ここ何ヶ月か仕事場兼自宅のWi-Fiが突然遅くなる事象が発生。iMacを初期化したりいろいろやっていたが、どうもルータのAirMac Extremeがおかしいあたりまでいきついた。早朝に目が覚めて異様にスピードが遅くなってることに気づいて(ダウンロードが1Mbps切る)布団の中からiPhoneのAirMacアプリで再起動掛けると治る。これが日課になってきたのでしかたなくAirMacCapsuleをヨドバシドットコムに注文した。こういう奴
AppleのデバイスとAirMacのルータはめちゃくちゃ相性が良くて激早になるし、自動バックアップのタイムマシーンも内蔵されているのでこれは便利になると思ったが、到着したらいきなりの初期不良でハードディスクが壊れてる。Appleのサポートの電話はかなり探しにくくやっとつながったらサポートの人は全く素人だった・・・・。そんなわけでまたAppleに対しての信頼感がガタ落ちです。
さて・・・
ハチミツが原因とみられる乳児ボツリヌス症で男児死亡 各省庁が1歳未満の乳児にハチミツを与えないよう注意喚起
という悲惨な事件がありまして・・・
1歳未満の乳児がハチミツを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがあります。今般、ハチミツを原因とする乳児ボツリヌス症による死亡事案が発生しました。腸内環境が整う1歳を過ぎるまでは、ハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などは与えないようにしましょう。
— 厚生労働省食品安全情報 (@Shokuhin_ANZEN) 2017年4月7日
こちらは東京都
食中毒の発生について~1歳未満の乳児にはちみつを与えないでください。~
通常、酸素のない状態になっている食品が原因となりやすく、 ビン詰、 缶詰、容器包装詰め食品、保存食品(ビン詰、缶詰は特に自家製のもの)を原因として食中毒が発生しています。国内では、北海道や東北地方の特産である魚の発酵食品“いずし”による食中毒が、1997年頃までは報告されていましたが、 自家製の“いずし”がほとんど作られなくなり、“いずし”によるボツリヌス食中毒もほとんど見られなくなりました。乳児ボツリヌス症の原因食品として、以前は蜂蜜がありました。1987年10月、1歳未満の乳児には蜂蜜を与えないようにと当時の厚生省が 通知を出して以降、蜂蜜を原因とする事例は減少しました。蜂蜜以外、原因食品が確認された事例はほとんどありませんが、東京都で発生した事例で自家製野菜スープが感染源と推定されたものがありました。
なのですが・・・・
ボツリヌス菌は熱に強い芽胞を作るため、120℃4分間(あるいは100℃6時間)以上の加熱をしなければ完全に死滅しません。そのため、 家庭で缶詰、真空パック、びん詰、「いずし」などをつくる場合には、原材料を十分に洗浄し、加熱殺菌の温度や保存の方法に十分注意しないと危険です。 保存は、3℃未満で冷蔵又はマイナス℃度以下で冷凍しましょう。
とあって、100度でグラグラ煮えたってる中で6時間以上って、家庭料理では無理。
カレーでよく食中毒が発生するのもウェルシュ菌というのが原因で、ボツリヌス菌と同じく熱に強い芽胞を作るのでグラグラ何時間も煮てもじっと耐えて生きていて、火を止めると43〜47度で猛烈に繁殖するんですよ。だから火を止めて残りをレンジに起きっぱなしだとそのあと猛烈に繁殖して毒カレーになる。これを朝に軽く温め直す程度だとやられるわけ。でもウェルシュ菌の毒素は加熱で分解されるし、毒性もたいしたことがない。作ったらよくかき混ぜて(空気を嫌うので底にいる)直ちに冷やして冷蔵庫に入れる。食べるときはチンどころじゃなくてきっちり火に掛けて十分コトコト加熱。これが大事なそうな。
ボツリヌス菌も芽胞を摂取すると腸管内で菌が増殖し、 産生された毒素が吸収されて症状を起こす。が、乳幼児ボツリヌス症と異なり、大人でもボツリヌス毒素が体内に入ると8時間~36時間で神経症状が現れ、重症例では呼吸麻痺により死亡と、カレーの食中毒よりずっと怖いです。
ちなみに大手メーカーではUF膜ろ過という濾過を行って菌を最大限取り除いているのですが、それでも稀に残ることがあり、パッケージには「1歳未満はダメよ」という表示があるという風に不二家のハチミツのど飴の説明がありました。いまは販売してないみたい。UF膜ろ過のでかい設備持ってない自然派食品の場合は、乳幼児には絶対ダメでしょう。
ここまではお料理の豆知識でした。
どうして、知らなかったという人が存在するのか
テレビ見ていましたら、街頭インタビューで
ハチミツが赤ちゃんにダメって知らなかった
という女性がけっこう出てきて驚きました。
こういう事書くと「習ってない」「教えてもらってない」という、安保法案の時に「国民に説明がされてない」と街頭インタビューで良く主婦が言ってたみたいなのが出てくるのですが、妊娠すると必ず「よく読んでくださいね」といって渡される最近の母子手帳にも記載があります(25年くらい前のにはないようです)。
また市町村からもらうパンフレットにも書かれていますし、そもそもハチミツのパッケージには絶対その文言が入ってます。中国産とかめっちゃ糖蜜で薄められているそうなので逆に安全かもね。ww
もっとも厚生労働省が「ハチミツはあかちゃんにはダメ」という通達を出したのは上記のように1987年だから30年前。漫画「美味しんぼ」でハチミツを乳児に食べさせるシーンで炎上したことがありましたが、原作者の戸塚 哲さんはいま75歳。「自分の子供にはハチミツを与えて育てた」とコメントしてらっしゃいましたが、まあ年齢から考えて当時は知らなくてもしかたないのです。放射脳という点で叩かれるのは仕方ないですが、ハチミツは知らなくて当たり前です。編集者とかコーディネーターとかが素通ししたのはどうかなとは思います。高学歴の人たちばかりですからね。
で、今朝も
オウム病で妊産婦2人死亡 鳥との接触に注意 日経新聞
オウム病は、ペットなどの鳥のふんに含まれる細菌「クラミジア・シッタシ」を吸い込むことで主に感染。潜伏期間は1~2週間で、急な高熱やせきなどインフルエンザのような症状が出る。厚労省によると毎年数人から数十人の感染者が報告され、重症化すると死亡する。日本医療研究開発機構の研究班などによる2016年度からの調査で、妊産婦2人が感染後に死亡していたことが判明した。感染経路を今後調査する。研究班の柳原格・大阪母子医療センター研究所部長は「妊娠期は抵抗力が弱まるので、ペットの鳥との不必要な接触は避けてほしい」と話している。
で、これも知ってる人は知ってるけど、知らない人は知らないんだなぁ・・・と。猫のトキソプラズマも同様で、猫飼ってて妊活する人は事前に抗体検査するみたいです。
しかし、ハチミツやオウム病を
こんなの、どうして知らなかったんだ!!
というのは簡単ですが、ハチミツもクラミジアも、超レアじゃないですか。逆に言えば知らなくてもたいしたことはないんです。いや、知ってるに越したことはないのですが、確率で考えれば他の疾病になるほうが天文学的に高い。でも、いちばん不思議なのは、このエントリーにも書いたように
妊娠中の喫煙は胎児の知能低下、行動異常を誘発させるし
子供に受動喫煙させると突然死の原因になるし、こんな病気も発症します。
詳しいエビデンスだよ
こうした子供の死や病気と両親の喫煙の関係は、たしかいまだと家庭科の時間に習うはずだし、産婦人科に行ったら絶対に言われるでしょうよ。
たばこを吸っている妊婦は、吸わない妊婦より、1.5倍ほど、自然流産しやすくなり、1.4~1.5倍ほど早産しやすくなります。また、吸う本数が増えるほど、早産しやすくなります。
・たばこを吸っている妊婦は、吸っていない妊婦より、1.2~1.4倍ほど、周産期死亡(妊娠28週以降の死産と生後1週間未満の早期新生児死亡)が高くなります。
・たばこを吸っている妊婦から生まれた子どもの出生時の体重は、たばこを吸わない妊婦から生まれた子どもに比べて平均200g軽く、また、出生時の体重が2500g以下の低出生体重児が生まれる頻度が約2倍ほど高くなっています。
なのに子供連れでプカプカタバコ吸ってる夫婦とか、普通に見かけるじゃないですか。ラーメン屋のもくもく喫煙スペースで幼児連れてタバコふかしてる若夫婦がいたが、こんなのハチミツとボツリヌス菌の危険性のレベルじゃないでしょう。
子供乗せたクルマでタバコ吸いながら運転してるヤンキー母さんとか普通にいるし。こうした人たちは「タバコの害を全く知らないのか」知っていても「そんなんたぶん平気、平気」なのか、どちらでしょうか。もし前者なら、ハチミツどころではない大問題と思うんですが・・・
そんなわけで、ハチミツ騒動で一番思ったことが
それより子供の近くで喫煙する奴のほうが激馬鹿
ということなんでございました。ハチミツどころじゃないよ!!!
本日のセールで299円だったので飛びつきました。