先日、東京FMでリフレ派の経済学者、明大の飯田泰之准教授の番組で話したってことは書きましたが、「なんでいまの若い子はお金を稼ごうという気がないんだろうと思いますか」という質問に
デフレマインドだからです
という回答をしたわたしですが、経済なんて嫌いだし興味もありません。あるのは「顧客視点」という伝家の宝刀だけです。本日は、「経済はマインドに左右される、理論ではない」ということについて無責任に語ろうと思います。
わたしがクライアントに対して行っているコンサル業務も、まずはマインドをあげること。「これならきっと成功する」というマインドを持たせる為に手を尽くしますが、いろんなアイデアや手法はそのためのものに過ぎない。「絶対に成功する」というマインドを持った人だけが成功する。マインドが持てずに懐疑的な人は全く成功の芽がないので早々に契約解除します。ここが一番大事。成功のためには論理や手法じゃなくてマインドね!!
ちなみに経済については全くの素人のわたしが、経済について唯一、主張するのが
経済はマインドで動く
ということです。オイルショックで日本は大不況になったが、本当に石油は枯渇したのか。全然してませんよね。暴落して生産調整してるほどです。2007年のサブプライムローン危機も、よくわからないけど不安になった個人や企業が一斉に株を売り始めたから全世界で不況に突入したんじゃないの?つまり、経済というのは理屈ではなくて大衆のマインドで動くってことを言いたいのです。自分はこれがマクロ経済の本質と思う。でも経済学者は顧客視点とかないから、理屈に走ってしまうと思うんですよ。
目次
お札を湯水のように刷ったらデフレ解消のわけない
この間、Facebookで「消費税は上げるべき」と書いたら、どこかの窃盗で検挙された学者の説を丸呑みしたシッタカさんが「バンバンお札を刷ればデフレなんて解消するのに財務省は国賊だ」みたいな陰謀論投稿をしつこくしてくるのでブロックしたのですが、アベノミクスは300兆もお札を刷ったけどデフレなんて1ミリも解消しないのをたぶん知らないらしい。足りないならいくら刷るの? 1京円ですか w
こうした極端なリフレ派の特徴は「デフレなんてお札するだけで解決」という、あまりにも安易な理解力です。経済は数字の遊びじゃないのでお札を湯水のように刷ったら投資家は不安になってしまう。お金を刷ってばら撒いたとしても、銀行が持っているお金の量が増えるだけ。ものが足りないわけではなくて有り余ってるので消費マインドが上がらなければインフレにはならない。食料が足りないからみんなが争って買おうとしてインフレになるわけで、札だけ刷っても銀行から誰も借りないのでは意味ないっしょ。
安倍さんも当初「お金刷ったらデフレ解決、やってみようかな」と300兆刷ったけど意味ないのに気づいて止めたんでしょ。
消費税を上げると不況になるのか
確かにいまの安倍さんが消費税をいまのままで上げたら景気は悪化するでしょう。
8%にしたときも悪化したよね。じゃあ必ず悪化するのといわれれば、前回上げたのは上げ方が悪かったと言わざるを得ない。
「家計の出費が増えたらみんな買い控えて不況になる」は100%正しくて揺るがないのかというと、それ自体がデフレマインドだと思います。ではいま、安倍さんが消費税上げたら経済は悪くなるのはどうしてか。先日、Twitterでアンケート取ってみました。
わたしのフォロワーは、Twitterで分析すると
こんな感じで、普通の人よりナンボかリテラシーは高いと思うのだが、それでも
3本の矢が分からない人過半数!!!
です。アベノミクスが何かも分からないのに、景気が良くなるとか信じるマインドのわけないっしょ。ww
一般国民になると、3本の矢といえば毛利元就で、安倍さんじゃないです。しかも3本の矢って一度に3本だと折れないという意味なんで1本ずつ放ったら意味ない。
「家計の出費が増えても消費マインドは落ちないケースもある」というとバカだと思われそうですが、そういう時代がありました。高度成長期です。たとえば国民年金ですが・・・
よっしゃよっしゃの田中角栄が、これからは年金で一生保証だ、みたいに言って第一期内閣を作ったのが1972年、昭和47年です。35歳以上の定額の支払額はこんな感じですが、いまよりずっと賃金が安いので大卒の賃金に占める割合で言うと
昭和49年1月~昭和49年12月 900/78,700円 1.1%
昭和50年1月~昭和51年3月 1,100/89,300円 1.2%
昭和51年4月~昭和52年3月 1,400/94,300円 1.4%
昭和52年4月~昭和53年3月 2,200/101,000円 2.2%
と、どんどんと国民年金が給料に占める割合が上がっていきます。実際には給与所得者は国民年金ではないのですが、計算がしやすいので代用しておきます。厚生年金の掛け金はずっと高いよね。
いくら将来のためとは言っても、22%UP→27%UP→57%UPと、物凄い勢いで毎年国民年金の負担額があがっていき、給料が上がっても年金の負担率の比率のほうが大きいので、消費税と同じく家計は圧迫されているはずですが、デフレにはなってない。消費マインドは衰えません。
いや、消費税のほうが家計に占める負担がずっと大きいだろうというあなた。日経のデータですが
消費税は高額所得者ほど一杯払いますが、低所得者はそもそも買い物しないのでたいした負担にはになってないのです。年収200万未満ならたったの8.7万円で年収に占める割合4.2%。なにがいいたいのかというと、
消費税と大差ない程度の負担の国民年金負担率が
毎年値上げなのに景気は悪化してない
ってことなんですよ。だからかならずしも「家計を圧迫する消費税を上げると景気は悪くなる」という事は言えない。デフレ下だから悪くなるが、インフレの時なら料率が上がっても気にしないわけです。つまり
インフレマインドにさえなれば、消費税が上がってもオッケーの可能性があるわけです。
デフレマインドとインフレマインド
ではデフレマインドとインフレマインドってなんでしょうか。
デフレだからデフレマインドになるのか、デフレマインドだからデフレになるのか、両方の側面があると思います。インフレも同じ
これからの時代はどんどん良くなると思えば
どんどん消費しよう、働いて稼ごう、ほしいものもたくさんある
のインフレマインドになりますが
これからの時代はもう先がないなあと思うと
稼ぎたくても稼げないから物欲を封印して耐えよう
のデフレマインドになりますよねぇ。
戦後の日本はハイパーインフレになりましたが、これは財政の施策もあるけれど「戦争が終わった。これから良くなる」という強いインフレマインドを国民全体が共有していたということも忘れちゃいけないんです。
こういうマインドですよ。
そういう意味では極端な少子高齢化を迎える日本では、なにもしないとデフレマインドになって当たり前なのです。空白の20年に政府が無策だったからデフレが定着したという説はもっともですが、これは公共投資をジャブジャブしなかったという意味ではなく、少子高齢化に正面から向き合わずに逃げ回っていたのが原因だと自分は思います。「将来はもっとよくなるから、子供をたくさん作ろう」というマインドが、インフレマインドです。その証拠にバブル期終わってから急に少子化が進みました。
マインドをインフレに転換するには
では、デフレマインドを払拭し、インフレマインドにするにはどうしたらよいのか。上記のように「これからどんどん日本は良くなる」という印象を国民に持ってもらうのが必須です。
ここで「公共投資で道路や箱ものをばんばん作ったらデフレが解消する」と主張する人たちがいて、自民党の土建族が押しています。この主張は
1 日本は破綻しない。日本政府の借金は国民の財産に変わってるだけ。
2 だから、公共投資を抑えずにばんばん投資をすればデフレは解消する
というものです。
わたしはこの説には、いくつかの矛盾があると思います。
まず、日本政府の借金は日本の国内で国債を買っているから破綻しないという説は一理あると思いますが、だとすると「今年から日本列島改造論パート2でガンガン橋とか道路とか港とか作りまくるよ」と発表したらどうなるでしょうか。
高度成長期には、日本列島が改造されることによって生活が良くなり反映するというイメージ、つまりマインドがありました。日本中が道路や新幹線でつながり、産業が振興する。道路も舗装される。だったらこれからの時代は車を買って出かけよう。景気も良くなるからというインフレマインドになりました。しかし
平成9年はデフレがスタートした年ですが、それまでの間、公共投資はものすごい勢いで伸びてました。伸びているのにデフレになったのです。おかしいじゃん。
さらに、3.11の時を考えましょう。東北地方には30兆円を超える公共投資がされました。しかし東北地方はインフレになったのでしょうか。
公共投資をしたので東北では土建屋さんたちが潤ってキャバクラが儲かったという話は聞きましたけど、東北の飲食店は土建屋の客がたくさん来るから値上げしたんでしょうか。してないですよね。東北でインフレになった話は聞いたことがありません。職人さんの手当が上がったり建築材料費が騰がったという話はありましたけど、消費者物価は騰がったとか聞いたことないです。ついでに復興の影響で景気が良くなるっていう話をする経済学者がたくさんいたけど「本当に良くなった??」かな。
どうして東北で値上げが起きなかったかといえば、永遠に復興の仕事があるわけではないから、値上げをして客が「あそこは人の足元を見て値上げした」とになれば一気に離れるのを恐れるからですよね。これと同じでいま湯水のように公共投資を行っても同じ事じゃないのかな。みんなこんなキチガイみたいな公共投資はいつまで続くのか、そのあと破綻が来るのではと思って貯金しますがな。
さらにもうひとつ。高度成長期の公共投資は国民が待ち望んでいました。道路ができて空港や鉄道ができてどんどん日本が良くなるという象徴でした。しかし使われなくなった空港が全国に多数、車も走らない高速道路もいっぱい。もう道路も空港もいらんだろうというのがいまの日本人じゃないでしょうか。わたしもそうです。
日本政府の借金は国民の資産になってるから心配ない、だから公共投資するということなら、国民が自分の資産で道路や橋を作るということに賛同しないと政権が飛びますが、ほとんど賛同しないですよね。それより保育園や高齢化対策しろって思います。それに人口の多くを占める高齢者は年金で生活しているので、インフレになったら困る。だからデフレ脱却のために公共投資とか言えば強く反対しますよ。デフレ脱却はあくまでマインドが変わった結果であり、目的じゃないんですよ。
インフレマインドに転換するにはどうすればよい
ここまで書いてくると、日本がデフレから脱出するなんて無理じゃんとなりますが、手としてはひとつだけ
国民のマインドをインフレに変えられる政治家の登場
があると思います。マレーシアのマハティールなんか代表的ですが、高度成長初期の池田勇人総理のキャッチコピー「所得倍増計画」「池田はウソをつかない」も分かりやすい。が、極めつけがいろいろあったけど田中角栄です。たたき上げの角栄さんが「後代の日本人の為により良い日本が造れる政策があるなら、いくらでも採用致します。そうでなくてどうして政治の責任を果たせるのでありますか」みたいなことをいつもいうもんだから、日本中の爺さん、婆さんまで参ってしまって「日本は良くなる」と信じてインフレマインドになったわけですよ。
安倍さんじゃだめ。なんか信用できないし、滑舌悪くてなにいってるかかわらない。説明もわかりにくいから3本の矢とか誰も知らない。
じゃあ、誰なのかというと例えば小泉進次郎です。
彼が若くして総理になり、野党も巻き込んで挙国一致内閣を立ち上げ、あの目と説得力でテレビ演説とネット演説をライブで
「わたしが日本の将来を変えます。それについて元手がないとなにもできません。このわたしを信じて、あなたのお子さんやお孫さんのために、消費税を15%にさせてください。そのお金はびた一文、将来の日本のため以外には使いません。わたしを信じてください。また消費税を上げても買い物を控えないでください。景気を良くするために3年間わたしを信じてください」と演説したら、日本人の8割は
「いいよ、消費税あげていいよ、進次郎、頼んだぞ」というと思うんです。
※ここ、ジーンとするとこなんでよろしく
上記のように、貧困層は消費税をはじめとする税収にはあまり貢献していないから、富裕層が「よーし、進次郎、わかった。お前に賭ける」と言って消費を差し控えなければ景気は悪化しません。
ではどうやって、進次郎はこのあと国民のマインドを上げ続けるのか。
それは公共投資です。ww
しかし、従来型の道路、空港、箱ものの土建屋喜ぶ公共投資ではありません。そんなことしても、国民の大半はこれ以上高速道路も空港もいらないと思ってるから嬉しくないし、将来こんなに明るくなるというイメージもないのでマインドが上がらない。
まず進次郎がやるのは、たとえば
核融合への人的、金銭的大投資です!!
核融合っていうのは未来のエネルギーと言われておりまして、ガンダムのエネルギー源です。w
ウランやプルトニウムの原子核分裂反応を利用する核分裂炉に対して、水素やヘリウムによる核融合反応を利用してエネルギーを発生させる。核分裂と比べて放射能が少なく(中性子はでるので見越して設計)、理論上、暴走があり得ない。詳細はここ
ただ実用化にはあと40年以上かかるといわれておりまして、多額の予算を必要とします。いろんな方式があるようですが、専門家ではないので知りません。ちなみに日本の科学技術予算はいかほどかと思いましたら、こちらにありました。1兆円とちょっとです。土木予算に比べていかにも少ない。そのうち核融合予算はごく一部でした。
で、核融合の実用化に向けてはまずは教育からはじめないといけない。国立大学へ核融合学部を新設、海外から教授陣を招き、成績優秀者は国費で海外施設にどんどん勉強に行かせる。授業料なんて当然のように免除です。次世代の日本のための頭脳を結集し、そこに投資します。核融合の実用化に世界で先駆けて日本が成功すれば、エネルギーは使い放題。日本中の車はすべてEVにし、暖房も調理もオール電化です。物凄いマーケットが生まれる。
まあ、核融合はひとつの例で自分は詳しくありません。別にシェールガスでもメタンハイドレードでもいいので、日本のエネルギーを輸入に頼る天然ガスや石油から脱却するために巨大な公的投資を行うのです。金を使うだけじゃなくて人を育てる。ここが大事。同様に医学などで日本が世界をリードしている部門には惜しげもなく予算を投下し、人を育てる。野口英世や湯川秀樹みたいなヒーローを創る。
幸いなことに産業用ロボットではまだ世界をリードしている。この世界も人材育成と教育を重点的に行い、ロボット省を設立。つまりは文系偏重の教育からもう一度理系にシフトするんですよ。理系はダサくてオタクだから人気がないが、理系が高収入で女の子に人気になれば希望者も増えるっしょ。
進次郎が、真摯なまなざしでこれを切々とテレビで国民に訴える。そして「日本の生き残りを賭けてわたしは戦う。国民の皆さんも一緒に戦ってください」と歴史に残る大演説を行うわけ。なんか「日本はもう一度すごい時代を創れる」というマインドが湧いてきませんか?
後半、ちょっと飛ばしすぎましたけど、要は偉大な宰相が歴史を作るという側面が必ずある。学問の理論ではなくて人を動かせる強い指導力のある政治家を強く望むものであります。江戸時代の最後は日本政府(幕府)の財政は破綻していて御家人(幕府の家来)は給料ももらえなくなっていた。明治政府は薩摩のクーデターだったわけですが、とにかく教育にお金を掛けて当時としては驚異的な識字率までもっていって日本の競争力を創った。これと同じ事をしてくれる政治家、強く求むなのであります。小西パイセンとか蓮舫とかヤニ大西差別議員とか早く引退してくれ。
わたしは学者じゃないのでとりあえず国民視点から「デフレ脱却」について語ってみました。長文、最後までお疲れサマンサ。炎上したら嫌なんで日曜のこんな時間に公開。w
これが似た考えだって教えてもらいました。
薬局に行ったらこれが馬鹿売れしてるって聞いた。蚊がいなくなるスプレーが売れたんで次はコレか。ヒアリ対策に撒く人もいそうだが、普通のアリを殺しちゃうとヒアリが定着しやすくなるからダメだってよ。