本日も、よくメルマガやnoteに寄せられる(数ヶ月に1回は必ず来る)質問への恒久的な回答です。
今後は同じ質問来たら、このエントリー読めってURL貼るつもりで書きますニョロ。
だいたいこんな感じ。
「自分は地方都市でWeb制作会社を営んでいます。受託仕事なので高い金額では受注できず、食っていくのが精一杯です。なんとかもう少し高い金額で受注できるようになりたいです」
このほかにも士業とか、整体とか、いろいろな業種の方から同様な質問が来ます。前にも書いたように
他社より高く売りたいなら簡単だ。他社とはっきりと差別化できる何かを明記すれば良い。明記できないなら叩き売るしかない
というセルフ名言で「はい、終了!!ちゃんちゃん」ということになります。しかし問題は「どうやって差別化するか」ということ。これがすぐできるなら苦労しない。特にサービスの世界が難しい。
イカサマ情報商材屋の世界では、全く経験が無いのに情報商材を買ってそのとおりに「学歴も無い自分が破産して離婚も経験してどん底からこれで這い上がって大儲け」ってストーリーで展開しようとするのですが、誰の経歴もみんな一緒になるので普通の頭の人は、経歴見ただけで「これは詐欺だ」と見破れるわけです。差別化の究極の反対にいるのがわかんないのかね。やつら、少し前までFacebookにたくさんいたんだが、最近見かけないねぇ。
商品ならばダイソンとかバルミューダのように、きちんとストーリーのある商品を自社で開発するしかない。
消費者が買うのは「機能」ではなくて「使用体験」や「ストーリー」(バルミューダはわかってる)
ちなみに最近、愛犬を洗ったときにすぐに乾かすためにダイソンのドライヤー買いました。はっきりいって、めちゃくちゃ良いです。音も激静かで、アパートくらいのOLとか夜遅く帰ってきてドライヤーかけるのにおそるおそる的な人にもおすすめ。高いけど価値あります。
自分を高く売るためにはひとつしか方法はない
で、質問に良く来るのが、「受託だけでは安くて厳しいので永江さんのようにコンサルを含めてやっていきたいが、どうすればよいでしょうか」というものです。
これですが、受託で数年やってきて、すぐにコンサルを名乗るのは、めちゃくちゃ厳しいと思うわけです。なぜかというと、そもそもコンサルってなにかという定義から入ると分かります。コンサルというのはぶっちゃけなにかというと・・・
成功体験の使い回し
なのです、はい。だからインチキ情報商材屋によくいる二十歳そこそこでコンサルとかあり得ないわけ。「お前になんの実績があるの」って言うことなんですよ。言ったもん勝ちに騙されるのは馬鹿だけです。
飲食店などの実店舗で一番有名な経営コンサル会社は船井総研だと思いますが、この例がわかりやすい。船井総研のビジネスモデルは、1地域で1業種しか契約しない。で、たとえばある地域で某回転寿司屋がある施策を採ったことで客が増えたとする。そうするとその成功体験を競合しない地域の回転寿司屋に提供するわけですね。全国的な会社だから日本中からいろいろな成功事例が集まってくるので、これを二次売りする。コンサルタントはいろいろな事例を当然ながら知っているのでそれを元に経営アドバイスするわけです。成功体験の総合商社みたいなもんだ。
前に紹介したこの本の加藤レオさんの会社「売れるネット広告社」も
いろいろな企業でLPを制作し、成功例を積み重ねてそのノウハウを他社で応用しているわけ。LP制作費用訊いたらかなり高いけど、クライアントはその成功経験を買ってるわけです。
つまりコンサルをやるためには
豊富な成功体験
が欠かせないわけです。数社くらいのクライアントのサイトを受託で制作しても、そもそも受託だから相手の言うままに作ったものは成功体験でもなんでもないし、売り上げやいろいろな施策まですべて開示してもらっているなら成功した理由も明白だが、単にサイトだけ制作してアクセスありました的なことだとノウハウはほとんどないわけです。
実際にコンサルを名乗ろうと思えば、飲食業なら船井総研出身とか、ネット系なら大手の制作会社でかなり揉まれて成功体験を溜めたみたいなケースでないとなかなか厳しい。B to Bのアクセンチュアで新卒からコンサル名乗ってるのはたぶんマニュアル化されて教育制度があるからだと思うが(なかったらスマン)、だからといって起業してB to Cのコンサルしようとしてもノウハウが使えなかったりするわけです。楽天の新卒がコンサル名乗ってるなら、起業して楽天に店舗出して大儲けしてみろといいたい。ノウハウあるならできるだろうよ。
【追記】元アクセンチュアの林君からレスあり。「新卒アクセンチュアは一部を除いて、ほとんど客と直接話できません。少なくとも数年働いたコンサルの下で、手足となって死ぬほど働きますです。新卒は社内的にはアナリストですが名刺に肩書きは無し」だそうです。
受託仕事ではなかなかノウハウ溜まらない。ならどうするか
自分みたいに上目線で顧客にあれこれ強制的にやらせれば、「あの施策はここでも効いたから万能的にどこでも有効だ」「この施策は特定の条件が無いと機能しない」とかどんどんノウハウは溜まるが、それは契約の前に「効果にコミットするので盲目的にわたしのいうこと聞くこと」という約束をしているからです。普通の受託仕事は「こんな感じで作ってください」って素人の顧客に言われるままだからなかなかノウハウなんて溜まらない。
であれば、どうするか。
簡単です。自分のサービスを自分の負担でやれば良いのです。
自分は3.11のあと、ぷらっぷら遊んでいた生活から、もう一回人に必要とされる仕事をしようと決意し、最初に始めたのがこのブログです。現在では月に100万PVをいったりきたりだが、実はいろんな実験をしている。
●広告の位置はどの位置が一番よいか
●PCとスマホで動きはどう違うか
●バズるコンテンツの構築方法と、バズっても意味のないコンテンツは
●タイトルの付け方ひとつでアクセスはどう変わるか
●公開時間でアクセスは変わるか
●SSL化でアクセスは変わるか
●文章量で顧客層やアクセス数は変わるか
みたいなノウハウを細々と数え上げたら何百項目も会得できた。で、実際に集客できているわけで、「そのノウハウを教えてください」的なクライアントも来るわけです。で、クライアントで試した施策で成功したものを他でも使う。なので自分のクライアントは1業種1社なわけです(実店舗がある場合は1地域1社です)。今少し手が空いたので「盲目的に従う」と仰る方だけお問い合わせください。ww
まとめますと、コンサルティングのためには豊富な成功体験が必要で、その成功体験は最初は身銭を切って(自分の人件費も含めて)会得しないとダメってこと。これ実はほかの業種でも同じで、高須クリニックの高須先生だって同じことをしている。だからたぶん日本一高いと勝手に推測する手術費用でも客が世界中から一杯来るのです。
医師免許停止中は厚生省の管轄の及ばない諸国で腕を研き人脈を広げました。おかげで2001年、現役復帰と同時に国際美容外科学会会長に選出され、あとは順風満帆。人生全て塞翁が馬(笑) https://t.co/PTqP1ePdCM
— 高須克弥 (@katsuyatakasu) 2016年4月28日
しらないうちにKindle版が出ていた。サイバラさん、教えてくれないんだもん。さっそく購入したよっ!!