕張市は、財政破綻で2007年に財政再建団体に指定されたことをきっかけに、事実上国の管理下に置かれた。2010年の法改正で財政再生団体と名称は変わったが、予算編成にしても国の同意を得なければ、新たな予算を計上することも独自の事業を実施することもできない。「地方自治体」でありながら、「自治」が許されない。そんな自治体は、全国でも唯一夕張市だけだ。夕張市の財政はいまも火の車だ。税収が8億円しかない夕張市が毎年26億円を返済するという計画は「ミッションインポッシブル」と揶揄され、毎年の予算編成も綱渡りが続く。
しかし夕張市民は家を叩き出されて無一文になったわけではない。ここが会社の倒産と違う。だからいつを持って破綻というかは非常に分かりづらいわけです。気がついたらとっくに破綻しているかもしれないし、もしかしたらもうとっくに破綻していて日本国民が気づいていないだけなのかもしれないのです。
夕張の例で言うと・・・
○公共サービスの質がめちゃくちゃに下がった
○公務員は給料がどっと下がってみんな辞めた
○公的な施設が淘汰、消失
○公共料金が暴騰
○人口が他の自治体に流出するために激減
○残りはどこにもいけない高齢者ばかり
前鈴木市長の言葉
「家計にたとえれば、500万円の収入で、食費・光熱費などを出して、そのうえ260万円もの借金を返済する感覚です。住民サービスはすでに徹底的に切り下げており、これ以上削れる事業はありません。」
ほかの自治体に引っ越しても食っていける人たちはすでに夕張市を出て行き、残っているのはどこにも行けない高齢の人たちなど。これって思いっきり将来の日本だと思うんですよ。でもいまだに夕張市に住んでいる人たちは公共サービスは低下しても自給自足ならなんとか生きてはいける。他の自治体から見たら夕張市は破綻しているのだが、住んでる人たちには「出て行け」と言われているわけではないので倒産みたいなイメージはない。
で、わたしのブログをいつも読んでいる人はわかるだろうが、わたしは
ゴリッゴリの少子化対策原理主義者
である。少子化がデフレや不景気の根源であり、出生率を1.8にあげるだけで日本の人口は9500万で安定し、税収も労働人口も減らず、先進国として生き延びることができます。自分が少子化対策として一番いいと思ってるのがスウェーデンで
スウェーデンでは40~50年近く前の比較的早い時期から工夫を凝らした育児に関する支援政策を打ち出し,目に見える成果が得られた。合計特殊出生率を見ると1978 年に 1.60 まで下がった後,1989 ~ 93 年には 2.0 以上に回復したが,再び減少して1996~2000年頃には1.60を超えなくなった。その後また回復傾向に転じ,2006年以降は 1.85 以上を維持している
スウェーデンの消費税率は25%です!!!
消費税25%でも、相続税はナシ! ゼロからわかるスウェーデン「超合理的な社会」のしくみ
国家を挙げて少子化対策に取り組んでいて、本当に徹底している。福祉国家は少子化になっては成り立たないことを熟知しているのだ。すぐに「消費税なくせ」「相続税上げろ」「法人税上げろ」と合唱するとこかの政党とは訳が違う。いろいろやって結果として出生率が上がった、ではなくて出生率をあげるためにはどうするかで国が動いている。これについてはまた今度、ちゃんと書こうと思っております。ほんじゃーねー。
ちょっと前に紹介したら吾妻ひでおさんが亡くなった。これは名作だからぜっていに読まないとあかんのや