こんにちは。一昨日、ハイブリッド(以下HVにします)の新車の注文書にハンコを押した私です。
この車を買うとき、HVとガソリンでめちゃ迷ったのですが、本日はその葛藤を論理的にまとめてみようと思います。
トヨタ自動車の2014年上半期(1~6月)の国内販売で、乗用車(軽自動車と商用車を除く)に占めるハイブリッド車(HV)の比率が初めて5割を超えたことが分かった。初の量産型HVだった初代プリウスを1997年12月に発売してから16年半。HVは国内販売の過半を占めるまで拡大した。
HVは燃料電池にいくまでのつなぎだとか、ヨーロッパはディーゼルだろうとかいろいろな推測が飛び交っているのですが、とにかくは日本では人気はHVです。田舎に行っても軽自動車よりアクアとプリウスの多さにはびっくりです。自販連によると今年の6月の新車の登録台数1位がアクア、2位フィット、3位プリウス。フィットにもHVがあり、70%がHVだそうです。ヴェゼルにいたってはホンダのリリースでは82%!!
1 アクア トヨタ 19,812
2 フィット ホンダ 16,066(HVは11246と推測)
3 プリウス トヨタ 13,557
4 ヴェゼル ホンダ 11,680(HVは9577と推測)
と、4位までがHVを用意している車種で占められてます。6月の普通・小型乗用車の登録台数は229037台なので、各モデルのシェアはアクア8.7%、フィットHV4.9%、プリウス5.9%、ヴェゼルHV4.2%で、この4車種のHVの合計だけでシェアが23.7%!!!なんと4台に1台!!!
HVはかなり割高
HVはエンジンだけではなくて電池とモーターを積んでいて機構が複雑なので、割高になります。どれくらい割高かというと、アクアとプリウスはHVだけしかないので比較のしようが無いからフィットとヴェゼルで比較してみる。
まずフィット。同じグレードで比較しないといけないわけで、ガソリンだと
HV Lパッケージ 1,882,286
ガソリン Lパッケージ 1,728,000
と、差が16万円。ただし維持費を考えるとバッテリーは5年で交換でそのときにたぶん30万円くらいはかかる(はず)
ヴェゼル
HV X 2417143
ガソリン X 2067428
と、差が35万円。バッテリーについては同じ
HVは燃費がいいからと選択する人が大半だと思うが、実はガソリン車もいまは非常に燃費が良くなっていて驚く。フォルクスワーゲンのポロとかゴルフもかなりいいのだが、あちらはガソリンがハイオクで、しかも渋滞ではそれほど伸びない。で、いったいどれくらいの差が出るのか計算してみる。
まずフィット。上記のモデルのJC08モードっていう燃費はHVで36.4km/l、ガソリンで21.8km/l。燃費は走り方で大きく変わるので、仮に実走行ではこれの15%ダウンとするとHV30.94km/l、ガソリンは18.53km/lとなります。一般の人の月の平均走行距離は1000キロと言われていますので、ガソリンを170円/lとして試算すると、
HVは月のガソリン代5494円、ガソリン9174円となりますね。月の差額3680円。
1年で44160円、3年で132480円の差
はい。3年乗るだけではペイしませんね・・。ましてや都内でチョイ乗り程度だと月500キロいかないくらいですから、HV買っても元は取りにくいです。ただし下取りが高くなるというのはあります。しかしフィットは戦略的にアクアと対抗するためにHVの価格をかなり安くしています。
ヴェゼルはもっと辛い。価格の開きが大きいから。カタログ燃費の差は26.0km/lと20.6km/l。しかもSUVなのにガソリン車の燃費が良すぎる!! フィット並み・・上記と同じ計算をすると
1年で24937円、3年で74812円の差!
車両価格差35万円は、月1000キロしか走らない人はほぼペイしません!!それでも82%がHVを選択している!!
それでもなお、日本人はどうしてHVばかりを買うのか
ここからが今日の本題です。
1 ガソリン代でペイするとイメージしている
おそらくこれが最大の理由かと思われます。別に自動車メーカーが嘘を言ってるわけではない。単にユーザー側で試算をしないのです。前から書いているように、数字とか確率の認識が出来ない人が世の中の大半です。
福島で線量が危険なほど高い地域はもうほとんどないのに「福島は危険」というのが念頭から離れない人(たとえば今日の南相馬市原町は0.68で上海と同じくらい。浪江町対馬は0.350でオランダのロッテルダムと同等。世界には東京の10倍くらいの放射線量の都市がたくさんある)、あたる確率なんてほとんど無いに等しいのに宝くじを買う人。パチンコは通せば絶対に負けるのに生活保護費を突っ込む人、そしてソシャゲのガチャに大金を突っ込んだ人、みんな数量値が概念でしかわかりません。で、その概念が間違っていても真偽を自分で確認できない。調べたり計算したりが面倒で出来ない人たちなのです。
ハイブリッドは燃費がめちゃいい。だから車両が高くてもたぶんペイするでしょ、みんな買ってるんだから。タクシーだって最近はプリウス多いしね、というイメージで、「タクシーは走行距離が非常に多いからペイする」ということが理解できない。
しかし商品に対してのイメージは実はほとんどこんなものなのです。たとえばどこそこのブランドの服が好きって言っても、そのブランドの服と他のブランドをすべて比較検討しているわけもなく、保険も同じように複数から見積もりを取って比較なんて考えずに名前のしれたところが安心でしょと申し込む。酵素は発酵とは違う物なのに酵という字が同じだから「発酵させた」ドリンクを「酵素ジュース」と言われても疑問に思わない。
酵母と酵素は漢字にすると似ていますね、でも英語だと全くの別物です。「酵素はenzyme」であり、「酵母はyeast」となります。酵母は微生物の仲間でカビなどを含む「真菌類」に分類されますので生きていると考えてください
酵素ジュースってそのうち消費者庁から刺されると思うが楽天では大盛況で山のように出てる。まあ、ブランディングとは所詮、こんなものかもしれないですね。イメージの育成ですから。でも嘘はやっぱ良くないと思います。酵素だめだろ。
2 1回はハイブリッドに乗ってみたい
これはなんだか気持ちがわかる。Windows Phone8を1回使ってみたい、Android4.4試してみたい、レンズスタイルカメラ使ってみたいで散財を繰り返すわたしですのでそこは納得します。物欲が無い方草食系の方はたぶん理解できないと思います。
3 なにか環境によさそうな気がするから
これもブランディングの一環ですね。環境に良さそうな気がするプリウスに乗り、窓から煙草の吸い殻投げてる人や、毎週のようにバーベキューにでかけて盛大に二酸化炭素を放出している人もいます(笑)。本当に環境を考えるなら山の中でひとりで住むのが一番。この間の「Youはなにしに日本へ」の7/21のサイラスは凄かった!!あれは感動した。
そんなわけで、車1台買うにもこんな感じで思いを巡らすと楽しいですよ〜
ちなみに私がHVにした理由は、毎週海に行くのでめちゃくちゃ走行距離が出ること。コンセントが後ろにもついているのでシャワーの電源が取り出しやすいこと(そこかい!!)。友人の自動車評論家の国沢さんには「そのモデルは絶対ガソリンにしとけ」って言われたのでめちゃ悩みました。
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