One to Oneマーケティングって本当に効くの?

2011年7月27日

今朝ほど、興味深い記事を発見

マクドナルドがテレビCMをやめる日は来るか?
桁外れのOne to Oneマーケティングは成功するのか

懐かしい・・・One to Oneマーケティング・・・

10年くらい前、かなり流行った言葉だ。実は自分がセミナーとかで講演するとき、だいたいはこの話ばかりしていたので、この記事には相当の勢いで食いついてしまいましたよ。1993年にでた「One to Oneマーケティング」って本には、たった10%の顧客が90%の売り上げを占めている、みたいな内容があった記憶。つまりこの10%の客を離さないようにするのが効率の良いマーケティングだ、みたいな話である。

なんでこの話がネットと関係あるのかというと、そもそも実店舗ではひとりひとりの顧客の指向性を踏まえて対応するのは非常に難しい(高級ホテルとかではやってるようだがスーパーなんてとても無理でしょ) 。しかしネット経由であれば自動でデータベース化できるわけで、本当の意味でOne to Oneマーケティングを行うのはネット経由以外に無いと考えられていたわけだ。しかし現在ではたとえば「回転寿司業界第1位」のスシローでは、テーブルごとにタッチパネルで注文するのだが、リアルタイムに好みが解析されてロスが無いように寿司を流すそうである。これなんてまさに実践的One To Oneなわけですよ。

まあ上記の記事は、マクドナルドが携帯でクーポンを送るサービスをはじめるのであるが、各顧客の履歴にあわせて違うクーポンを送るという内容だ。 ということは内容的には別に新しい物では無く、10年前に言ってたことがやっと実現化されたというだけのことだ。つまり目新しくもなんともない。すいません、上目線で・・・。理論上は、ひとりひとり違うクーポンなんてなるほど素晴らしい〜!! と思うんだが・・・。

このOne to Oneマーケティングだが、実はWEB上で実装したことがあり、効果データも取りました。ひとつは今は無きオートバイテル・ジャパン(今見たらドメインが売りに出てた 泣)のメールシステムをたしか1999年頃に企画設計して作ったのであります。 自動車の場合、四駆が欲しい人にセダンのメルマガを送っても読んで貰えないわけで、自分の興味のある記事だけを生成させて、ひとりひとり違うメルマガを送ろうという試みである。実はほかにライブドア時代にも大手の某マンションデベロッパーとかにもこのシステムを 導入して貰ってひとりひとり違うメルマガを生成して送るようにした。

一見。ひっじょーに良いように見えるわけですが、結果的には失敗でした。コレ。

ひとりひとりに違うメルマガを生成して送るためには、まずは元になる記事が膨大に必要なのだ。でないと人によっては短文のが届くだけだったり、逆にその号はある人はお休み、という場合だってある。 この記事を作っていくコストが半端じゃない。また当時はサーバのスペックが低くて、いちいち生成していると配信するのにえらく時間がかかりました(今じゃ関係ない話ですけど)。で、統計データを取ると、意外と

One to Oneメールもフツーのメールも効果はかわんない

ということになったのです。ならばコストがかかるだけ意味ないな、ということになり、One to Oneメールに物凄い手間をかけて配信頻度が下がるより、全員同じでも頻繁にメール配信するほうがずっと効果があったのだ。
で、いまじゃWordPressだと、無料のプラグインで勝手に更新記事を生成して送るものまであり、顧客が登録するときに興味があるジャンルを選べます。 いま作ってるサイトもこれを搭載してまして、メルマガなんて勝手に自動生成して更新情報を送るのだ。魂がこもってないけど、顧客にとっては魂より自分の欲しい情報だけさっさと送ってよ的な人が大半でしょう、というような凄い仕組みである。しかもタダ! (設定はそこそこ面倒くさい)

で、マクドナルドだが、壮大なる計画なんですが、実際にはOne to Oneのシステム開発と運営コスト(たぶん設計から含めて何億もかかってるんじゃないか的な)と、それによっての売り上げ増加分を比較すると、かかったコスト分だけ余計に全員一律のクーポンを送った方が営業的効果はあるんじゃないかとわたしは思うわけです。なのでテレビCFなんて絶対無くなるわけ無いじゃん、と思った次第なのでした。

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