最近、打ち合わせで出たいろいろな事実と妙にマッチするニュースが流れて来た。
低年収ほど仕事の目的は「給料」 年収1000万円以上の不満は?(産経ビズ)
これほど見事な相関関係があるとはビックリ。
もちろん300万円台の年収でも仕事が面白さとか自分の成長を最大の目的にしている人は40%いるのだが、60%は「金のため」に働いている。年収が上がると「社会や人々へ貢献」の比率が上昇している。頭ではそうとわかっていても、これほどグラフ化されると現実を突きつけられる。
なぜ低収入の人に「お金のため」に働く人が多いのか。いろいろ理由はあると思う。もともと貧乏なのでとにかくお金のことで頭一杯とかね。低収入の中には「いまは丁稚だけど将来のために我慢してる」という人もいるはずだが、こういう人は「仕事が面白い」とか「成長したい」と考えてるわけで「金のために働いている」という感覚は無いはず。
で、賃金が安い仕事には共通することがある。当たり前なわけだが
誰でもできる仕事ほど賃金が安い
ということだ。参入障壁が低い「資格のいらない」「頭もいらない」「体力もいらない」「単純作業」ほど安くなるわけ。従って自分自身がこうした仕事しかできないのであれば、低賃金に甘んじるしかない。しかもこういう「誰でもできる仕事」は自分の成長の役に立たないからずっと同じ事をし続けることになります。
関係無いけど、情報商材や内職詐欺の多くは「全く未経験で1日1時間で大儲け」とうたうが、大儲けするのは詐欺師のほうで買わされたほうではないのも当然です。騙されるほうは誰でもできる程度の事しかできない人なのでそれがわからない。
さて、最近読んだ中で面白かったのがコレ。Kindle版は出てないので中古本になるが、Bookliveでは電子版が出てます。おどろおどろしいのとか「戦国自衛隊」みたいな作風の半村良氏だが、「晴れた空」とかこういう系のはとっても面白い。本作品はモデルがいるのだが、極貧から土方になり、誇りを持って働く人物が描かれる。
この主人公は金のためには働かない。敗戦から日本を復興するのは自分たち「土方」がやる。という強い意志で働く。現場には金のためだけのヤクザ系や、借金でタコ部屋送り(いわゆるカイジ)になったアマチュア連中もいるが、大きなスタンスの差があるわけです。だから同じドカチン仕事でもクオリティが全く違う。要するに言いたいのはココね
金のためにだけ働く人は、もらう金以上のことは絶対しない
↑の主人公は、発注先との間にヤクザがはいって金がもらえなくても「なんとしてもダムを完成させる」という誇りがある。だから評価されて興した会社(というか組だけど・・)も大きくなっていく。で、先日の話に戻る。
ある短期コンサル先にブログの書き方を教えたのだが、上がってきたブログを見たらどうにもヒドイ。短文で内容がない。何度言っても治らない。よくよく聞いたら英語のブログなので自分では書けず、クラウド系の仕事探しサイトで1本500円で書いて貰ってるという。
アホでしょう
確かにそういうサイトではブログ記事1本の相場は500円とか中には300円だそうな。しかし普通の時給感覚が1000円なら500円の仕事は30分以内で書ける範囲である。500円の内職気分で仕事を請け合う人は、500円以上の仕事は絶対にしない。当たり前だ。させようと思ったらあなたはブラック人間です。
アクセスが取れている人のブログは下調べからいれれば1本数時間は絶対にかけている。自分がコンサルしている中には1本5時間くらいかけている人もいる。時間給に直せば5000円以上のコスト(実際には書いてる人は経営者で時給1000円ではないので10万円くらいになってるの)だが、自分のためだから気合い入れて書くのである。だからバズる。
自分もプロにクライアントのサイト内原稿を依頼する(さすがにブログはない)こともあるが、大量にまとめて発注してもページ数千円単位はいきます。プロのプライドとクオリティで、きちんとしたものを書こうと思えばこれくらいは当たり前なのです。
たとえ1本500円でも、中にはめちゃくちゃ文才があって文章を書くのが生きがいで、「金のために書いてるんじゃない」という人もいるかもしれない。でもそういう人は1本500円で他人のを請け負わずに、自分で自分のを書いてると思うんですけどね。だってその情熱でやれば、時給500円どころじゃないほど将来の仕事につながるもん。キュレーション記事1本500円でと、同じようなことを考えていた別のコンサル先のビジネスモデルも全力で否定しました。ww
本日メルマガ発行日なので頑張ります。ちなみにKindleでメルマガまとめ本が出る出ると「出る出る詐欺」みたいになってますが、今回はきっちりと校正して手を入れてます。早くて週末くらいにはなんとかです。