誰でも想像できる40年後の日本はこんな感じ・・・

2017年4月13日

2日ほど前に

2053年、1億人割れ=65年に高齢者4割弱-出生率は小幅改善・厚労省推計 時事通信

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は10日、2065年までの日本の将来推計人口を公表した。15年に1億2709万人だった総人口は、53年に1億人を割る見通し。65年には8808万人に減り、65歳以上の高齢者が占める割合は、15年の26.6%から38.4%に上昇する。

こんな感じになるそうです。

元データはこちらに

この発表データは25年のものが少し修正されたものだが、25年データにある要点は以下

1 2040年の総人口はすべての都道府県で2010年を下回る
2 65歳以上人口、75歳以上人口は大都市圏と沖縄県で大幅に増加
3 2040年の総人口は、約7割の自治体で2010年に比べ2割以上減少
4 2040年には、65歳以上人口が40%以上を占める自治体が半数近くに

この内容を、「近年の30~40歳代の出生率実績上昇等を受け」、やや楽観的に修正したわけ。

確かに2005年に1.26だった合計特殊出生率は2013年には1.43とほんの少し回復したように出ているので、いまから48年後にはいまよりわずかに出生率が上がってる前提に変更されたのね。
でもさ・・・
合計特殊出生率の変動がどうして起きるかを解析しないで数字的にやっちゃっていいの?
2005年移行に合計特殊出生率が上がった理由については

3年連続の上昇で少子化傾向は反転したのか? 日経ビジネス

では、「2008年に出生数が増えたのはうるう年のおかげ」に加え

2005年までは、主に20歳代での出生率低下が全体としての合計特殊出生率の低下をリードしていました。これに対して、2006年以降は、主に30歳代での出生率上昇が全体としての合計特殊出生率の上昇をリードしています。これは、この間に晩産化が進行していたと考えると、説明がつきます。つまり、ここ数年の合計特殊出生率の上昇は、主に晩産化によってもたらされたのではないかと考えられるのです。この晩産化の影響がなくなった時に現われる合計特殊出生率こそが、日本の基調的な出生率の動きを示すものとなります。その出生率がどの程度になるかは、今後の推移をまたなければなりませんが、一応の見当をつけてみましょう。
仮に、晩産化によって20歳代の出生率が低く、その分30歳代の出生率が高くなっているとすると、現在30代後半の女性のこれまでの平均出生率を見れば、おおまかな期間合計特殊出生率の見当をつけることができます。詳しい説明は省略しますが、40代前半にやや出生率が高まったとしても、現在30代後半の女性の期間合計特殊出生率は1.45程度となります。すると、最大限高めに見積もったとしても、晩産化が終わった後の基調的な合計特殊出生率は、1.45程度だということになります。

ということで、ここ数年の統計数字上の上昇は、ちょっと難しいがつまりは高齢出産が増えたために「合計特殊出生率」の見かけ上の数字が上昇しただけ。
本当に1人の女性が子供を何人産むかという「コーホート合計特殊出生率」で計算されていない点が問題なのだが、コーホート合計特殊出生率はだいぶん時間が経過しないと解析できない。

高齢出産が増えれば計算上の「合計特殊出生率」は上昇するが、何歳になっても子供を産めるわけではないからこの計算式だとすぐに上昇が止まるわけですね。この記事を書かれた小峰教授の試算では最大で1.45までしかあがらないので、厚労省の楽観的な試算はどうかな、的に思いました。さらに・・・・・

何回かブログにも書いたけど、昔の出生率が高かったのは子供の時に死亡してしまう比率が高かったので、保険で多産だったという要素が大きい。ここ20年ほどの医学の進歩でその可能性が非常に小さくなり少子化が始まった。

子供が減った結果、大学進学率が非常に高くなり、何人もの子供を大学まで出すと親の老後のお金がなくなってしまう。全員中・高卒でいいやというビッグダディみたいな家庭なら何人でも作れるが、特に東京のように大学進学率が非常に高い地域では一人っ子が多くなるわけです。

この間、女を働かせずに専業主婦にするようにすれば、子供が増えるって馬鹿な事言ってた人がいましたが、子供が2人いる家庭は教育費のためにお母さんがパートに出たりしてるケースが多いでしょう?
裕福な家庭なら専業主婦でもよいが、普通の家庭ならお母さんが家にいて子供が何人もできたら教育費がないから子供は大学に行けませんよ!
鹿児島とか進学率が低いからこれでもよい。実際出生率も高め。しかし一番の問題は出生率が1.0で大学進学率が7割近い東京。東京のお母さんには費用のかからない保育園を用意しないと子供は2人産んでくれません。学費が稼げないから。


こちらよりもってきたので仰天しながら読むべし。

2010年と2035年を比較すると、
全国の世帯数は51842 → 49555と4.4%減少するのに
東京の世帯数は6382 → 6614 と3.6%上昇する。※単位1000

秋田なんてたった18年後には2010年からの比較で21.4%も減っちゃうのに、です!!

県人口100万人割れ、1日現在 87年ぶり、目立つ社会減
秋田の地方紙も危機感持ってる

ちなみに2010〜2015はほぼ変動しないので、この減少率は「いまからこれだけ減る」と考えて良いです。
現在よりさらに都市に人口が集まってくる。世帯数が増えるのは全国では一都三県と少子化になってない沖縄のみ!!!

つまり、永江理論ではますます地方の過疎化が進み、一都三県でないとお金が稼げないので人口は一都三県に集まってくる。集まってくる一都三県、とくに東京は日本でダントツに出生率が低くて1.0しかない。東京は進学率が高く、学費が非常に嵩むためだ。よって出生率は実質数字の「コーホート合計特殊出生率」ではどんどん低下していくと考えるんですが、いかがなもんでしょう。

永江理論では一番上の表の世界はもっと早く、40年後の2055年くらいには到来するのではないかと思いますが詳しい計算は統計学の専門家にお任せします。ヨロ

ちなみに2035年、つまりたったの18年後でも過疎化が恐ろしい地域は
北海道
青森
秋田
岩手
山形
和歌山
鳥取
島根
山口
徳島
高知
長崎
鹿児島
あたりです。これからから15%以上世帯数が減る予定です。東北は復興でいったんは世帯数が増えますがそのあと一気に減るという恐ろしい推測になってるようです。

森友学園とかとっとと決着して、政治家は近い将来の日本の滅亡に対してきちんと論議しろ。自分が「豊洲に移転が絶対ガー」というみなさんに、将来に負担を残さないようにきちんと採算を検討しろと書き続けてるのはコレです。

この50年で平均寿命は恐ろしく延びたが、さすがに伸び止まっており50年後はいまより5歳くらいの伸び。それでも女性の平均寿命は90歳超えるから、40〜50年後はそのへんに100歳超えの金さん銀さんがゾロゾロ歩いていることになる。

地方の空き屋と空き部屋が大量に出る

プチバブル?アパートローン過熱で増える空室…マイナス金利追い風で急増 日銀など対策へ (1/2ページ)

みたいな報道をよく見ます。18年後、一都三県は世帯数が増えているからまだよいが、地方の高齢者が「節税対策」でローン借りて建てるアパートは、すぐ近い将来、人口減で借り手が激減します。一都三県と沖縄以外は人口が減るのにアパート作りまくってどうするの。建設会社の担当はその頃は退職してるか転職してるだろうし、銀行は資産差し押さえればいいだけだしね。秋田にいまから新築アパートとか気が遠くなります。

消費が激減して景気がめちゃくちゃ悪くなる

単純に人口が3割も減るんですから、ものは全然売れなくなります。サービスの利用者も激減します。つまりお金が回らなくなります。商店やサービス業の売り上げが3割落ちて、しかも働いていない高齢者比率が物凄く上がってますのでみんなお金がありません。お店はめちゃくちゃ潰れるし、遊戯施設やスポーツ施設は高所得者用しか残らないでしょう。

高齢者比率は爆増していますが40年後に60〜70歳の人はいま20〜30歳という「お金のない若者」ですから、貯金もありません。年金制度はとっくに崩壊していると思いますが、仮にまだ残っていたとしても

2015年は2.3人の働き手が1人の高齢者の年金を負担していたが
2060年には1.3人で支えないといけない!

単純に考えて年金は半分くらいになってしまう。

そしていま、生活保護の高齢者の受給率が過半数になってるわけですが・・・
当然ながら40年後くらいには高齢者が爆増していることもあり、生活保護は破綻してるでしょう。医療保険制度も高齢者が多すぎてもうだめになってると考えて当たり前。

生活保護、高齢者が初めて50%超す 厚労省調査

年金払ってない。低賃金で貯金もしてないといういまの20代は、生活保護もなくなっていたら野垂れ死ぬか乞食になるしかないわけです。

労働力が圧倒的に足りない

高齢化社会にとって一番困るのが労働力の確保です。ただし人口自体が3割減っていますから、食糧の生産や消費量も減っています。おそらく農業、漁業などの第一次産業の従事者はいまの平均年齢が70歳くらいですので、物凄く少なくなっていてほぼ輸入に頼らないといけないはずです。漁業に至ってはすでに漁船も古くなり、漁村も少子化で子供は会社勤めばかりになってますので後継者は物凄く少ないです。

貧困率が上がり、人口も減って空き屋もたくさんでますから、もっとも重要なのは治安の確保で、警察官はいまよりもたくさん必要だし、優先的に労働力が振り分けられるでしょう。ロボコップみたいのに代わりにやってもらうかも。自衛隊や医療などの公共的な職業は削れませんから、そこに若い世代は必然的に振り分けられます。アーチストなんていうことは反社会的だ、みたいになっちゃうかも。そもそも音楽とかはマジで売れなくなってる。娯楽やってる場合じゃないから。

一番求められる労働力は「介護」になると思いますが、このあたりはこの時代には人間よりロボットのほうがコストが安くなっていると思われますので、介護についてはロボットが淡々とやるようになるんじゃないでしょうか。というかなっててほしい。しかし医療制度は医療を受けたい人が爆増しているので健康保険は崩壊し、高所得者しか受けられないということになってる可能性大です。

で、こうなると「外国人労働者か」とかいう人がいます。
しかし考えてみてくださいな。外国人労働者って自国よりもお金が稼げるから海外に行って働くのです。10年くらいまでは中国から働きに来ていた人がけっこういましたが、いまは全然いませんよね。中国国内で働いたほうがいいからです。知人の居酒屋にアルバイトの面接に来た中国人留学生の女の子は家に連絡したら「居酒屋はダメだ。仕送り増やすからバイトするな」と言われたそうです。

いま、東南アジア各国は目覚ましい発展を遂げています。
マレーシア、インド、ベトナム、フィリピン、ラオス、ミャンマーとか、物凄く伸びてるんですよ。40年後には抜かされてますって。自国で働いていた方がお金になるのに、どうして貧乏になって落ちぶれた国に働きに行くんですか。日本に来るよりマレーシアやインドに出稼ぎいくようになりますよ。てか、日本から若者が海外に出稼ぎに行くようになってる可能性が大です!!

そんなわけで、このままですと40〜50年後の日本は、いつも言ってる通りマッドマックスか北斗の拳になってます。若者はヤンキーではなくてモヒカンです。ヒャッホーです。
いまから読んで復習しておいたほうかいいぞ

日本中の田舎は空き屋だらけのゴーストタウンになり、東京だけは人口が増えてエリートが集まるゴッサムシティになってます。東京に貧困層がなだれ込むのを防ぐため、防壁が作られ・・・・・
SFだと映画にもなったけどコレ。面白いよ

この暗い未来をどうやって生き抜くか

自分はその頃には死んでるから良いのですが、いま20〜40歳くらいの方は、高齢者まっただ中。北斗の拳みたいにモヒカンにぶち殺されないためにはいまから用意していないといけない。

どんな用意をすべきなのか・・・。簡単ですけど

1 金稼いで貯める

いま、低収入だけどふらふら遊び暮らしているキリギリス的な方は、その日暮らしができなくなった年齢では誰も助けてくれません。生活保護もありません。よって野垂れ死にするしかありません。度胸と腕があるならギャングになるという手もありますが、使える若い衆がいなくなってますからやっていけるのかな・・・

職業的には安定しているのは農業と漁業。だって生産人口が減ってるから、自分で作っていればニーズは絶対にあります。土地もたくさん余ってる。ただ・・・・防犯設備をしっかりとして管理農場にしておかないと、夜中にお腹を減らしたみなさんがたくさん盗みに来ます。けれど裕福になったアジア各国に輸出もできるからいいと思うよ

2 語学は必須・・・でもない

学歴がなくてもその頃のイケてるマレーシアとかタイとかでは道路工事したりする労働者が足りなくなってますから、日本から出稼ぎに行けます。となると語学とか思われますが、その頃にはとっくに同時翻訳のツールが出てますのでなんの勉強もしなくても会話はできるようになっていると思います。

そんなわけで書いているうちに暗くなってきました。ただひとつ、「今を楽しく」というのは社会が成長していた時、つまり季節で言うと春だからできたことなんです。いまは季節的には晩秋で、もうすぐ冬になるのにいまだに「今が楽しければ良い」という生き方なら、年食ったときには真冬の吹雪ですから凍死確実です。生まれた時期が悪かったので、諦めて冬に耐えるためにせっせと用意しなくちゃいけないということ。

政治家にお願いしたいこと

これまでのことはフツーに政府が発表しているのに、ほとんど誰も気にしてもしない。これって学校でちゃんと教えるべきですよね。

日本はこれから冬の季節だぞ

ということをきっちり教え、冬になる前にやっておくことを学ばせないとみんな死んでしまう。頭と才能と体力がある奴はいいが、もうフリーターで楽しく暮らす時代ではなくなってしまうのよ。「お前たちが大人になったときは生活保護なんてないよ」ということ、ちゃんと教えないと「年食ったら生活保護でいいから」と、大阪のヤンキーみたいなやつらは勉強もしない。

つぎはやはり少子化対策です。特に人口密集地の東京の未婚化と少子化を真っ先になんとかしないといかん。東京の少子化を食い止めれば、人口比で考えれば日本全体に影響するからです。

そのために一番有効なのは、いつも書いているように「教育費の負担減」です。といって馬鹿田大学でても中高卒とかわらない仕事しかできないなら税金の無駄。一定の大学で水準以上の成績なら学費免除の体制を早急に創る。北欧が少子化になっていないのは、学費免除がかなり効いている証拠です。
コレができたら子供をもうひとり作ろうかなという人も増えます。

そして一番大事なのは「情報公開」。100年先まで年金は大丈夫とか、訳の分からない事を言わない。きちんと日本の少子化をいま食い止めないと、40年後には日本はこうなります、と安倍さんが言うだけで子供を作ろうかなと思う人は増えると思うんですよ。どうせ人口減るんだから箱ものとかは無駄になるわけで、教育費に全部ぶっ込むくらいのことをしないと日本はマジで滅亡しますよ。

ちなみに元官僚の方の予想では40年後どころかもう目の前だそうです。「効率化によってなんとかなる」という抽象的な反論をしたきた他人事の若者たちもいましたが、ここ30年でどれくらい効率化されたか考えたらあと20年くらいでどうにもならんことくらいわかるっしょ。誰かが効率化してくれるみたいなこと考えてるだけで時間の無駄だし、そもそも消費が20%減るんだから国の税収も激減。企業も倒産続出ですよ。

でもって臆病なんでちょっと株でもと思ってたときにこれが日替わりセールになったんで、読んでからやろうかなと思ってます。

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