基本的に営業と言ってもいろいろある。宅急便のにーちゃんもドライバーでは無くてセールスドライバーで営業職なのだ。ただの運転手ではなくて大口の見積もりもするし、にこにこ営業しないとイケメンの佐川男子に仕事をとられたりする。そういう意味では「トラック野郎爆走一番星」の菅原文太とは違うのである。古くてすいません。ググって探してください。
宅急便ドライバーは既存顧客回りのルートセールス(たまに飛び込み営業してくる人もいるが)だが、新規営業には大まかに分けるとインバウンドとアウトバウンドがある。最近、ある会社さんと話をしたのであるが、そこは非常に成長していてイケイケなのであるが、営業は完全アウトバウンドであった。要するにテレアポである。
リクルートに新卒で入った私がいうが、昔のリクルートはアウトバウンド1本であり、テレアポや飛び込みが普通であった。かの光通信と寸分の誤差が無いほどクリソツであった。友人の会社にはちょくちょく某G社のバカ営業マンから「SEO対策やりませんか」というブラックハットの電話がかかってくるらしいが、そこの顧客は軒並みGoogleのペナルティで検索順位暴落中なのは有名な話。なのに知識の無い棒読み営業マンが電話をかけるのは、元リクルートの自分からして「アウトバウンドの風上にも置けない」輩といえます。
アウトバウンドの基本は「自分と取引していただくとあなたに絶対利益をもたらしますよ」という確固たる信念と自信だからである。「金目当て1本」の詐欺や闇金みたいなアウトバウンドはバカしか引っかからない。なのでテレアポの営業は高い技術レベルとともに、熱意と信頼感を訴えることが重要なのである。営業マンのレベルと素養でアポイントの取れる確率は何倍どころか10倍以上も変わってくる。
ネットの時代になって営業はどうなったか
ネットの営業は基本的にインバウンドです。サイトのコンテンツを充実させ、それが結果として検索エンジンの評価を高め、ソーシャルの運用をきちんと行ったり、リスティング広告を打ってそこからの問い合わせを待つ。問い合わせが来た顧客に対していかに信頼を持ってもらって具体的な商談につなげるかということだから、究極のインバウンドである。
その昔、広告を大量に打って電話があった顧客に超低金利で新車を販売する企業の広告の仕事をしていたが、これと同じ事が今のネットの営業なのだ。この自動車販売会社では、営業マンの質によってアウトバウンドと同じように成約率に大きな差が出ていた。
インバウンドはアウトバウンドとは別の技術が必要なんだが、なぜか営業能力が低くていいと思いがち。ネットで問い合わせしたのにやる気のない事務的な返答が返ってきて、この会社スルー!と思った人は多いんじゃないだろうか。メールの対応は営業の素養が無い人がやってはダメなんです。
どうしてネットではアウトバウンド営業はダメなのか
ネットのアウトバウンドの極致がスパムメールである。スパムメールは基本的に詐欺。英語、ロシア語のほが馬鹿情報商材など様々なスパムメールが来るが、それに紛れて営業メールを送ってもオレオレ詐欺電話が1日100本かかってくる家に電話するみたいなものでまともに受け取られない。
法律的には個人に営業メールを送るのには承諾が必要だが、相手が企業ならば事前承諾がなくても良い。ただし、サイトに「営業メールお断り」とある場合は送付は違法になる。中にはメールアドレスのリストを買って、やたらと営業メールを送りつける痛い情弱企業もある。これは某クライアントにしょっちゅう送りつけられてくる営業メール。
×××責任者様お忙しいところ大変申し訳ございません。
私、有限会社 ××機器の田中と申します。
私、有限会社 ××機器の田中と申します。
(なぜか2回連呼)
いつもメールで失礼します。今回は業務用エアコン回収工事の補助金のお知らせです。現在平成25年11月25日までに経済産業省が実施している空調器交換の補助金制度に申請されると3分の1の費用が補助金としてもどってきます。(詳しくはお電話ください。)エアコンの耐用年数はメーカーでも約10年前後と言われています。夏場にバタバタして高い金額で交換するよりも、もうエアコンを15年20年使用されているのであれば機会で交換されたほうが、より賢い判断だと思います。また現在は省エネエアコンになっていますのでラーニングコストも下がってきますので是非ご検討ください。期日は今月25日までです。弊社HP: http://××.com/
お問い合わせは TEL:0120-××-×××(田中080-××××-×××)
有限会社 ××機器 (担当:牧野・田中)
関東営業所:神奈川県横浜市××
本社住所:兵庫県神戸市兵庫区××
現場に出ている為電話にでれない場合もありますのでその場合は折り返しお電話いたします!!ご了承ください!!
※メールがご迷惑の方は、お手数ですがメールにてご返信ください。
サイト見たら恐ろしくしょぼくて被リンク0。まあ、客に「お電話ください」とさせる時点でビジネス的に相当アウトだが・・・。当然、クライアント側のサイトには「営業メールお断り」の記載があるため、はっきり違法。おそらく名簿業者からアドレスと社名を買ったのだろう。対策としてこちらは送信サーバのinfo.webにスパムの報告をしました。クレームが複数行けばID凍結もある。
ということで、ネットの場合は不特定多数の相手に対してアウトバウンドの営業を無作為に行うことは、効果の割に大きなリスクがあるわけです。あと、厨房機器とか中古トラックとか全く関係無い業種にスパム営業メールもあまりに馬鹿すぎるから止めて欲しい。どこかのエセコンサルが指導でもしてるのか?
おそらくチラシやポスティングと営業メールを同等に考えているんだろうが、チラシはいくらウザくてもそれでブランドイメージがどうもこうのはないわけ。しかしスパム営業メールの黒歴史は社名で検索したらすぐ出てくる。「スパマー企業」となってしまったら卸元だって取引を懸念するかもしれないですよ。
インバウンド営業はまずはサイトの充実から
となると非常に当たり前の話であるが、王道である「充実したコンテンツのサイトの構築」「しっかりとした運用」の2本立てで集客し、きちんとした営業体制でレスポンスする。というのがネットでの営業の基本となる。しかしここはノウハウもいるし、手間もかかるし、費用もそれなりにかかる。
だが実際のアウトバウンドの営業は人件費という非常に重いコストがあるわけで、営業マン3人に年1200万払うことを考えれば、実際にはネットのほうが安いかもしれないですよと言って本日の議題を終えたいと思います。おっと、逆にネット時代だからこそ、昔ながらのテレアポ営業でレベルが高いとこは生き残れるという側面もあると思います。個人宅への営業は固定電話なんてないからダメだけどな。