Google様はいいました「日本はスマホの超後進国」。このままでは世界に取り残されると思う政治家に読んで欲しい

2013年10月4日

この間、こういうエントリー書きました。

【唖然】スマホ普及率は4人に1人強? docomoオンラインショップの売り上げ2位、3位はガラケー!

このときのランキングの翌週は、ガラケーがランクをのきなみ下げてGalaxyが2位に浮上している。本当かな?(疑)
それはさておき、いまだ日本のスマホ所有率は国民に四人に一人しかないのであるが、それでも「日本にスマホ時代到来」というマスコミの報道が普通に見られる。本当に日本はスマホ先進国なのか。答えははっきりしている。

スマホ超後進国です。

Google がスマートフォン大規模調査を実施、日本は普及率低いが利用は活発

図表各所からお借りしてきました。

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もう、各国に比べてちょこちょこしか伸びてませんし完全頭打ち。

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日本のスマートフォン普及率は、2013年には24.7%にまで拡大。それでも今回の調査対象国でもっともスマートフォン普及率が高い韓国(73.0%)やそれに次ぐシンガポール(71.7%)と比べると、依然として日本では従来型の携帯電話が主流となっているとしている。総務省がまとめた2013年版の情報通信白書によると、2013年日本国内の普及率は38.2%とGoogleの調査結果より高いが、アメリカの56.4%などと比較してもまだまだ低い数字となっている。


韓国73%
シンガポール71.7%
アメリカ56.4%

日本24.7%(涙目)完全後進国!!!

日本のスマホの所有率は、ちまちま増えているだけ。何回も書いているがスマホとガラケーの層は隔離しており、スマホユーザーはすでに何台も買い換えて複数持ちになっているわけだ。年間3000万台売れても大半が買い換えだろう。実際自分がいままで何台スマホを買ったかと数えてみると、iPhone3G、3GS、4、4S、5、Nokia Lumia 520,1020、イーモバイルHuawei、これにくわえてiPad3台、Androidタブレット1台、合計12台です。多いように見えるけど3〜5台とかの人はざらなんでは無いかと思う。

それが証拠にスマホを使っている人だけの調査では、

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日本が高い数値を見せたのが「メディア同時使用」。特にテレビ視聴時の同時利用率は58%と他のスマートフォン普及先進国である米国(53%)、シンガポール(42%)、韓国(47%)よりも高く、従来型の携帯電話でよく見られた「テレビを視聴しながら」の利用が多いことがうかがえる。日本ではショッピング中のスマートフォン利用も活発で、3人に1人(32%)がショッピング中の商品について品定めするときにスマートフォンを使ったことがあると回答。他の国が2割台にとどまるなか、高い数値となっている。

「日本はスマホ超後進国」と書けば反発を招くとばかり、後半でヨイショしているが、全くヨイショになっていない。スマホの所有率は人口比だが、使い方については持っている人の中だけで比較しているからだ。これはつまり、日本ではリテラシーの高い人たち中心にスマホを持ち、スマホを所有している人たちだけで比較すると各国より能動的に使っているということで、国民全体で見たらめっちゃしょぼいということがはっきりする。人口比で掛けると

アメリカは人口の56%が持っていてうちショッピングに使ってるのが22%だから国民の12%がスマホで品定め
シンガポールは72%が持っていてうち24%が使ってるから17%
日本は24.7%しか使って無いので32%が買い物しても、たった7.9%しかスマホで品定めしない

つまり、日本は完全にリテラシー(情報収集力)が高い層と低い層が分離してしまっているのだ!!

別にいいじゃん、スマホよりガラケーが使いたければそれでいいじゃんという人も多いはず。ガラケーとスマホの最大の違いは、「情報収集機器」としての差でしょう。まずはここ。本と同じで読む気のない人は読まない。でも本があるのとないのでは根本的に違う。

国力として考えた場合、一部にリテラシーが高い人がいて大半が×より、全員が底上げしているほうがいいに決まっている。明治政府は日本が先進国に追いつくのはまずは教育だと考えて、乏しい予算をやりくりして学校を作り、義務教育を設定し高い識字率を実現した。だからこそあのスピードで先進国に加わり、世界をびっくりさせたのだ。零戦作るんだって工員さんが文字が読めないなら図面が読めないわけです。
昔で言う識字率の高さが、今で言う「リテラシーの高さ」です。ガラケーでもいいじゃんというのは、「勉強しなくても親もそうやから生活保護で食ってくからええわ」という家庭の中学生と同じ要素。本人はいいかもしれないが、国として困る。工場などの単純労働はどんどん海外に移行している今、単純労働しかできない職場はかなり減りつつあるからだ。

どうしてこうなってしまったのか。

親方日の丸系から始まった通信産業が、顧客利益よりも囲い込みを主眼に置いて海外にはない他キャリア間のSMSを禁止。結果、キャリアメールが浸透した。が、これはスマホでも使えるようになっているのでスマホ移行の足かせではないと思う。

次は操作性。ガラケーは日本人の好みに合わせて進化してきたわけで、使い勝手は非常に良い。新たな勉強もしないで済む。国会議員もガラケーだらけなのを見ると、お金があるのに買い換えない人はここ。しかしこの層はいろいろな手段で情報にアクセスできるので、実際にはガラケーでも不便が無かったりする。パソコンが家にあるしタブレットもあればガラケーでももちろんいいわけだ。しかし「俺は年だからスマホ使えない」っていう方。韓国では爺婆含めて73%が使ってるのに、なんか情けない。別にいいけどさ。

最大はガラケーからスマホに買い換えるお金が無い人です。

docomoで言うと、一番安いのはFOMAのタイプSS バリューで、基本使用料が1,957円で割引使うと月々980円。たいして電話もしないしiモードもやらないならこれでいけます。パケホーダイダブルにはいると基本料が390円でiモード通信なら月額上限額4,410円。田舎のおばあちゃんとかはiモードしなければ毎月1370円です。

これに対してスマホに変えると

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となるわけで、一挙に5000円以上アップ。でもって自分は毎月いくらSoftBankに払ってるのかいま調べてみたら、携帯1台で15000〜20000円。ヤバイ。無料通話をちゃんと使おう。いつまでもLINEがWindows Phoneに対応してくれないので、いまはiPad miniでLINEとFacetimeやってます。もちろん手に持たずにヘッドセットで(笑)。

日本のスマホの通信費は非常に高い。ちなみに東南アジアですと・・・

得意のインドネシア
simPATI Active

ほとんどがプリペイドの契約。残りが無くなったらコンビニでカード買ってチャージ。simPATI Freedomだと、3Gデータ通信は無料でついてくる5000ルピア(50円)分だけであとは従量制。いろいろな料金体系があり、端末からSMSで切り替えられる。だいたい50000ルピー(500円)ごとにチャージする人が多くて、インドネシア人の友人に毎月いくら使ってると聞いたらだいたい5万ルピーで済むけど彼女ができると10万ルピー(1000円)といっていた(笑)。警察とか軍人のペーペーの給料が200万ルピー(2万円くらい)。大卒初任給が3万円くらいだが数年働いてキャリアを積むと10万円以上に上がる。モバイルの本体は基本的にSIMフリーで中古市場が発達していて買い換えの時は前のを売る。Androidなら新品で1万円しない。普通の携帯なら2000円で買えます。露天でたくさんの中古を売ってます。タイでも似た感じです。

アメリカはいくらか。AT&Tを見てみる。実はAT&Tでもプリペイドプランを導入している。

AT&Tのプリペイド専業ブランド「Aio Wireless」がスタート

月額料金55ドルでデータ通信2GBまでの高速通信が可能。「Aio Pro」は月額70ドルで7GBまでとなっている。一番安価な「Aio Basic」は月額40ドルで契約可能だが、データ通信は250MBまでに限定されている。

ということで、日本よりずっと安い。それでも縛りが無い分だけ高めで、アメリカのメジャーなキャリアは従量制にすでに移行していることもあり、最低料金だと毎月のデータ転送量が2GBで30ドル,これを越えると1GBごとに10ドル加算のはず(改訂されていたら教えてください)。つまりパケット代自体が日本の半分で契約できるわけですね。日本でもNTTコミュニケーションズの月額980円でdocomoのLTEが使えるサービスもあるが、050Plusを契約して電話番号を取得してとなると、かなり詳しい人でないと無理。つまりキャリア自身がサービスとして提供してくれないと大きく広まらない。





↑ このセットですが・・・リテラシー高くないとまず認知までにも至らないわ

◆日本でスマホのシェアが広がるための施策

1 電波法を改正して安価にスマホが販売できるようにする

日本では技適認可を通らないと大手振って海外の携帯が販売できない。しかしすでにSoftBankは来日観光客のためにレンタルSIMを提供しているし、b-mobileも同様に2週間有効のdocomoSIMを販売している。海外観光客がローミングで接続するのは合法だが、日本のSIMに入れ替えれば違法です。それなのになぜこういうサービスができるのか。通信事業者は認可事業だから、つまりは「通商産業省※総務省だそうです が目をつぶってる」わけでしょうよ。キャリアが電波法知らないでやってるわけはないっしょ。つまり技適はすでに形骸化しているのです。オリンピックを8年後に控え、ここは早くなんとかしてくれ。

現在では形骸化しているとは言え、大手を振って大手は販売できないし使う方も後ろめたい。技適を取得するためにはけっこうな手間とコストがかかるから、たくさん売れる機種しか取らない。技適を廃止すればそのコストが減り、デバイスの値段は下がるわけです。海外から安価なSIMフリーのスマホがどっと日本に入ってきます。

2 プリペイド式のSIMを販売させる

これでSIMフリーのスマホがあればすぐ簡単に開通できます。使った分だけチャージすればいいから初期コストが安い。毎月定額で払いたくない人向けです。

3 パケット定額の価格を下げる代わりに超えた部分を従量課金にする

孫さんも言ってたと思うが、現在では10%の顧客が90%の回線リソースを占有しているという。大半の顧客は自分が使っていない分を負担させられているのだ。取りやすい人たちからキャリアは取っているわけです。部屋に閉じこもってiPhoneの小さい画面でFC2のアダルト動画を見まくってる男子高校生出てこい。これを解消するには米国並みに毎月3000円で2GBまで。超えたら従量課金にしてほしい。これだったらスマホが月4000円以下で維持できるわけで、大きくマーケットが広がる。

キャリアさんは3にしたときは一時的に売り上げが下がるので踏み切れないでしょう。しかしそれをしないとスマホのシェアが拡大しない → ますます日本の中での情報格差が広がる ということは明白。いまやスマホの普及率は将来の日本の国としての競争力にも関わること。政府が本腰入れないとダメなんですが、ガラケー使ってる政治家レベルでは全く意味不明だから、若手のリテラシーが高い政治家のみなさんに超党派でお願いします。これを政策に掲げたら、めちゃくちゃネット選挙運動で票が取れると思いますよ!!

【追記】このエントリー、思わぬアクセスがあり、驚きました。全文を理解せず細部をほじくって絡んでくる人の多いこと。ガラケーとスマホの対立軸では無く、世界でも類を見ない高額な通信費のおかげで後進国にも及ばないスマホやタブレットの普及率。これがじわじわ国力に影響してくるんじゃないかというのが趣旨ですので念のため。書いているように個人が好きでガラケー使ってる分にはいいのです。

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