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コロナ対策のおかげで賃金が上がらずインフレだけきた日本
↑動画版です
アメリカの物価っていつから上がってるの?
こうなっています。
いまは上がりきって鈍化していますが2021年の1月くらいから爆上げ・・・・2022年の中頃あたりに上げ率のピークを迎えて徐々に上げ幅が鈍化しつつありますがまだインフレです。
で、なんで2021年の1月から物価が上がりはじめのか。日本ではそのとき何をしていたのか。
コロナのグラフと比較して見ましょうね。
2021年の1月は東京オリンピックの年の最初でワクチンができたときです。日本ではワクチン打っても怖い怖いと緊急事態宣言出してデルタの第5波を迎えましたが、無観客の東京オリンピックの閉会式のときにフランスでは無観客どころかノーマスクで密集して大騒ぎでしたよね
スポニチ
ワクチンができたことで、すでにほとんどの規制は撤廃され、同時に景気が爆発して賃金もあがり、インフレが来ていたわけです。
後藤さんのnoteから
コロナが襲った2020年春は外食、レジャー、小売りなど比較的時給の低い業種で失業が急増したため、残ったのは給料の高いデスクワークの人たち。計算上、平均時給が大幅上昇。特殊要因で前年同月比が乱れています。が、コロナ規制が弱まるか一掃された2021年からは景気が良くなり、賃金が上昇して同時にインフレになったことが分かります。
ところが日本は「規制は厳しすぎるくらいがよい(岸田総理)」「開国して死者が爆発する可能性がある(感染専門家のみなさん)」ということで2023年の春まで実質的な鎖国が行われ、↑のアメリカの消費者物価でいうと、とっくにインフレのピークも賃金の上昇のピークも過ぎたあたりにやっと開国。つまり
好景気になって賃金上がる前にインフレが来た
ということがわかります。「経済より命」「高齢者を守れ」と言ってた結果が、これです。国民が選択したわけです。
賃金が上がると物価が上がる
理由は簡単です。
1 景気が良くなる
2 人手が足りない
3 賃金が上がる
4 インフレになる
という四段論法です。後藤さんも分かりやすく説明されていました。
しかしこれは日本には致命的な欠陥があります。↑の図の右側
賃金が上がる → 家計が潤う → 消費強まる の部分です。
日本は
・寝たきり500万人
・100歳以上10万人弱
・80歳以上1300万人
・70歳以上2900万人
・公的年金の実受給権者数は、令和3年度末で4,023万人
という超高齢社会で、人口の3人に1人が年金受給者です。こうした人たちは
景気上昇 → インフレを望まない
わけです。だって入ってくる額が変わらないんだからインフレよりデフレを希望するでしょ。つまり詳しい理論はわからなくても大半の高齢者は感覚的に賃金アップは望まないのです。賃金上がって物価が上がるくらいなら賃金なんて上がらなくても良い。だって自分はもう上がりのポジションだから・・・・
NHKの世論調査(2023/11)見ても明確に
高齢者ほど経済対策より社会保障(つまり自分にくれ)
といってるわけで、仮に「賃金が上がれば物価も上がるがそれでもいいか」と高齢者100人に聞けば、98人は「だったら賃金なんて上がらなくて良い」と回答するでしょう。投票率が高く、暇な高齢者のみなさんが政治家に圧力を掛けに行くわけだから政府も左系野党も「物価が上がるくらいなら賃金なんて上がらなくて良い。輸出やインバウンドに強い大企業は景気が良いからどうせほっといても上がるでしょ」と考えているように思います。だいたい賃金あげろあげろといったところで儲かってない会社が賃金あげるわけないし。景気が良くなれば自然に上がるわけで強制できるわけがない。はっきりいうとなんの観光資源もない田舎は超不利です。
このあたりは間違いなく給料が上がるのでわたしも事前に株買ってます。w
問題はサービス業です
高齢者は新車も買わないし、三越伊勢丹でブランド品も買わないからそこの価格が上がってもたいしたことがないのだが、一番、庶民に影響が来るのがサービス業や輸入品に頼る食料品です。卵なんて輸入飼料が上がってるから高騰している。これからも上がります。税金投入して見かけの価格を下げるとかマジで止めて欲しい。その税金はほとんど現役が払ってるんですよ。
日本でも需要が拡大して景気が良くなって賃金が上がると物価は上がるのか。はい、上がります。ニセコを例に挙げます。
こちら、ニセコの花園リゾートのレストランのメニューです。
これを投稿しますと大半の方は「日本人を相手にしていない」「インバウンド向け価格でぼったくってる」というのですが、ちょっと待ってください。
求人サイト「バイトル」に掲載された23年11月の北海道ニセコ町の求人平均時給(全職種)は1524円と、1434円の東京より90円高い。神奈川県箱根町も1503円だ。長野県白馬村も1402円と東京に迫る。
こう見るとニセコのバイトの給与はみんな高いと思うんですが、これは平均です。
マックスバリューなんて全然高くない
養老乃瀧のバイトが自給2000円です。仕事内容見てください「お客様のご案内・オーダー取り」と、ありますよね。マックスバリューでコロッケ売ってるおばさんでは外国人の案内やオーダー取りができますか?できないですよね。少なくとも自給2000円もらえるのはこれができる人だけです。
実際、ニセコに行くと、外国人のスタッフもたくさんいます。ゲレンデ食堂にもいます。こうした人たちの自給は2000円どころか3000円からアメリカなみの5000円と言うことも考えられます。平均が1500円だけど実際には1000〜1200円の時給がたくさんいるということは、飛び抜けて高い人たちがいるってことですよ。
ちなみに群馬のかんたん玉原スキー場のレストランのバイトは
ニセコの半額ちょいでした。ここも養老乃瀧がやってるレストランあります。そこでこれ食べたんだから間違いない。
同じ養老乃瀧がやってるゲレ食の時給が2倍近く違うんだから、出すものの価格も2倍くらいになって当たり前。だって飲食店の原価の6〜7割は人件費ですよ。
つまりニセコのインバウンド周りでは確実に
コストアップ(人件費高騰) → 供給要因
インバウンド需要 → 需要要因
の二方向からインフレになってると考えられます。同様のことは日本の都市部でも起きるわけで(起きないと困る)、この場合も
賃金が上がったら必ず物価上昇はセット
となり、物価があがったのでまたまた現役から金を搾り取って高齢者にばら撒くみたいな愚策は絶対に止めて頂きたいものと思います。問題は田舎で、インバウンドも来ず、大企業もなく、自治体の労働人口の多くが公務員かそれ関係みたいなところでは賃金は上がらず、物価だけが上がるはずです。高齢者率が過半数みたいなところは本当にヤバいことになっていきますね。
雪が降るというのでアフォみたいな価格なんで車に積もうとTemuで買ったが宅急便で遅れて降った翌日に届くという愚・・・・www