すみません。グルーポンで買う物ありますか??

2011年7月26日

クーポン共同購入サイト運営の「グルーポン」。日本で一躍有名になったのは今年の正月のインチキおせち事件と思うが、個人的にはあまり好みでは無いビジネスモデルなので、いままでよく見ていなかった・・・。米グルーポンは米証券取引委員会(SEC)に申請書類を提出しているが、売上高は急成長しているものの、最終損益が多赤字。参入障壁が低く、競合の追随を許しやすいので原因の一つとされているようだ。

アメリカのアナリストの書いたものを読むと、クーポン共同購入サイトビジネスには未来が無いとしているものもある。実は自分もこれに大半賛成。そもそも安ければ買う、安ければ安いほどいいとこれに執着する客が上顧客かどうかという問題以前に、このサービスを使う店舗にとっていいことが少ないと思うから。
たとえば50%引きクーポンを買った客が新規の顧客ならまだしも、常連がクーポンを買って半額でサービスを受けた場合、次に正価を払って同等のサービスを受けることがばかばかしくならないだろうか。ましてやクーポン乱発で「安かろう、良かろう」の客が集まることで、上顧客が逃げていくことだってある。混雑したらサービスの質は落ちるのが当たり前だからだ。
飲食店で、「なんで今日はこんなに混んでるの?」「それはね、半額クーポンが出回ってるから」とわかったら、自分ならその店には二度と行かない。断っておくが、ずっとグルーポン見ているが自分は共同購入クーポンは買わないと思う(マクドナルドはお試しで買ったけどね。どうせ使うし)。欲しい物が無いし、衝動買いするより、自分の食べたいもの、欲しい物を正当な対価を払って買いたいと思うからだ。ということは自分は店にとってはかなりの上客だと思うが(自画自賛)、そういう自分がクーポンを発行している店には行きたくないと思うのであれば、顧客視点から見て、どうもいいビジネスモデルとは思えない。

とまあ、マイナスイメージが強い自分ではあるが・・・とりあえずこんな仕事もしているのでグルーポンに登録。まずはマックの500円クーポンを100円で買ってみた後、毎日じっくりと見ておりました。

んで・・・気づいたこと・・・

買う物が無い!!

いったいどんなお店が出稿しているのかと思って数えてみました。

突出して多いのが美容系。本日の東京のクーポンでいうと、東京エリアでは
合計54軒のうち
美容系(脱毛、エステ、スパ、ネイル) 28軒
と、なんと

過半数が美容系

なのであります。おっさん全く興味なし。
飲食も最近相当に経営が苦しそうな焼き肉と原価の安い中華とバーばかり。原価の高い日本料理とフレンチは全然無い・・・。しかし自分なら安いからといって半額チケット買ってバーには行かないな・・・安いから行くバーってなんなんだろ・・物販もドンキで投げ売りしてそうな二重価格っぽいものばかりだ。

美容系はそもそも原価がただ同然で人件費だけし、震災以来相当に苦しいはずだ。空いてる時間には従業員の時給だけでも稼いでくれればというつもりで出稿しているのだろう。しかしこれだけ美容のクーポンばかりなら、一回70%オフのエステのクーポンを買ったら、次からは定価を支払って同じ店になんて行くはずが無い。次は別の店のクーポンで別の店に行く。いままでちゃんとお金を落としてくれた客も他店の安売りクーポンに行く。つまり美容業界全体が安売りで地盤沈下するだけである。

飲食では3000円以上のものならまだしも、ラーメンとかせいぜい1000円程度のものなら電車賃使っていくほどのものでもないので、来るのは近所の人のみ。これだったら割引チケットを駅で配った方がよほど早い気もする。配るときに自分の店舗とリンクしている客を狙って渡すこともできるし・・。

日本の場合、クーポン共同購入が一番はまりそうなのは、たとえば遊園地の入場料半額とかじゃないだろうか。入場さえしてくれれば結局、他でお金を使ってくれる。エントリーさせる部分だけを割引して他でお金を使ってもらうならあり得る。しかし実際この程度ならネットで割引券とか、普通にあるんだよなぁ・・・
結局、エステとかボーリング場とか、どうせ空いてるならその分いくらでもいいから稼いだ方がいいし、その中からリピーターもでればラッキー程度のものばっかりに集約されてきてしまう。しかしこのコンセプトはすでに日本じゃ「一休」がやってるんですけどね・・。

クーポン共同購入サイトの最大の問題は儲かるのが運営側だけということと言われるが、店は赤字だし、新規オープンならまだしも常連客は混雑するだけでなにもいいことがないから離れていく人も多いはず。そしてなにより自分にとって最大の問題は「買いたいクーポンが全然無い」ことなのでした。だって常連がいっぱいいて、いつも混んでる店はクーポンなんて出さないもん。流行ってないから出すんだね。流行ってないのは広告宣伝がだめなんじゃなくて、商品やサービスがだめなケースが大半なんですが・・・。なんだかSEO対策すれば商品が売れると思ってるネットストアとダブって見えました。

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