いまだにバズってます、このエントリーですが・・・
この中で「安倍政権は憲法改正を第一義に挙げるが、国としての優先度は低いのではないか」ということを書きました。わたしは現在典型的な無党派ですが(どの政党も悪い点が多すぎて支持できない)、自民党と維新で一番嫌な点がコレを最優先に挙げている点です。別に憲法改正くらいしてもいいと思いますが、なぜいまなのか。日本が滅亡の危機にそれほど重要なのか。
みなさんは憲法改正の条件が憲法で決められているということを知ってますか?
日本国憲法第96条では
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
と決められております。つまり、安倍さんが国会で決められるのは「憲法改正の国民投票をしよう」という決議だけです。
で、日本国民は憲法改正についてどう考えているかというと
もっとも中立に出るNHKの調査
改正する必要があると思う。27%
時事通信の8月の世論調査 安倍政権下での憲法改正について聞いたところ、「反対」が41.3%で、「賛成」の32.1%を上回った。
左寄りの毎日新聞5月世論調査 反対(48%)、賛成(31%) 「わからない」(32%)
左寄りの朝日新聞5月世論調査 反対(64%)、賛成(28%) 「回答しない」(8%)
右寄りの産経とFNN11月世論調査 反対(34.9%)、賛成(52.2%) (12.8%)
日経は「議論すべき」で聞いていて、議論すべきにすると非常に賛成が増えます。読売の世論調査も議論すべきかどうかを聞いてるので賛成の比率が高い。わたしも議論は大いにしよう派なので、読売と日経の調査なら「賛成」に投じると思う。しかし、実際に安倍さんが国会で国民投票にまで持ち込んだとしても、国民投票で実際に過半数とれるのかといえば
まあ、普通に考えて過半数無理だよね
と考えるのが常識人でしょう。単に「国民投票した」という事実を作りたいだけでなにを必死にやってるのかよく分かりません。
私自身は別に自衛隊明記してもいいと思うし、集団的自衛権も認めるべきだと思うが、それでもなんでこんなことばかり言ってるのか分からない。少子化対策をほとんどしないでこればっかり言ってる意味がまるで不明です。
中国は将来、本当に日本に軍事的侵攻をしてくるのか
自分も共産党一党独裁の中国は本当に危険だし、香港から本土に自由化運動は飛び火するだろうし、ヤバいとは思いますが何年か、何十年か先に日本に軍事侵攻してくるかというとその可能性は限りなく低いと思います。だから憲法改正を最優先にして少子化対策しなくてもいいとか絶対にないという立場です。
まず、中国は輸出で食ってる国ですから、日本に軍事侵攻して国際的非難を浴びたら経済断交する国が多数出ます。中国は国連の常任理事国だから、国連で中国に対する弾劾決議や国連軍派遣の論議は全て拒否権発動できるわけですが、インドやベトナム、モンゴルなど、隣接している国は日本の次は自分たちですから強く反発します。それだけの不利益を想定して日本に侵攻する意味があるのかというと、ないでしょ。尖閣の小競り合いくらいはあってもね。
で、日本側も↑のエントリーに書いたように少子化の影響で
自衛官の採用上限、32歳に引き上げ 人材確保の司令塔部署も新設 少子化で迫る「静かな有事」対応
と、現在でも全く採用数の目標に至らないのに、これからどんどん若年層が減少し、昭和30年にはこうだったのに
いまから40年後
と、こんなになります。20代の人口を比べると半分くらいしかいないんですよ。憲法改正しても自衛隊員いなくてどうやって戦うの。こういうこと書くと「ドローンで」とかいう馬鹿がいるんですけど、中国は世界一のドローン大国ですよ。日本は周回どころかめちっちゃくちゃ遅れてるのにどうやって戦うのかいなと。ドローン対決なんてしたらそれこそ戦う前にシステムをハッキングされて終わると思います。人民解放軍にはサイバー部隊が2万人なんだぜ。
負けるから戦うのは無意味と言ってるわけじゃないよ。w
わたしが中国が攻めてこないというのはもうひとつの理由があります。こちらが中国の公的な出生率です。
いまだ1.6ある、すげーと思うわけですが・・・1.6というのはどうも眉唾らしいのです。
米ウィスコンシン大学マディソン校の教授イー・フーシエンは、中国政府は「一人っ子」政策の破滅的な結果を覆い隠すために実際の出生率をぼやかしてきた、と指摘している。同教授の計算によると、2010から18年の合計特殊出生率は平均1.18だ
中国には一人っ子政策のときにどうしても男子が欲しいということで戸籍のない子供がたくさんいるのですが↑は当然それを含んでの数字でしょう。
中国の人口はすでに縮み始めているとみる専門家もいる。イーと北京大学の経済学者スー・チエンは最近の論文で、毛沢東の工業化推進キャンペーン「大躍進政策」が引き起こした1961年と62年の飢餓による人口減少以降で初めて、2018年に人口が縮小したと指摘している。研究者たちは、国勢調査の不正確な見積もりで、実際の人口と出生率がわからなくなったと言っている。
日本の人口が減り始めたのは2010年。中国は2018年からだとするとすでに2年目だ。
あと15年で日本からは九州と四国の人間が消えたくらいの人間がいなくなるが、中国も似たようなことになっているわけです。2018年の出産数が200万人も減少して1700万人になってしまったと話題になりましたが実態は1000万前後だろうとアメリカの専門家は指摘しているんだそうな。とはいえ日本の10倍以上なんですけどね。w 元々の人口が日本の10倍だから出生数が1000万人切るとどっこいどっこいの人口減少が始まっているわけですよ。
中国の人口構成はこんな感じらしいのですが
ここの一番下の方の若い人口は嘘って事ね。また、一人っ子政策の時にどうしても親の面倒を見る男の子が欲しいって事で、妊娠中に女子と判明するとどんどん堕胎されて生まれたのは男ばかりになってしまった。つまり25〜35歳の兵士たちも独身のオンパレードで結婚できなくて出生数が余計に減っていくわけです。つまりあと20年もすると中国は日本に輪を掛けたキノコ雲人口構成になるわけですよ。25歳以下から急に少なくなるのは一人っ子政策の影響です。
一人っ子軍隊は戦争ができるのか
こういう映画がありましたよね。
実話に基づいた話ですが、アメリカ軍に3人兄弟が従軍したが、うち2人が戦死してしまった。残りの1人が戦死すると家を継ぐ者がいない。なので米陸軍は激戦区にいる最後の1人を救出に行くのです。
中国の場合、軍隊全員が一人っ子男子(だって戸籍がないと入隊できるわけないでしょ)ってことは、
人民解放軍全員、プライベートライアン状態!!
なわけで、仮に戦死者が出ようものなら親が騒ぎまくってエラいことになりそう。
オタクで不健康で甘やかされた青年ばかりでまともに兵役にも合格しない。
2013年に中国の軍関連メディアは、「“独生子女兵(一人っ子の兵士)”は闘志と苦労に耐える精神が欠乏している」と報じ、「26%の一人っ子の兵士が厳しい訓練に耐えられずに除隊を要求している」と伝えている。
これから人口の大減少を向かえるわけで、国内の消費は日本のように低迷するだろう。中国のバブルが弾ける、弾けると言われて何年も経つが、もうそろそろ本当に弾けそうだし、バブルはいつかは絶対に弾けるのである。経済が永遠に成長し続けるわけはなく、破綻はいずれ来ます。
その状態で日本に侵攻するのか。
もちろん国内の不満を外に向けるために、みたいな意見もありますが、繰り返しますが少子高齢化にあえぐ中で一人っ子で全員プライベートライアン軍で日本に侵攻するのか。戦争というのは攻める方は守るより何倍もの人数と装備が必要になるのです。そして中国が日本に攻め込むと、裏側にいるベトナム、カンボジアとインドは少子化はまだだいぶ先なので国力が凄いことになっているはず。
逆をいえば日本は防衛に徹している限り、軍隊の総量はそれほど多くなくても耐えられるわけ。よく安倍ガーの皆さんが「日本はまたアジアを侵略するつもりだ」とかアホなことをいいますが、太平洋戦争の時は日本軍は350万人もいたのです。いま、自衛隊員って20万そこそこです。しかも平均年齢が当時は20代でいまは50歳・・・・・。ww 侵略にいけるわけないでしょうが。
要するに
少子高齢化してる国同士で戦争する訳ないっしょ
ということです。歴史を紐解いてもローマやギリシァは繁栄したのちに少子化が深刻となり、国が滅びました。戦争イケイケゴーゴーどころではなくなったのです。日本と中国、韓国、台湾、タイ、香港は滅んでいき、次に来るのはインド、インドネシア、ベトナムの時代なのです。
いつまでもあると思うな仮想敵国
ということで、数十年も掛けて憲法改正の国民投票に持ち込むより、とっとと少子化対策を第一義に挙げる政党の出現を期待します。まにあわんかもしれんけど。